1 / 16
1.まさかの婚約発表
しおりを挟む
カンカンカンカン!
シャンパングラスをゾロ王子がカトラリーで鳴らすと
一気にあたりがシーンとなった。
沢山の視線がゾロ王子に集まる。
「今日ここに集ったみんなに聞いて欲しい話がある。
もう感づいている人も居るかも知れないが、
私はシルクと結婚しようと思って・・・」
「ちょっと待って!!お兄様!」
ゾロ王子の言葉をさえぎって、妹のセシールが話し出す。
「ここには私の大切なお兄様を平気な顔をして裏切っている
裏切り者がいるわ。」
「どういうことだ。」
驚いた顔でゾロ王子がセシールを見る。
セシールはすました顔をして話を続ける。
「今日ここにお集まりいただいた皆様に、残念なお話を聞かせることになって
しまうことをお許しください。
そして、お兄様を悲しませる話をしてしまってごめんなさい。」
「ゾロ王子を裏切っていたのは・・・・
ここにいるシルクです!!」
みんなの視線が一気に私へと注がれる。
なぜ・・・
一体どういうことなのか・・・
なぜ私が裏切り者と言われなければならないのか、全く見当が付かない。
驚いた顔でセシーラを見ると、憎しみに満ちた顔を私へ向け
話し続ける。
「私、昨日見たんです。
シルクさんが若い男性と楽しそうに談笑しながら街の中に消えていくのを!
きっと今日、お兄様とここで婚約発表してしまうと
あの男との逢瀬が出来なくなると思い、
昨日こっそりとあの男と会っていたのだと思います。」
「あの街のあの道の先には・・・・。口にするのも憚られるわ!!」
「お兄様を純粋に愛するふりをして、こんなおぞましいことを平気な顔をして
出来るなんて!
信じられない!」
「しかもまだ婚約発表もしていないのに王家の紋章の入った靴を履いているわ!
お兄様を大して愛していないのに、権力欲しさに近づいてきたのよ!
なんて図々しい女!」
「この女はとんでもない裏切り者よ!!」
そう大声で叫ぶと、周りの招待客もシルクを見ながらヒソヒソと話始めた。
私は大慌てで
「ゾロ王子!誤解です!
昨日の男性と私はそのような関係では・・・」
シルクの話をさえぎって、ゾロ王子が
「シルク、男と一緒にあの街を歩いていたという話は本当か?」
「えぇ・・・確かに本当です。でもそれは!」
全てを話し終える前にゾロ王子が叫ぶ。
「この俺様に恥をかかせやがって!
とんでもないこの売女めが!!
今すぐここから出ていけ!
二度と俺の目の前に現れるな!!」
そう大声で怒鳴ると護衛に私をこの城からつまみ出すように
命じた。
怒り狂うゾロ王子の後ろで、セシールが勝ち誇ったようにほくそ笑みながら
私を見ていた。
私は靴をはぎ取られ、護衛に引きずられるようにして、城から追い出された。
私を追い出した後、城の門は固く閉ざされた。
まるで、私を拒絶するように・・・
私は悲しみと絶望でしばらく立ち上がることすらできなかった。
靴を履いていない裸足の足に血がにじんでいた。
ひんやりと冷たい地面が、私の心を蝕んでゆく・・・
一体なぜ?
どうして私が裏切り者と言われなければならないの・・・
シャンパングラスをゾロ王子がカトラリーで鳴らすと
一気にあたりがシーンとなった。
沢山の視線がゾロ王子に集まる。
「今日ここに集ったみんなに聞いて欲しい話がある。
もう感づいている人も居るかも知れないが、
私はシルクと結婚しようと思って・・・」
「ちょっと待って!!お兄様!」
ゾロ王子の言葉をさえぎって、妹のセシールが話し出す。
「ここには私の大切なお兄様を平気な顔をして裏切っている
裏切り者がいるわ。」
「どういうことだ。」
驚いた顔でゾロ王子がセシールを見る。
セシールはすました顔をして話を続ける。
「今日ここにお集まりいただいた皆様に、残念なお話を聞かせることになって
しまうことをお許しください。
そして、お兄様を悲しませる話をしてしまってごめんなさい。」
「ゾロ王子を裏切っていたのは・・・・
ここにいるシルクです!!」
みんなの視線が一気に私へと注がれる。
なぜ・・・
一体どういうことなのか・・・
なぜ私が裏切り者と言われなければならないのか、全く見当が付かない。
驚いた顔でセシーラを見ると、憎しみに満ちた顔を私へ向け
話し続ける。
「私、昨日見たんです。
シルクさんが若い男性と楽しそうに談笑しながら街の中に消えていくのを!
きっと今日、お兄様とここで婚約発表してしまうと
あの男との逢瀬が出来なくなると思い、
昨日こっそりとあの男と会っていたのだと思います。」
「あの街のあの道の先には・・・・。口にするのも憚られるわ!!」
「お兄様を純粋に愛するふりをして、こんなおぞましいことを平気な顔をして
出来るなんて!
信じられない!」
「しかもまだ婚約発表もしていないのに王家の紋章の入った靴を履いているわ!
お兄様を大して愛していないのに、権力欲しさに近づいてきたのよ!
なんて図々しい女!」
「この女はとんでもない裏切り者よ!!」
そう大声で叫ぶと、周りの招待客もシルクを見ながらヒソヒソと話始めた。
私は大慌てで
「ゾロ王子!誤解です!
昨日の男性と私はそのような関係では・・・」
シルクの話をさえぎって、ゾロ王子が
「シルク、男と一緒にあの街を歩いていたという話は本当か?」
「えぇ・・・確かに本当です。でもそれは!」
全てを話し終える前にゾロ王子が叫ぶ。
「この俺様に恥をかかせやがって!
とんでもないこの売女めが!!
今すぐここから出ていけ!
二度と俺の目の前に現れるな!!」
そう大声で怒鳴ると護衛に私をこの城からつまみ出すように
命じた。
怒り狂うゾロ王子の後ろで、セシールが勝ち誇ったようにほくそ笑みながら
私を見ていた。
私は靴をはぎ取られ、護衛に引きずられるようにして、城から追い出された。
私を追い出した後、城の門は固く閉ざされた。
まるで、私を拒絶するように・・・
私は悲しみと絶望でしばらく立ち上がることすらできなかった。
靴を履いていない裸足の足に血がにじんでいた。
ひんやりと冷たい地面が、私の心を蝕んでゆく・・・
一体なぜ?
どうして私が裏切り者と言われなければならないの・・・
0
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる