夏やすみ 姉妹奇談

tomonoshin

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姉妹奇談 幼少期その1

姉妹奇談 幼少期

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 小学校に入学して、ほどなく私は苛めにあうようになった。二つ上の姉は勉強も運動もでき、先生の間でも有名だった。ただ少し人と違う雰囲気を醸し出していたが。人見知りの割にはいつも同じく学年で一、ニを争うほどの頭の良い友人と一緒だったのも原因の一つだろう。
 私はクラスに馴染めずいつも一人で本を読んでいた。トイレにいって戻ると机の中の教科書が無くなっていたり、ノートにいたずら書きをされたり、いかにもな苛めだ。
 学校から帰ると玄関にはお爺さんと少女が立っており此方をじっと見る。
 その頃はもう昼夜関係なくすべてのモノが見えていたのだ。
  クラスメイトの後ろに蛇がのっていたり、狐や狸、下級霊に憑かれてる人間は割りと多いのだ。たいがいはその影響をうけ、苛めっこの類いだが。たまになにも視えない人もいるが、多分、死期が近いなとふと頭に浮かぶ。あえてなにも言わないけれど。ひとはそれぞれ背後に護るモノたちがいて日々の生活を快適に過ごす。
 小学生にそんなことはいっても通じるわけがなく、苛めが酷くなるだけだろうけど。
  部屋の中で一人いても私は一人ではない。
 すぐそこのドアの向こうからこちらの動向を伺いながら今にもなかに入ろうとするモノたち。
 お爺さんはこの土地に執着をもって亡くなり地縛霊に取り交わってしまった。私にはなにも出来ないのに。少女はなんなのか、でもなにかしらの因縁を感じる。少女からはなんの感情もいまのところ感じない。
 5歳ほど見た目で白い浴衣のようなモノを着ている。昔っぽい肩までのおかっばにパッチリとした目に可愛らしい顔立ち。
 あのスーパーの裏の少女とは又違う雰囲気の可愛らしさだった。
 部屋に入れないように今日も念じておく。
 ここだけが私の聖域なのだから。
 どんなモノも入れないように。

 姉が急に入ってきた。
 「うわっ」
  「なにやってんの、一人でぼーっとして気持ち悪いなー」
 部屋に悪いモノが入らないようにしてた、なんて言えないし…。
 「いや、学校で体育あって疲れちゃった」
 「ふーん」
 そのまま机に向かい宿題を始めたので、良かった気にしてないみたいと、ホッとする。
 私も宿題をしなくちゃ。
 ノートには少し落書きが残ってるけどそのページは破って捨てた。
  明日もまた学校にいくのだから…。
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