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しおりを挟む仕事の帰り道で階段を踏み外して異世界に転生しました。簡潔過ぎるけど、そう説明する他ない。明らかに自分が使ったことのない中世ヨーロッパ風なのにどこか現代っぽい部屋にフリフリのレースのネグリジェを見て悟った。だって何十回も読んできた展開だったし。
鏡を見ればそこにいたのは天使がいた。ふわふわで柔らかそうなブロンドヘアにきめ細かい白い肌、きらきら輝くピンクの大きな瞳に庇護欲そそる可愛らしい容姿。
天使みたいな少女がそこにいた。
え、これ私??
毎日異世界転生小説に読み漁ったり、妄想膨らませてたあの私??
これはもしかしてヒロインに転生したのでは??
……と思っていた時期が私にもありました。
「あれ、この顔ってもしかしてメルティアネス……?」
この顔に見覚えがあった。前の私が愛読していたネット小説が原作の漫画キャラにこんな顔の子がいた。
……まさか嘘でしょ。
そう思い慌てて自分の名前を確認すれば【メルティアネス=ヴィナンシェ】と名入れがあった。
【婚約者を寝取られたけど隣国の王太子に見初められました】に出てくる登場人物、メルティアネス子爵令嬢。愛称はメル。
悪役令嬢でもなく、乙女ゲームのヒロインでもなく、悪役令嬢が主人公の物語で彼女の婚約者の王子を寝取るアンチヒロインの名前だ。
悪役令嬢であり、主人公であるアメリア公爵令嬢。彼女の婚約者、アロン殿下をメルティアネス子爵令嬢が誘惑し最終的には寝取るのだ。その上、メルはアメリアに虐められたと虚言を吐き、陥れようとする。
婚約破棄までの道のりが長く、メルは学園でたくさんの男を手玉にとって味方を増やすという女から嫌われまくる典型的な悪女だった。
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一応フォローとしていうが彼女には最悪最低な婚約者がいて彼から逃れる為に必死だったらしい。婚約者はメルをモノ扱いして暴力を振るっていた。断罪イベント前に婚約者は殿下によって告発されて退学され、婚約者の実家である伯爵家も取り潰されることになる。だけど、それを差し引いてもメルのやり方は卑怯だった。
結局アメリアは隣国から留学生として学園に在籍していた王太子に見初められてハッピーエンドを迎える、というENDで殿下は王位継承権を剥奪され、メルは上位貴族を騙し、冤罪をかけたことにより子爵家は没落して彼女自身も婚約者に恨まれて殺された、はず……
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