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神竜の審判
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いろいろと知りたいことがあるのに聞くことすらままならない状態。
寝たきりの私に神龍様はどうしたいのでしょう?
それよりなにより、アニーさんはどうなっているのでしょう?
気になること尽くしで頭は回っているかと。
けれども、動けない。
もどかしいこの感覚はどうしようもないです。
例のごとく椀子ソバのように次から次へと口に注がれ続ける液体。
ただ、有無を言わさない巫女さんからの処置を受けるのみしかできません。
それをいただいた後は眠気に襲われて休むの繰り返しです。
なすがままの状態は目覚めてからしばらく続いたかと思いますが、日数が経つにつれ、少しずつ細かな感覚が戻ってきました。
ようやくかすれた声が出るようになりましたが、聴き取らせるには難しい様子。
とりあえずはどうにか生きていて徐々に回復しつつあるということ。
苦いものは薬のようで治療を行なっていたのだと理解できました。
つまりは生かされている。
……と、いうことは神龍の審判では無罪が容認されたということ?
あの塔からの脱出が成功したとみなされて無罪放免?
この国のシステムをまだ理解できてないので何とも言えませんが、もしそうなら日本へ帰還できる、とか?
動けない中、つい前向きな想像ばかりしてしまいますが頭だけが冴えていて止まりません。
そうであれば、まずはアニーさんを捜さなければ!
私が生きているから無事だと信じたいのですが訊くことすらできない状態。
この国ではアニーさんのおかげで今、生きているのは確か。
死を覚悟して窮地の中、二人で頑張ってきたつもりです。
その肝心の人を捜すことさえできない今がもどかしい。
万が一、私一人が生き延びてアニーさんだけがいなくなったとしたらどうしたら……。
そんな結果を全く考えてなかったから、徐々に復活しつつある自身が不安になってきました。
自分だけ生き延びてていいのか、巻き込んでしまって良かったのか……。
つないだ手を離さずにいられたのか最後は記憶にありません。
あの時はとにかく必死で勢いのまま走り続けていました。
犯してもない罪を擦り付けられるのもおかしいですし、無実を証明したかったのも事実です。
そうですよ、元々は身の潔白を証明する裁判だったはず。
ダメです、弱気になっては! アニーさんも無実のはずです!
信じなければいけません! きっと生きてます!
そしてお互いに生きていることを確認したら……。
そうです、いいことを思いつきましたよ!
アニーさんと一緒に日本に帰国させてもらって、話せない状態を診てもらえるのではないかって。
もしかすると原因が判れば治療もできて話せるようになるかもしれません!
……まあ、この場合、本人の意思とか保護者とかいろいろと必要かもしれませんけど。
少し気持ちが上向きになり、早く元気になろうと決めました。
ともかく今はそうできるように治療に専念するしかありません。
アニーさんと会える日を少しでも早く願って。
寝たきりの私に神龍様はどうしたいのでしょう?
それよりなにより、アニーさんはどうなっているのでしょう?
気になること尽くしで頭は回っているかと。
けれども、動けない。
もどかしいこの感覚はどうしようもないです。
例のごとく椀子ソバのように次から次へと口に注がれ続ける液体。
ただ、有無を言わさない巫女さんからの処置を受けるのみしかできません。
それをいただいた後は眠気に襲われて休むの繰り返しです。
なすがままの状態は目覚めてからしばらく続いたかと思いますが、日数が経つにつれ、少しずつ細かな感覚が戻ってきました。
ようやくかすれた声が出るようになりましたが、聴き取らせるには難しい様子。
とりあえずはどうにか生きていて徐々に回復しつつあるということ。
苦いものは薬のようで治療を行なっていたのだと理解できました。
つまりは生かされている。
……と、いうことは神龍の審判では無罪が容認されたということ?
あの塔からの脱出が成功したとみなされて無罪放免?
この国のシステムをまだ理解できてないので何とも言えませんが、もしそうなら日本へ帰還できる、とか?
動けない中、つい前向きな想像ばかりしてしまいますが頭だけが冴えていて止まりません。
そうであれば、まずはアニーさんを捜さなければ!
私が生きているから無事だと信じたいのですが訊くことすらできない状態。
この国ではアニーさんのおかげで今、生きているのは確か。
死を覚悟して窮地の中、二人で頑張ってきたつもりです。
その肝心の人を捜すことさえできない今がもどかしい。
万が一、私一人が生き延びてアニーさんだけがいなくなったとしたらどうしたら……。
そんな結果を全く考えてなかったから、徐々に復活しつつある自身が不安になってきました。
自分だけ生き延びてていいのか、巻き込んでしまって良かったのか……。
つないだ手を離さずにいられたのか最後は記憶にありません。
あの時はとにかく必死で勢いのまま走り続けていました。
犯してもない罪を擦り付けられるのもおかしいですし、無実を証明したかったのも事実です。
そうですよ、元々は身の潔白を証明する裁判だったはず。
ダメです、弱気になっては! アニーさんも無実のはずです!
信じなければいけません! きっと生きてます!
そしてお互いに生きていることを確認したら……。
そうです、いいことを思いつきましたよ!
アニーさんと一緒に日本に帰国させてもらって、話せない状態を診てもらえるのではないかって。
もしかすると原因が判れば治療もできて話せるようになるかもしれません!
……まあ、この場合、本人の意思とか保護者とかいろいろと必要かもしれませんけど。
少し気持ちが上向きになり、早く元気になろうと決めました。
ともかく今はそうできるように治療に専念するしかありません。
アニーさんと会える日を少しでも早く願って。
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