追放歌姫の異世界漫遊譚

あげは

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一章 旅立ち

ダンジョン探索

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 と、いうわけでやってきました、ダンジョンです。
 少しテンション高くないかって?当然です。こうでもしないと乗り切れません。まだ入ってもいないのに膝が笑っています。怖いです。
 見た目は完全に洞窟だが、漂う魔力が異常。
 ダンジョン都市のダンジョンとは比べ物にならないくらいの威圧感を感じる。

「やっぱり同じっすねー。ダンジョン都市の自然発生したのと同じ魔力を感じるっす」

「それってこの前受けた依頼の?」

「そうっすよ。ダンジョン全体がこの異様な魔力で覆われて、魔物は魔法耐性が異常に高かったっす。一階層にはいないはずのオーガやキマイラが出てきたっすし、もしかしたら誰かが意図的にそういう風に制作したとかっすかね」

「ダンジョンを造り変えるのではなくて?」

「一から全部っすね。階層の構造とか魔物の配置とかそういうの。それならこんな異常なダンジョンにも納得できるっす」

 いや、それ聞いても納得はできないから。
 まずなんでこんなダンジョンを造るのか教えてほしいわよ。これに何の意味があるの。

「それじゃ、さっさと行ってさっさと終わらせようぜ。こんなところに何時間もいたくないだろう」

「そうじゃのぉ。この不快な魔力は早く何とかせんといかんからの」

「ち、ちょ、ちょっと待ってください。カーナが苦戦したっていうんだから、もう少し慎重に行きましょうよ」

 そう言うと全員が頭にはてなマークを浮かべる。
 どうしてそんなきょとんとしてるんですか。私別に変な事言ってないですよね。

「自分、そんなに苦戦したわけじゃないっすよ。正直あのパーティーだから苦戦したって言った方がいいかもしれないっすね。
 それに比べてこのメンバーなら、そう苦労はしないと思うっすよ。みんな強そうですし、連携もしっかりできそうっす。それになにより、リリィがいるっすからね!」

 カーナが言うとみんなが納得したように頷いてダンジョンに入っていった。
 え?待って、どういうこと?私がいるからってなに?そんなに期待されてもこまるんですけどー!
 ……私の嘆きを聞いてくれる人はいなかった。ルナとブラウ以外。モフモフ。



 ◇◇◇




「ミラノさん、グリフは連れてきていないんですか?」

 ダンジョンに入って数十分経つが何も起きていない。
 なので気になっていたことを聞いてみた。

「今回は必要ないと思って呼んでません。万が一何かあっても呼べばすぐに来てくれるので大丈夫ですよ」

 いてくれた方が心強いと思うのだが。必要ないってこともないだろうし。
 しかし、こういう主従関係もあるのかと勉強になる。私はテイマーではないが従魔がいる。傍にいない信頼関係かぁ。
 ……。
 …………ダメだ。想像しただけで耐えられない。この子たちが傍にいないなんて寂しい。それに日課のモフモフもできなくなってしまうじゃない。
 そんなの許容できないわ。とりあえずルナちゃん抱きしめよう。
 肩に乗っていたルナを抱きかかえる。最近のダイエットが功を奏したのか少し軽くなった。これくらいなら余裕だわ。

「ミラノさんは寂しいとか思わないんですか?私、今想像しただけで寂しくなっちゃいました」

「私の場合は、一緒にいた時間が長いですからね。その分離れていても心でつながっていると思っています。なので大丈夫ですよ。
 とはいえ、聖獣との契約は魂のつながりですから。距離とか気にならないんです」

「そうなんですか」

 魂レベルのつながりって、伝承通りじゃない。
 確か聖獣の契約者が亡くなったとき、聖獣は卵に戻り次の契約者が現れるで眠りにつくとかなんとか。
 その期間もまちまちで早ければ数年、長いと数百年かかるらしい。
 聖獣と契約って大変だなぁ。他にも聖獣っているのかしら。どんな子がいるのだろう。モフモフの子とかいたら私の前に来てくれないかしら。
 ……って、そんなことあるわけないけど。

「リリィは寂しがり屋っすからねぇ。一人で旅に出たって聞いて心配してたんすよ。まぁ再会したらなんか知らないうちに猫と狼連れてるし、滅茶苦茶楽しそうにしてたっすけど」

「ちょっと。私別に寂しがり屋とかそんなんじゃないんだけど。カーナこそ、私がいないと苦労するって分かってたはずなのにあのパーティーに残ったりして。そうやっていつも本心隠して生きていると今後また痛い目見るわよ。
 ……それともあなたマゾなのかしら」

「それは聞き捨てならないっすね。自分がMとかありえないっすよ。ちゃんと目的があってあのパーティーに残ったっす。リリィの方こそMなんじゃないっすか?平穏に旅がしたいとか言っておきながら、こんな面倒事に巻き込まれるなんて。自分から頭突っ込んでるじゃないっすか」

「なによ!」

「なんすか!」

 そしてまた口論に発展する。カーナが相手だと気兼ねせずに何でも言ってしまうので前もこうして言い争いをすることが多かった。二人の時だけだったけど。
 今は他にも人がいる。それを忘れてしまっているので……。

「あなたたち?」

「「すいませんでした(っす)」」

 こうしてメイさんのお説教をくらうことになる。
 しかしこういうのも懐かしい気がしてなんだかホッとする。
 ……いや、別にマゾとかそういうのじゃないですから。勘違いしないでくださいね。







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