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二章 水の都
トンネルの先へ
しおりを挟む一夜明けて私たちはまたトンネルまで来た。
昨日カーナが仕掛けていた転移陣のおかげで時間をかけることなく到着することができた。
森もトンネルのあった岩壁も元通りになっていたからかなり助かったわね。
やっぱり魔法で直せるような人がいるみたい。
「これを元に戻した人も気になるっすけど、今は先にトンネルを攻略する方が優先っすね」
「大丈夫なの?」
「任せとくっすよ。今度はばっちり攻略法を見つけてきたっすから、もう迷うこともないっす」
これだけ自信満々に言っているからそうなのだろう。
私ではどうしようもないのでカーナを信頼して任せることにした。
「それじゃあ行くっすよ~」
「「おお~」」
なんだか遠足気分になった。
◇◇◇
「……ここは?」
一時間ほどかけて歩いてきた先は広場だった。
昨日あれだけ苦戦していたのに、今回は一時間しかかかっていない。
昨日のあれは一体何だったんだろうか。
「めっちゃ早く着いたっすね。こんなことに時間をかけてしまったなんて、自分もまだまだっす」
「結局何が原因だったの?」
「結構別れ道を通ったと思うっすけど、実際は道が決まってたんすよ。正解の道を通れば先に進めたんす。どれか一つでも間違えると入り口に戻るようになってたんすね」
「分岐点多かったと思うけど」
「そうっすね。十本の別れ道とかあったっす。でも正解の道にはどこかに同じマークがあったんすよ。これが目印になってたんで、それさえ見つけられればこの通り」
そうだったのね。
だから昨夜あんなに地図とにらめっこしてたわけだ。
「それでここはなんなの? 何もないじゃない」
「確かにそうね。ここに来るまでにもかなり歩き回ったのに、何もないなんておかしくないかしら」
「これまでの感じからおそらくどっかに仕掛けがある筈っす。地道に探すっすよ」
というわけで、広場全体を探索することになりました。
もちろん全員で。ブラウとルナちゃんもそれぞれ探してもらってるわ。
尻尾や前足でてしてしと叩いている姿を見るとなんだか和むわねぇ。
おっといけない。私も探さなくちゃ。ガコッ。
………………ガコッ?
一瞬の浮遊感。気づいた時には隠し階段を転がっていた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ」
「リリィ~。大丈夫っすか~?」
「いったた……。うん、平気よ。ちょっと降りて来てー」
何かを踏んだと思ったら、いきなり床が階段に変化するなんて。
咄嗟に身体強化できたのは成長の証だと思う。
「今行くっすよ。って、ああこら。先に行くんじゃないっすよ」
カーナが慌てたような声を出すから、見上げると白い巨体が目の前に迫っていた。
「わぷっ」
……重い。こんなに大きくなって、とかそういう気持ちは一旦おいて、さすがに重いわ。
ブラウが覆いかぶさってきた。その上からルナも飛びついてきた。
「ブラウ、だ、大丈夫だから、どいて。重いよ~」
「わん!」
「ふう。心配してくれてありがとう。でも見ての通り大丈夫よ。ね?」
ルナとブラウが私の顔を舐める。くすぐったいってば。
「あんまり深いところじゃなくてよかったっすね」
「そうね。運がよかったみたい」
「――ねぇ、何か扉みたいなのあるわよ」
ロゼちゃんが扉を見つけたらしい。
というか隠し階段に扉って、もう構造が理解できない。
扉の先はかなり下まで続いている螺旋階段だった。
「どうする?」
「おそらくこの下が目的地の可能性が高いっす。確認だけして戻るっすよ」
カーナを先頭に今度は螺旋階段を下ることになった。
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