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28歳、春。
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春は好き。
景色が私の大好きな
ピンク色に染まるから。
儚く散っていく桜を見ると
少し切なくなるけど
ポカポカ暖かい日和の中で
桜の温かさに
包まれてるように感じる。
28歳春。
人生で大きな出逢いがあったー
私は、早瀬ゆう。
24歳のときに結婚、同じ年に長女を出産。
その2年後次女を出産して、
次女が1歳になった年に
再就職。
今日から新しい職場での仕事が始まる。
結婚前に前職を辞めてから4年間
専業主婦してたから
久々の社会復帰。
4年のブランク…大丈夫かな。
「仁菜、杏。お母さん今日からお仕事、頑張ってくるね!」
保育園の準備を済ませ、家を出る前に子ども達に向き合う。
長女仁菜は3歳、次女杏は1歳になったばかりだ。
本当は杏が3歳になるまではそばでみていたかった。
しかし家を建てたことでローンもあり、旦那の給料だけでやりくりが難しくなったので、杏が1歳になったのを節目に仕事を始めることにした。
私は小さいときから
結婚に憧れていて、
お母さんになることが夢だった。
優しい旦那さんに可愛い子ども。
家族のために働いてきてくれる旦那さんを美味しいご飯を作って待って
お帰りなさいって出迎えて。
幸せだなぁってみんなで笑いながらご飯を食べるの。
平凡な、でもすごく幸せな、私の夢。
恋愛に不器用でうまく叶えることができなかった私は経験も浅く、
20歳のとき、早瀬樹(はやせいつき)と付き合い4年の交際を経て結婚した。
樹は田舎の長男で
面倒見は良く人当たりも悪くない。
ただ私にだけは
横暴で亭主関白な一面もあった。
世間知らずで素直な性格の私は、どこか抜けてて。
ドジを踏むことが多かったから、樹にはよく怒られていた。
結婚前は怒りつつもそんな私のことを可愛いと思って支えてくれてた樹だったが
結婚してからはただ見下してバカにしたようなことを口にするようになっていった。
家事は一切しない樹。
だけど家事の出来には厳しかった。
ご飯には「美味しい」という言葉は言わなかった。
代わりに、どんな料理を出しても
「普通」
これが1番良い言葉だった。
味の濃い薄い、
ご飯の柔かさ、
使う材料の種類、
献立の組み立て方等、
とにかく気に入らないことが多く
いつも怒られていた。
掃除をすれば
家に帰ってくるなり出来のチェック。
ほこりが残ってたら
指で拭って
「今日1日何してたん?」
これには衝撃を受けた。
それでも樹にとって帰ってきたい家であって欲しかったから、
私なりに家事を完璧にしようと必死に頑張ってきたつもりだ。
真面目が故に思ってた。
「嫁は黙って尽くすこと」
これが嫁であると。
ー初めての出勤ー
私の仕事は介護福祉士。
今日から勤めるのは
デイサービス。
デイサービスすみれ
という
評判も良く、外観もキレイな施設だ。
入り口のドアを開けると、
施設長のマネージャーがすぐに対応してくれた。
「さぁ、事務所にどうぞ。職員の紹介するわね。」
そう言って事務所に招かれる。
事務所には
数名のスタッフがいた。
「初めまして、早瀬ゆうです。よろしくお願いします!」
緊張しながら挨拶すると、
お願いしますとみんな笑顔を返してくれた。
ニコニコ笑顔が印象的なおばちゃんはすみれホールのリーダーだと紹介された。
梶原さんという人。
私は梶原さんについて教えてもらうことになった。
梶原さんに案内されてホールに出て行くと、
たくさんの利用者さんがもう来ていた。
明るくて賑やかな雰囲気のホール。
割と元気なしっかりした方が多くて、
カラオケを歌っている方、
机に向かって手作業をしている方、
リハビリを一生懸命されている方、
いろんな人がいた。
みんな見慣れない私に興味津々のようだ。
全体での体操の前に私の紹介をするとのことで
前に出て自己紹介をした。
「今日から入りました、早瀬ゆうです!頑張りますのでよろしくお願いします。」
かなり緊張して声が震えてしまったけど、
利用者さんも笑顔で聞いてくれた。
挨拶の後、ホールで少しの間利用者さんとお話をする時間をくれた。
みんなに声をかけてもらって、
いろんな人と話していると
「新人さん?」
と後ろから声がした。
「理学療法士の松野です。よろしくお願いします!」
ー爽やか。
そんな言葉が良く似合う人だった。
笑顔がすごく爽やかで
綺麗な顔立ち。
すらっと高い身長。
180センチくらいはあるかな…。
穏やかな雰囲気で
柔らかい印象の男の人。
ー松野さん。
そう。
これが私と松野さんの
初めての出逢いだったー
景色が私の大好きな
ピンク色に染まるから。
儚く散っていく桜を見ると
少し切なくなるけど
ポカポカ暖かい日和の中で
桜の温かさに
包まれてるように感じる。
28歳春。
人生で大きな出逢いがあったー
私は、早瀬ゆう。
24歳のときに結婚、同じ年に長女を出産。
その2年後次女を出産して、
次女が1歳になった年に
再就職。
今日から新しい職場での仕事が始まる。
結婚前に前職を辞めてから4年間
専業主婦してたから
久々の社会復帰。
4年のブランク…大丈夫かな。
「仁菜、杏。お母さん今日からお仕事、頑張ってくるね!」
保育園の準備を済ませ、家を出る前に子ども達に向き合う。
長女仁菜は3歳、次女杏は1歳になったばかりだ。
本当は杏が3歳になるまではそばでみていたかった。
しかし家を建てたことでローンもあり、旦那の給料だけでやりくりが難しくなったので、杏が1歳になったのを節目に仕事を始めることにした。
私は小さいときから
結婚に憧れていて、
お母さんになることが夢だった。
優しい旦那さんに可愛い子ども。
家族のために働いてきてくれる旦那さんを美味しいご飯を作って待って
お帰りなさいって出迎えて。
幸せだなぁってみんなで笑いながらご飯を食べるの。
平凡な、でもすごく幸せな、私の夢。
恋愛に不器用でうまく叶えることができなかった私は経験も浅く、
20歳のとき、早瀬樹(はやせいつき)と付き合い4年の交際を経て結婚した。
樹は田舎の長男で
面倒見は良く人当たりも悪くない。
ただ私にだけは
横暴で亭主関白な一面もあった。
世間知らずで素直な性格の私は、どこか抜けてて。
ドジを踏むことが多かったから、樹にはよく怒られていた。
結婚前は怒りつつもそんな私のことを可愛いと思って支えてくれてた樹だったが
結婚してからはただ見下してバカにしたようなことを口にするようになっていった。
家事は一切しない樹。
だけど家事の出来には厳しかった。
ご飯には「美味しい」という言葉は言わなかった。
代わりに、どんな料理を出しても
「普通」
これが1番良い言葉だった。
味の濃い薄い、
ご飯の柔かさ、
使う材料の種類、
献立の組み立て方等、
とにかく気に入らないことが多く
いつも怒られていた。
掃除をすれば
家に帰ってくるなり出来のチェック。
ほこりが残ってたら
指で拭って
「今日1日何してたん?」
これには衝撃を受けた。
それでも樹にとって帰ってきたい家であって欲しかったから、
私なりに家事を完璧にしようと必死に頑張ってきたつもりだ。
真面目が故に思ってた。
「嫁は黙って尽くすこと」
これが嫁であると。
ー初めての出勤ー
私の仕事は介護福祉士。
今日から勤めるのは
デイサービス。
デイサービスすみれ
という
評判も良く、外観もキレイな施設だ。
入り口のドアを開けると、
施設長のマネージャーがすぐに対応してくれた。
「さぁ、事務所にどうぞ。職員の紹介するわね。」
そう言って事務所に招かれる。
事務所には
数名のスタッフがいた。
「初めまして、早瀬ゆうです。よろしくお願いします!」
緊張しながら挨拶すると、
お願いしますとみんな笑顔を返してくれた。
ニコニコ笑顔が印象的なおばちゃんはすみれホールのリーダーだと紹介された。
梶原さんという人。
私は梶原さんについて教えてもらうことになった。
梶原さんに案内されてホールに出て行くと、
たくさんの利用者さんがもう来ていた。
明るくて賑やかな雰囲気のホール。
割と元気なしっかりした方が多くて、
カラオケを歌っている方、
机に向かって手作業をしている方、
リハビリを一生懸命されている方、
いろんな人がいた。
みんな見慣れない私に興味津々のようだ。
全体での体操の前に私の紹介をするとのことで
前に出て自己紹介をした。
「今日から入りました、早瀬ゆうです!頑張りますのでよろしくお願いします。」
かなり緊張して声が震えてしまったけど、
利用者さんも笑顔で聞いてくれた。
挨拶の後、ホールで少しの間利用者さんとお話をする時間をくれた。
みんなに声をかけてもらって、
いろんな人と話していると
「新人さん?」
と後ろから声がした。
「理学療法士の松野です。よろしくお願いします!」
ー爽やか。
そんな言葉が良く似合う人だった。
笑顔がすごく爽やかで
綺麗な顔立ち。
すらっと高い身長。
180センチくらいはあるかな…。
穏やかな雰囲気で
柔らかい印象の男の人。
ー松野さん。
そう。
これが私と松野さんの
初めての出逢いだったー
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