追放歌姫の異世界漫遊譚

あげは

文字の大きさ
62 / 72
二章 水の都

大図書館

しおりを挟む

 ギルドを出た私たちは早速闘技場を探すことにした。
 カーナは、自分流で探してくるっすよ~、とか言って話を理解していないロゼちゃんを連れてどこかに行った。
 相変わらずの自由人。せめてロゼちゃんを巻き込まないであげてほしいが言っても聞かないだろう。
 残った私はというと、特に手がかりも何もないのでいろんな人に聞いて回っている。
 闘技場ってこの街にありますか?とか、この街に闘技場があるってご存じですか?とか。
 端から見たら変な人だな私。
 しかしこれと言って知っている人もいない。街であと言ってないところといえば……まだ大図書館に行ってなかったよね。
 この街の観光名物と言っても過言ではない――大図書館。
 入場料さえ払えば館内にある書物が読み放題。平民貴族関係なく訪れるらしい。ほんの持ち出しは禁止となっているため、何日も図書館に籠って読み漁る人もいるそうだ。
 ちなみに持ち出そうとした愚か者は特殊な魔法で大変な事になったとか。

「これが大図書館……。大きいわね」

 王都にあった城と同じくらいの大きさではないだろうか。ここには世界各国の書物があり、ここにない本が他の場所にあるなんてことはありえないと言われているらしいわ。
 ここなら何か見つかるかも。
 私は入場料を支払い、館内を歩き回ることにした。

 ~~一時間後~~

 一階の本棚は一通り周ったが特にそういった本は見つからなかった。
 次は二階に行きましょう。

 ~~二時間後~~

 面白い本を見つけたわ! しかも私にぴったりの。人大陸歌事典。人大陸で作られた歌が全部載っているのだとか。これがあれば私の能力の応用に使えるかも。
 しかしこれを読むのに夢中になり、目的を忘れてしまった。
 まだ二階の本棚を全部見てないわ。急がなきゃ。

 ~~四時間後~~

 二階三階四階まで全部見たけどそれらしい本は見つからなかったわね。
 というかどんな本なら記載されているのよ。水の都の地理かしら。それとも歴史かな。
 もう一度それらしい本を見てみよう。

 ~~六時間後~~

 司書さんにも聞いて水の都に関する本を見つけてもらったけど、どれも書いてないわ。闘技場なんて言葉すら出てこなかった。
 ほんとにそんなところがあるのかしら。他の街とかじゃないの。
 今日は図書館で一日使ってしまった。でもここなら何かありそうだからまた明日来てみましょう。
 別に途中で見つけた「マンガ」というものが面白かったからまた読みたいとかそんなんじゃないから。
 ちゃんと理由があるんだからねっ。
 ……それにしてもドキドキしたわぁ。恋愛ってあんなにもドキドキするのね。
 私はまだしたことないけど。いつかするのかしら……。


 ◇◇◇


 図書館を出たらまずはブラウを迎えに行く。
 さすがにブラウの大きさでは館内に入れないので従魔小屋で預かってもらった。

「ブラウ、お待たせ~。寂しくなかった?」

「わん!」

 六時間ぶりのモフモフ。
 このモフモフに包まれながら読書できたら最高なのに。仕方ないから我慢するけど。
 とりあえず宿に戻ろう。結局借家は見つかってない。というかそんな余裕がなかった。
 来て早々厄介事に首を突っ込んだからね。しばらくは宿生活となりました。
 歩きながら周囲の屋台に目を向ける。
 今日のご飯は何にしようかしら。四方からいい匂いが漂ってくる。
 お魚もいいわね。最初に食べたお刺身がとてもおいしかったわ。
 カーナなんかよくわからないけど感動して泣いていたもの。
 焼き魚、煮魚、塩釜焼なんてものもあるのね。どれもおいしそうで悩むわ。
 早くカーナたちと合流して何食べるか決めましょう。

「やっと見つけたぞ、銀髪の嬢ちゃん」

「ん?」

 なんか声かけられたから振り返ると、柄の悪い男たちが後ろにいた。しかもたくさん。

「え、え~と……私ですか?」

「銀髪って言ったらお前しかいないだろうが。探してたんだぜぇ」

 なんか嫌な予感。
 私何か悪いことでもしましたでしょうか。
 とりあえず目的だけでも探ろうと思い話を聞くことにした。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

異世界わんこ

洋里
ファンタジー
3匹の愛犬と共に異世界に転移した主人公、小日向真奈が、戸惑いながらも冒険をしていくお話しです。

追放された聖女は旅をする

織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。 その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。 国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

虚弱体質で偽聖女だと追放された私は、隣国でモフモフ守護獣様の白き聖女になりました

・めぐめぐ・
恋愛
平民孤児であるセレスティアルは、守護獣シィに力を捧げる【聖女】の一人。しかし他の聖女たちとは違い、儀式後に疲れ果ててしまうため「虚弱すぎる」と、本当に聖女なのか神殿内で疑われていた。 育ての親である神官長が拘束され、味方と居場所を失った彼女は、他の聖女たちにこき使われる日々を過ごす。そしてとうとう、平民が聖女であることを許せなかった王太子オズベルトによって、聖女を騙った罪で追放されてしまった。 命からがら隣国に辿り着いたセレスティアルは、そこで衰弱した白き獣――守護獣ラメンテと、彼と共に国を守ってきた国王レイと出会う。祖国とは違い、守護獣ラメンテに力を捧げても一切疲れず、セレスティアルは本来の力を発揮し、滅びかけていた隣国を再生していく。 「いやいや! レイ、僕の方がセレスティアルのこと、大好きだしっ!!」 「いーーや! 俺の方が大好きだ!!」 モフモフ守護獣と馬鹿正直ヒーローに全力で愛されながら―― ※頭からっぽで

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇

処理中です...