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おりのめぐむ

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神竜の審判

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 1時間以上は歩いたと思える目的地。
 そこは小高い丘に白い石造りの太い柱が立ち並び、如何にも神聖といった感じの空気感の建物前。
 石屋根の下には長方形の彫刻壁があり、そこには竜が刻まれています。
 その中に入るにはこれまた石段を登らないと入れないような場所。
 社会資料集でみたような神殿って感じです。
 いや、きっと神龍の神殿でしょう、多分。
 その神殿のある広場みたいなところに留まるように言われました。
 見渡してみると同じような格好をしたひもでつながれた老若男女問わずの人たちが結構いました。
 きっと私たちと同じように訳の分からない状態で拘束されたに違いありませんね!
 呼吸を整えるようにして隣にいるアニーさんと地べたに座り込んで休憩を取ります。
 飲まず食わずの状態でおそらく4~5キロ歩かされて疲労感が半端ありません。
 神龍め~、殺す気満々だなと判断せざるを得ませんよ!

 そうこうするうちに私たちを囲むようにしてAさん、Bさん風の人たちが周囲に集まりました。
 馬に乗っていた時の彼らの服装をよく観察しましたから周囲にいる人たちと色は異なっていますがおそろいという感じにすぐに気づきました。
 白をベースにした袖なしのチュニック型ワンピースみたいなもので胸のあたりにはやっぱり竜の紋章みたいなものが入ってます。
 ただ縁どられた端の方は赤と青と緑と異なってました。如何にも正装という雰囲気ですね。
 こういう統一した服装の人たちがいるってことは何かの所属組織と考えられます。
 私も青蘭学園ということでこちらに入学した人たちが同じ制服をまとっているように。
 体格の良い男の人ばかりで雰囲気から今更ながらAさんたちって兵士なのかな? と気づきました。
 まあ、日本でいう自衛隊みたいなものでしょうか。
 とはいえ、こんな映画に出てきそうな服装の国って未だにあるんですね。
 う~ん、国名もそうですが世界は未知にあふれてますよ。
 と、そこへシンバルのような金属音が響き渡りました。
 どうやら神殿の方から響いているようでそれが合図だったのか私の横にAさんがアニーさんにはBさんが付きました。
 同じように周りにも一人一人に兵士と思われる皆さんが付いているようです。
 しばらくして金属音が2回鳴るとAさんが膝を立てて跪き、私の頭を片手で地面へと押し付けます。
 土下座状態ですよ、無理矢理。
 それでも視線だけは神殿の方に向けておりました。
 すると神殿から赤、青、緑のチュニック型ワンピースを身にまとった3人が現れるのが目の端っこの方で見えました。
 ゆっくりと並んで石段を下りる姿がチラッと目に入ります。
 あれ? あの中央にいる青い服の人、見たことある雰囲気が。
 顔を上げてじっくりと見れないのが残念ですが何となくそう感じました。
 その3人は幅広めの石段を下りると神殿の方に振り返り、Aさんたちと同じように跪きます。
 今度は金属音が3回鳴ると神殿から真っ白なローブをまとった人たちが出てきて石段の両端に対になって並んで跪くとゆっくりとまた一人出てきました。
 そして金属音がしばらく鳴り響きました。
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