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私はフラグを叩き折る
4個目 魔の手・犬の手・私の手
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あれから数日、犬の名前が決まらない。
候補はたくさんあったのだ。
次々と挙げた名前候補は、とても犬とは思えない渋面で首を振りながら抗議された。考えるのが面倒になってきて、ポチやタマなど、それっぽい名前で妥協しようとしたのがバレたのかも知れない。
てしてし叩いてくる前足とじゃれながら、あーでもないこーでもないと考えてはみたものの、出てくるのは前世で知っている犬の種族名や有名な犬名だけだった。
そう言えば、ガブリエラといつも一緒に犬がいたのは覚えていても、フラキス内でその子の名前は出てこなかったはず。記憶にないだけかも知れないけれど、もしかしたら唯一無二かもしれない将来の親友のためにも、素敵な名前を付けてあげたい。幼女が可愛らしい犬とキャッキャしていれば、同世代の友人が出来るかもという打算もある。
考えすぎても良くないかなと、気分転換も兼ねて、犬の食事をもらいに厨房へ行ってみよう。
もともとが空を飛んでいたせいか、犬は凄く軽かった。抱っこをしても小さなぬいぐるみ程度の重量なのに、ふっかふか。私が抱きかかえても余裕で歩くことが出来る親切設計。さらさらな毛並みからは、ほのかに花のような匂いまでする。さすが私の相棒だ。もう逃がさないよ?
などと馬鹿なことを考えながら厨房に向かうと、ニッコニコした料理長が、木のお皿にミルクを用意して待っていてくれた。
犬に近づけると、ここ数日で慣れたものなのか、くんくん匂いを嗅いでからすぐにペロペロと飲み始めた。どうみても犬だ。さりげなく横に置いてくれたおやつをもぐもぐしながら、犬に語りかけてみた。
「あなたのおなまえ、ミルクはどう?」
ちょっと悩みながら、やはり前足でぺしぺししてきた。わがままな犬だな。しかしどう考えても言葉を理解しているのよね? 犬ではないのかも知れない。いやただの犬のはずだ。フラグではないと信じたい。
犬の食事とおやつの時間も終わったことだし、この世界でたった一つの日課であるお魚観察に出発した。魚たべたい。
池の中を自由気ままに泳いでいる魚たちをニヤニヤと覗き込んでいると、犬が両前足を広げて顔に張り付いてきた。私の日課の邪魔をするなとばかりにペイッと掴んで放り投げてもめげずにまた張り付いてくる。一進一退の攻防を繰り広げた結果、いきなり犬が光り出した。
光った?!
なんで犬が光るの?
やっぱり犬ではないの?
混乱していたら、すぐそばに控えていた侍女がどこかに走っていってしまう。
この状態で幼女を放置かよ! と思わなくもないが、それよりもまずは犬を観察しよう。観察は得意だ。
空中に浮かび上がってピカピカしている犬を、全方位から眺めてみても、眩しいだけで問題はなさそうだ。魔法で攻撃されたら恐いので、触れるのは躊躇してしまうけど、犬は犬だ。女は度胸! と手を伸ばそうとしたところ、大急ぎで現れたお父様にヒョイっと抱き上げられてしまった。
「ガビー、無事かい?」
いつも綺麗に整えてある髪がぐしゃぐしゃになるほど慌てて駆けつけてくれたようだ。ギリギリ届いたので手櫛で髪の毛を整えてあげながら、首を傾げる。
「もんだいありません! 犬がピカピカしているだけですわ」
「ああ良かった」と呟くお父様に、どうしてそんなに慌てているのかを聞いてみると、予想外の答えが返ってきた。
「その子は、ただの犬ではないんだよ。恐らくは精霊なんだ」
「せいれいですか?」
「そう。普通の犬は空を飛ばない。特に小さな動物は、人間も含めてそれほど魔力がないからね。てっきり風の精霊とばかり考えていたけれど、もしかしたらそれより上位の存在である、光の精霊かも知れない」
このわんこ、まさかの精霊だった。
そりゃあおかしいとは考えていたけど、そうじゃないと信じたかった!
逃げ出したいのにフラグの方からガンガン近づいてくる恐怖に震えていたら、勘違いしたらしいお父様が優しく背中をトントンしてくれた。
「基本的に精霊は人の鏡だと言われている存在なんだ。優しくすれば助けてくれるし、悪いことをしたら意地悪されてしまう。ガビーは仲良くしていたでしょ? だから安心していいよ」
そう微笑むお父様の言葉に、真っ青になってしまう。なぜ犬あらため精霊さんが光り輝いているのか思い出したからだ。
「池のさかなを見ていたらじゃまされたので、いじわるしてしまいました」
半泣きでそう告げると、みるみるうちにお父様の顔色も悪くなっていった。
「どんなことをしてしまったのかな?」
「かおにぴったりとくっついてきたので、つかまえてポイッとなげました」
ふーっと大きな溜め息を吐くお父様にドキドキしていると、笑いながらこう言った。
「たぶんガビーが魚ばかり気にするのが嫌だったんだと思うよ。ガビーも自分が無視されたら悲しい気持ちになるだろう? 精霊も同じなんだよ」
ふむふむと納得してしまった。確かに魚に集中し過ぎて、精霊さんを雑に扱ってしまった。生涯の友になんてことを。一つのことに集中すると、周りが見えなくなるのは私の欠点だ。反省しよう。
「さて、この精霊と契約する気はあるかな?」
「けいやくですか?」
「そうだよ。精霊には寿命がないと言われていてね。気に入ったものに加護、えーと力を貸してくれるんだ。人間はどんなに長くても百年ほどしか生きられない。精霊にとってはほんの少しの時間を一緒に暮らしてくれるんだ」
もちろん、契約をすると様々な問題もあるんだけどね。しっかりと目を見つめながら真顔になったお父様は、精霊との契約がどういったものかを教えてくれた。
問題は三つ。
一つ、精霊はペットではない。あくまでも同格の友人として扱うこと。精霊に嫌われてしまうと、加護は取り消され契約した精霊の属性と同じ魔法は二度と使えなくなる。さらに人格に問題があるとして蔑まれてしまう可能性がある。
一つ、契約自体が珍しく、悪い人に見つかると自分にも精霊にも危険が及ぶかも知れない。みだりに人に話すことは駄目。
一つ、精霊または周囲の人に悪意を向けると、それを排除するために精霊が魔法を使うかも知れない。しっかりと気をつけないと命の問題にもなりかねない。特に精霊に対しての悪意は、自分に跳ね返るので要注意。
反対にメリットも多い。
他者の悪意から守ってくれ、魔法の才能が伸びる。さらに他の精霊と意志疎通し、簡単な魔法なら手助けしてくれるようなる。契約者が他国へ行かないように国から様々な恩恵を与えられ、希望するならば爵位さえ手に出来る。また前述の通り精霊には寿命がないため、自分が死ぬまで側にいてくれる等々である。そんなもの即決だ!両手をぐっと挙げて宣言する。
「けいやくします!」
「そう言うと思ったよ」
ポンポンと頭をなでられた私は、だらしなくニヤニヤしながら疑問をぶつけてみた。
「せいれいさんにせいべつはありますか?」
「性別はない。精霊の姿は契約した相手の希望通りになると言われている。名前を付けてあげると意志の疎通も可能になるそうだよ。残念ながら私は契約している精霊がいないため人から聞いた話しか判らないんだ。ごめんね」
寂しそうな笑顔で、精霊と契約した人は一つの街に一人いるかどうかだと教えてくれた。そうじゃないかと思っていたけれど、屋敷の中どころか領地にすら一人もいないそうだ。めちゃくちゃレアじゃないか! わたしでいいのだろうか?
疑問が顔に出ていたのだろう。優しく目を細めたお父様は「精霊の契約は気まぐれで、気に入った相手に拒絶された場合はどこかに行ってしまい、他の誰も契約できない」と告げた。
わかりましたとは答えたものの、責任重大である。もし仲良く出来れば、家族や領地の人とも契約してくれる精霊さんが遊びに来てくれるかもだしね。
ただの犬から、光り輝く精霊さんへ。
悪役令嬢から精霊の契約者へ。
闇には染まらないと決めている私は、前世で観たとある映画のタイトルから光の名前を一所懸命にひねり出した。
「この子の名前は……」
まだ光っていた精霊さんをそっと抱きしめながら名前を告げると、心の深いところで確かな繋がりを感じたのだった。
候補はたくさんあったのだ。
次々と挙げた名前候補は、とても犬とは思えない渋面で首を振りながら抗議された。考えるのが面倒になってきて、ポチやタマなど、それっぽい名前で妥協しようとしたのがバレたのかも知れない。
てしてし叩いてくる前足とじゃれながら、あーでもないこーでもないと考えてはみたものの、出てくるのは前世で知っている犬の種族名や有名な犬名だけだった。
そう言えば、ガブリエラといつも一緒に犬がいたのは覚えていても、フラキス内でその子の名前は出てこなかったはず。記憶にないだけかも知れないけれど、もしかしたら唯一無二かもしれない将来の親友のためにも、素敵な名前を付けてあげたい。幼女が可愛らしい犬とキャッキャしていれば、同世代の友人が出来るかもという打算もある。
考えすぎても良くないかなと、気分転換も兼ねて、犬の食事をもらいに厨房へ行ってみよう。
もともとが空を飛んでいたせいか、犬は凄く軽かった。抱っこをしても小さなぬいぐるみ程度の重量なのに、ふっかふか。私が抱きかかえても余裕で歩くことが出来る親切設計。さらさらな毛並みからは、ほのかに花のような匂いまでする。さすが私の相棒だ。もう逃がさないよ?
などと馬鹿なことを考えながら厨房に向かうと、ニッコニコした料理長が、木のお皿にミルクを用意して待っていてくれた。
犬に近づけると、ここ数日で慣れたものなのか、くんくん匂いを嗅いでからすぐにペロペロと飲み始めた。どうみても犬だ。さりげなく横に置いてくれたおやつをもぐもぐしながら、犬に語りかけてみた。
「あなたのおなまえ、ミルクはどう?」
ちょっと悩みながら、やはり前足でぺしぺししてきた。わがままな犬だな。しかしどう考えても言葉を理解しているのよね? 犬ではないのかも知れない。いやただの犬のはずだ。フラグではないと信じたい。
犬の食事とおやつの時間も終わったことだし、この世界でたった一つの日課であるお魚観察に出発した。魚たべたい。
池の中を自由気ままに泳いでいる魚たちをニヤニヤと覗き込んでいると、犬が両前足を広げて顔に張り付いてきた。私の日課の邪魔をするなとばかりにペイッと掴んで放り投げてもめげずにまた張り付いてくる。一進一退の攻防を繰り広げた結果、いきなり犬が光り出した。
光った?!
なんで犬が光るの?
やっぱり犬ではないの?
混乱していたら、すぐそばに控えていた侍女がどこかに走っていってしまう。
この状態で幼女を放置かよ! と思わなくもないが、それよりもまずは犬を観察しよう。観察は得意だ。
空中に浮かび上がってピカピカしている犬を、全方位から眺めてみても、眩しいだけで問題はなさそうだ。魔法で攻撃されたら恐いので、触れるのは躊躇してしまうけど、犬は犬だ。女は度胸! と手を伸ばそうとしたところ、大急ぎで現れたお父様にヒョイっと抱き上げられてしまった。
「ガビー、無事かい?」
いつも綺麗に整えてある髪がぐしゃぐしゃになるほど慌てて駆けつけてくれたようだ。ギリギリ届いたので手櫛で髪の毛を整えてあげながら、首を傾げる。
「もんだいありません! 犬がピカピカしているだけですわ」
「ああ良かった」と呟くお父様に、どうしてそんなに慌てているのかを聞いてみると、予想外の答えが返ってきた。
「その子は、ただの犬ではないんだよ。恐らくは精霊なんだ」
「せいれいですか?」
「そう。普通の犬は空を飛ばない。特に小さな動物は、人間も含めてそれほど魔力がないからね。てっきり風の精霊とばかり考えていたけれど、もしかしたらそれより上位の存在である、光の精霊かも知れない」
このわんこ、まさかの精霊だった。
そりゃあおかしいとは考えていたけど、そうじゃないと信じたかった!
逃げ出したいのにフラグの方からガンガン近づいてくる恐怖に震えていたら、勘違いしたらしいお父様が優しく背中をトントンしてくれた。
「基本的に精霊は人の鏡だと言われている存在なんだ。優しくすれば助けてくれるし、悪いことをしたら意地悪されてしまう。ガビーは仲良くしていたでしょ? だから安心していいよ」
そう微笑むお父様の言葉に、真っ青になってしまう。なぜ犬あらため精霊さんが光り輝いているのか思い出したからだ。
「池のさかなを見ていたらじゃまされたので、いじわるしてしまいました」
半泣きでそう告げると、みるみるうちにお父様の顔色も悪くなっていった。
「どんなことをしてしまったのかな?」
「かおにぴったりとくっついてきたので、つかまえてポイッとなげました」
ふーっと大きな溜め息を吐くお父様にドキドキしていると、笑いながらこう言った。
「たぶんガビーが魚ばかり気にするのが嫌だったんだと思うよ。ガビーも自分が無視されたら悲しい気持ちになるだろう? 精霊も同じなんだよ」
ふむふむと納得してしまった。確かに魚に集中し過ぎて、精霊さんを雑に扱ってしまった。生涯の友になんてことを。一つのことに集中すると、周りが見えなくなるのは私の欠点だ。反省しよう。
「さて、この精霊と契約する気はあるかな?」
「けいやくですか?」
「そうだよ。精霊には寿命がないと言われていてね。気に入ったものに加護、えーと力を貸してくれるんだ。人間はどんなに長くても百年ほどしか生きられない。精霊にとってはほんの少しの時間を一緒に暮らしてくれるんだ」
もちろん、契約をすると様々な問題もあるんだけどね。しっかりと目を見つめながら真顔になったお父様は、精霊との契約がどういったものかを教えてくれた。
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一つ、契約自体が珍しく、悪い人に見つかると自分にも精霊にも危険が及ぶかも知れない。みだりに人に話すことは駄目。
一つ、精霊または周囲の人に悪意を向けると、それを排除するために精霊が魔法を使うかも知れない。しっかりと気をつけないと命の問題にもなりかねない。特に精霊に対しての悪意は、自分に跳ね返るので要注意。
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「けいやくします!」
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「性別はない。精霊の姿は契約した相手の希望通りになると言われている。名前を付けてあげると意志の疎通も可能になるそうだよ。残念ながら私は契約している精霊がいないため人から聞いた話しか判らないんだ。ごめんね」
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疑問が顔に出ていたのだろう。優しく目を細めたお父様は「精霊の契約は気まぐれで、気に入った相手に拒絶された場合はどこかに行ってしまい、他の誰も契約できない」と告げた。
わかりましたとは答えたものの、責任重大である。もし仲良く出来れば、家族や領地の人とも契約してくれる精霊さんが遊びに来てくれるかもだしね。
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