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二章 水の都
国外へ
しおりを挟む水の都の情報を集めた私たちは、三日ほど街で休息を取ってから旅を再開した。
なかなかいい休憩になったのではないだろうか。
思う存分ゆっくりとモフモフを堪能することができました。
ただそのせいか、私だけ三日間部屋に籠りかけてしまった。カーナに連れ出されたから何とかなったが、あのままだと引きこもりまっしぐらだったわ。
モフモフは魔性のアイテムなのかもしれない。
「そんなわけないっす。アホな事考えてないで自重するように精神統一でもするっすよ」
「だから、人の心を読むなって言ってるじゃない。仕方がないでしょ。この子たちが可愛いんだから」
「それは分かるっすけど、もう少し節度を考えるっす。毎回毎回引きこもられても困るっすよ」
「あたしの方が可愛いわよ!」
「話がこじれるから入ってこないでほしいっすよ」
カーナとロゼちゃんが何か言い合っている。
そんなことよりこの子たちのモフモフを我慢するかぁ。
……無理ね。絶対に無理だわ。そんなことしたら死んじゃうわ。
それなら部屋に引きこもることを選ぶわね。まあそれはダメなんだけど。
また今度考えましょう。
「もう国境に着くわよ」
そう。もうすぐ国境に着くのだ。
ブラウに乗って移動するととても速い。馬車の数倍は速い。
そんなわけで本来なら最低で一日くらいかかるこの国境まで数時間でついてしまうのだ。
「国境を抜けるときって何か必要になるの?」
「特になかったはずっすよ。一応ギルドカードがあれば大丈夫だと思うっす。あとはこの国で犯罪とかしてなければ」
「それなら問題ないわね。ロゼちゃんはギルドカード持っているの?」
「そんなものあたしが持っているはずもないわ!」
「「……」」
そんなに自信満々に言うことではないはずなのだが。
どうするというのだろう、このおバカな少女は。
「ど、どうやって国境抜けるつもり?」
「あら。忘れたのかしら。あたしは空間の半精霊。あの国境を超えるくらいなら簡単に転移できるわ!」
「……それくらいはできたのね」
「……自分もできないと思ってたっす」
「ちょっと! どうしてそんな目であたしを見るのよ! やめなさい! 可愛いあたしを見るにふさわしくないわ!」
「まあいいっすよ。とにかく国境を越えられるのであれば。そんなこともできないんじゃただのお荷物になってたっすからね」
「あんたいま、あたしをバカにしたわね。そこまで言うならいいわ。可愛いあたしの力を思い知らせてあげるわ!」
「ずっと座ってたから体が鈍りそうだったんで丁度いいっすね。かかってくるっすよ!」
二人が魔力を高めて臨戦態勢に。
こんなところで何しているのかしら。しかもブラウの上で。
こんな時は最古参のルナちゃんにお任せです。
「ルナちゃん、このバカ二人をどうにかして」
「ニャッ」
仕方ねぇな。とでも言いたげなルナちゃんの様子。ご迷惑をおかけします。
二人の頭上の電気の塊が出現。そのまま二人に落ちて――
「「あばばばばばばばばば!!」」
ルナちゃんの制裁をくらって二人が撃沈。
電流を浴び真っ黒焦げになった二人が私をにらむ。
「少し頭を冷やしなさい。ブラウの上で喧嘩するなんて私が許すわけないじゃない」
「それにしたって雷魔法はないっすよ。ショック死したらどうするんすか」
「そうよ。可愛いあたしがこんなになっちゃったじゃない。どうしてくれるのよ」
「何か文句でも?」
「「い、いえ、何も」」
二人が怯えたような顔をしている。別にそんな怖い顔なんかしてないわよ。笑顔だったじゃない。
「……なんか、ミーシアさんみたいな迫力を感じたっすよ」
と、まあいろいろとありましたが、何事もなく国境を超えることができました。
ロゼちゃんはちゃんと転移していました。いつの間にか消えていたからびっくりしたけど。
そんなわけで、アタランティアまでもうすぐだわ。
初めて国外に出た私はワクワクしていた――。
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