のんびり実話怪談

二階堂まりい

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リアルな光景

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 幼稚園児が描いた絵がずらりと飾ってある。

 そこに、異様な一枚があった。

 それを描いた園児はサッカーが好きらしく、白黒のボールと共にグラウンドに立つ四、五人の人物がクレヨンで大胆に表されている。

 人体は直線的で拙いが、縮尺や遠近感はリアルで、空間把握能力に長けた子なのだな、と見ていて思った。
 だからこそ、絵の中央に立つ「それ」は非現実的で、異様だったのだ。

 グレーの服を着た人物の腕だけが、地面に触れるほどにだらりと長かった。

 
 これを描いた子にとっては、これこそが「見えたもの」であり、リアルな光景なのだろう。
 叫び出したい気持ちを抑えつつ、私は絵の前を立ち去った。
 


 ……という夢を2022/01/25に見ました。
 執筆の息抜き程度に、文字に起こしてみました。


 ところで、夢は自分の記憶を整理したものと言いますが、私は子どもの絵にもサッカーにも特に縁はありません。
 非常に疲れた時に見た夢だったので、もしかしたら私の魂が抜け出して、この世界のどこかにある不思議な絵を見てしまったのかもしれませんね。
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