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不純な教師との関わり 2 ~苦痛の生物準備室~
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私の目の前に"生物準備室"とかかれたドアがある。
暗~い気持ちでため息をつきつつ、トントンとノック。
「高山先生、失礼します」
授業前の召使いとして私は中へ入る。
「おっ、倉持っ。よく来たな」
ニヤニヤしながら椅子を回転させてこっちを振り返った。
相変わらず白衣を身にまとい、前髪を立てて変わりの無い様子。
よく来たなって行かなかったらその後が最悪だからに決まってるじゃん。
同じ失敗は繰り返さないのが回避の秘訣。
以前、納得のいかない私はトンズラしたことがあった。
優秀な私が質問に答えられないからだと罰としてこの役目を担うのが。
というより、答えられない質問を投げかけるのがオカシイって。
どうせ週2回の授業だし、大したこと無いだろうってなめてた。
ところがその翌日の放課後、見事に待ち伏せ。
廊下に突っ立ってて他の生徒と談笑していたのに私の姿を見つけて即座に腕を引っ張った。
「サボった罰だ、準備室へ来い」
んで、大量の課題が目の前に。
ただ解くだけなら私にとって楽なことはない。解くだけ、ならね。
けど、その最中ずぅ~~とこいつがそばに居た。
何をしゃべるでもなく、じぃ~と見つめて。
集中しようにも気が散ってしょうがない。
いつもなら短時間で片付くものが余計に時間がかかる始末。
苦手なヤツといるほど苦痛なものはない。
しかも放課後ということもあって誰もいなくて二人きり。
チクチクと視線を感じながら私は少しでも早く課題を終わらせるのに必死だった。
だから、極力接触のないように考えた結果だ。
事前に、短時間で用事を済まし、とっとと去る!
これが得策だ。
「他に何か運ぶものは無いですか?」
高山の教材を抱えつつ、その他に何かないか目を合わさないように訊ねる。
そうしながらも準備室内を見回しながら物足りなさを感じる。
標本が並べられた戸棚に囲まれた狭い室内は3つの机があった。
窓に面した一番奥の突き当たりが高山の机。
そして中央には向かい合わせに2つの机が並べられている。
一つはこの間サボった罰として課題をさせられた予備としての空っぽの机。
もう一つは地味めを装ってる美人の机だ。
今日はその実験助手の笹川の姿がない。
いつもは苦笑気味に赤い唇が笑ってるのに。
休みかなぁ? 居てくれる方がありがたいのにな。
「倉持、人にモノを尋ねる時は顔を見て話すべきだぞ?」
高山の顔が目の端に入る。
つーか、顔を見たくないからこうしてんだし。
分かっててやってる確信犯だから。
笹川も居ないし、さっさと教室に戻ろうっと。
そう判断すると眼鏡をかけ直す。
「ありませんね?」
レンズ越しに睨み付けながら念を押して準備室を後にした。
「おいっ、くら…」
閉じかけたドアから高山の声がしたけど、知るもんかっ!
一応、顔見て訊いたんだからねっ!! ふんっ!!
教壇に高山の授業道具一式を置くと私は席に着いた。
はぁあ~~っ、本当に嫌になるわ。
この日々があと9ヶ月も続くとなるとぞっとする。
でも夏休みとか長期休みも入るし、行事で授業がつぶれたりでもっと少なくて済むんだっけ?
な~んて少しでも自分自身をなぐさめたりして。
チャイムが鳴るとクラスの女子に囲まれながら高山が教室に入ってきた。
大人気の授業ってことでみんな一点集中。
下ネタ満載でクラス中が笑いの渦。
…全く、呆れるのみ。
ほとんど聞かずして教科書に目を通す。
そして授業ももうすぐ終わりって頃。
「もうすぐテストがあるのはみんな分かってるよな?」
クラス中で悲痛の声が上がる。
「…そこで対策プリントを用意しとくからな」
高山はそう言うとニコリと微笑みながら私の方を見た。
「…で、倉持、放課後、手伝うこと!」
はあっ? 有無を言わせぬ任命。
さっきの仕返し? ご指名いただきました…。
暗~い気持ちでため息をつきつつ、トントンとノック。
「高山先生、失礼します」
授業前の召使いとして私は中へ入る。
「おっ、倉持っ。よく来たな」
ニヤニヤしながら椅子を回転させてこっちを振り返った。
相変わらず白衣を身にまとい、前髪を立てて変わりの無い様子。
よく来たなって行かなかったらその後が最悪だからに決まってるじゃん。
同じ失敗は繰り返さないのが回避の秘訣。
以前、納得のいかない私はトンズラしたことがあった。
優秀な私が質問に答えられないからだと罰としてこの役目を担うのが。
というより、答えられない質問を投げかけるのがオカシイって。
どうせ週2回の授業だし、大したこと無いだろうってなめてた。
ところがその翌日の放課後、見事に待ち伏せ。
廊下に突っ立ってて他の生徒と談笑していたのに私の姿を見つけて即座に腕を引っ張った。
「サボった罰だ、準備室へ来い」
んで、大量の課題が目の前に。
ただ解くだけなら私にとって楽なことはない。解くだけ、ならね。
けど、その最中ずぅ~~とこいつがそばに居た。
何をしゃべるでもなく、じぃ~と見つめて。
集中しようにも気が散ってしょうがない。
いつもなら短時間で片付くものが余計に時間がかかる始末。
苦手なヤツといるほど苦痛なものはない。
しかも放課後ということもあって誰もいなくて二人きり。
チクチクと視線を感じながら私は少しでも早く課題を終わらせるのに必死だった。
だから、極力接触のないように考えた結果だ。
事前に、短時間で用事を済まし、とっとと去る!
これが得策だ。
「他に何か運ぶものは無いですか?」
高山の教材を抱えつつ、その他に何かないか目を合わさないように訊ねる。
そうしながらも準備室内を見回しながら物足りなさを感じる。
標本が並べられた戸棚に囲まれた狭い室内は3つの机があった。
窓に面した一番奥の突き当たりが高山の机。
そして中央には向かい合わせに2つの机が並べられている。
一つはこの間サボった罰として課題をさせられた予備としての空っぽの机。
もう一つは地味めを装ってる美人の机だ。
今日はその実験助手の笹川の姿がない。
いつもは苦笑気味に赤い唇が笑ってるのに。
休みかなぁ? 居てくれる方がありがたいのにな。
「倉持、人にモノを尋ねる時は顔を見て話すべきだぞ?」
高山の顔が目の端に入る。
つーか、顔を見たくないからこうしてんだし。
分かっててやってる確信犯だから。
笹川も居ないし、さっさと教室に戻ろうっと。
そう判断すると眼鏡をかけ直す。
「ありませんね?」
レンズ越しに睨み付けながら念を押して準備室を後にした。
「おいっ、くら…」
閉じかけたドアから高山の声がしたけど、知るもんかっ!
一応、顔見て訊いたんだからねっ!! ふんっ!!
教壇に高山の授業道具一式を置くと私は席に着いた。
はぁあ~~っ、本当に嫌になるわ。
この日々があと9ヶ月も続くとなるとぞっとする。
でも夏休みとか長期休みも入るし、行事で授業がつぶれたりでもっと少なくて済むんだっけ?
な~んて少しでも自分自身をなぐさめたりして。
チャイムが鳴るとクラスの女子に囲まれながら高山が教室に入ってきた。
大人気の授業ってことでみんな一点集中。
下ネタ満載でクラス中が笑いの渦。
…全く、呆れるのみ。
ほとんど聞かずして教科書に目を通す。
そして授業ももうすぐ終わりって頃。
「もうすぐテストがあるのはみんな分かってるよな?」
クラス中で悲痛の声が上がる。
「…そこで対策プリントを用意しとくからな」
高山はそう言うとニコリと微笑みながら私の方を見た。
「…で、倉持、放課後、手伝うこと!」
はあっ? 有無を言わせぬ任命。
さっきの仕返し? ご指名いただきました…。
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