4 / 14
シチュー
3
しおりを挟む
僕は、自分の皿をシンクに置き、洗う。
僕は、彼女がまだ食べているところを微笑ましく見つめながら皿を洗う。
彼女は、食事をするときも一生懸命だ。
僕は、まるで小動物のリスやハムスターを見ている気分になる。
洗い終わると、きまって彼女の前に向かって座る。
仕事はなるべく自宅に持ち込まない主義の僕は、横に置いた本を手に取る。
「おいしい?」
「おいしいですよ。」
彼女が作ったはずなのに、僕が作ったかのように満面の笑みで答える。
「今日は何したの?」
「お風呂の掃除とトイレの掃除を頑張ってみたの、あとで見てみてくださいね。」
「楽しみにしとくよ。」
彼女は、ごちそうさまでしたと丁寧に手を合わせると、皿を洗い出す。
シンクに流れる音を片耳に入れながら、小説を読み進める。
まだまだ序盤の何の変哲もない夫婦の会話だ。
この登場人物たちの設定は何の変哲もないよくあるものだ。
幼馴染がいつか結婚してからのお話。
ざっくりとしたあらすじは、噂によって耳に入っている。
きっと来月にはドラマが始まるはずだ。
同僚に勧められるままに勝った小説だったが、夫婦という一点だけの簡単な共通点に惹かれて本を手に取ってしまった。
半分読み進めるまでは、まだ時間がかかりそうだ。
僕、シンクからの音が止まったのを確認して彼女のほうを向く。
「ねぇ、この小説どうだった?」
「まだ、あまり読めてないの。ごめんなさいね。」
「この夫婦。なんか似てるね。」
「私たちに?」
「なんかね。」
「ちょっとわかるかも。」
「ありがとう。」
そんな他愛もない会話を、今日も繰り広げる。
短い夜のゆったりとしたこの時間が幸せだ。
僕は、彼女の結ばれた髪が解かれるのを見て、心から感謝の気持ちを表す。
「おつかれさま。」
「ありがと。」
テレビをつける。
今日のニュース。
明日の天気。
少しの情報を受け取って、チャンネルを変える。
バラエティや、ドラマなんかが映るが面白さに欠ける気がした。
彼女とともに、何を見ようかと話して見るものを決める。
一緒にクイズ番組を見て、お互いどっちの正解が一番多いのかを競ってみる。
間違えば盛大に悔しがり、正解すれば喜んだ。
そして、残された夜を楽しんだ。
綺麗に洗われた風呂で体を洗い、リビングで水を一杯飲む。
交代するように彼女が風呂に向かう。
そうこうして、僕たちの夜を過ごし、眠りについた。
僕は、彼女がまだ食べているところを微笑ましく見つめながら皿を洗う。
彼女は、食事をするときも一生懸命だ。
僕は、まるで小動物のリスやハムスターを見ている気分になる。
洗い終わると、きまって彼女の前に向かって座る。
仕事はなるべく自宅に持ち込まない主義の僕は、横に置いた本を手に取る。
「おいしい?」
「おいしいですよ。」
彼女が作ったはずなのに、僕が作ったかのように満面の笑みで答える。
「今日は何したの?」
「お風呂の掃除とトイレの掃除を頑張ってみたの、あとで見てみてくださいね。」
「楽しみにしとくよ。」
彼女は、ごちそうさまでしたと丁寧に手を合わせると、皿を洗い出す。
シンクに流れる音を片耳に入れながら、小説を読み進める。
まだまだ序盤の何の変哲もない夫婦の会話だ。
この登場人物たちの設定は何の変哲もないよくあるものだ。
幼馴染がいつか結婚してからのお話。
ざっくりとしたあらすじは、噂によって耳に入っている。
きっと来月にはドラマが始まるはずだ。
同僚に勧められるままに勝った小説だったが、夫婦という一点だけの簡単な共通点に惹かれて本を手に取ってしまった。
半分読み進めるまでは、まだ時間がかかりそうだ。
僕、シンクからの音が止まったのを確認して彼女のほうを向く。
「ねぇ、この小説どうだった?」
「まだ、あまり読めてないの。ごめんなさいね。」
「この夫婦。なんか似てるね。」
「私たちに?」
「なんかね。」
「ちょっとわかるかも。」
「ありがとう。」
そんな他愛もない会話を、今日も繰り広げる。
短い夜のゆったりとしたこの時間が幸せだ。
僕は、彼女の結ばれた髪が解かれるのを見て、心から感謝の気持ちを表す。
「おつかれさま。」
「ありがと。」
テレビをつける。
今日のニュース。
明日の天気。
少しの情報を受け取って、チャンネルを変える。
バラエティや、ドラマなんかが映るが面白さに欠ける気がした。
彼女とともに、何を見ようかと話して見るものを決める。
一緒にクイズ番組を見て、お互いどっちの正解が一番多いのかを競ってみる。
間違えば盛大に悔しがり、正解すれば喜んだ。
そして、残された夜を楽しんだ。
綺麗に洗われた風呂で体を洗い、リビングで水を一杯飲む。
交代するように彼女が風呂に向かう。
そうこうして、僕たちの夜を過ごし、眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】逃がすわけがないよね?
春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。
それは二人の結婚式の夜のことだった。
何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。
理由を聞いたルーカスは決断する。
「もうあの家、いらないよね?」
※完結まで作成済み。短いです。
※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。
※カクヨムにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる