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第六章
餌を貪る
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私は、彼にこの気持ちを伝えることにした。
愛していると。
愛してやまないと。
愛しすぎて苦しいと。
「ねぇ、夏樹君。」
「なんですか?」
彼は相変わらず、私にべったりだ。
「私、あなたのことが好きよ。」
「知ってますよ。僕も好きです。」
彼は、濁った眼で一心に私を見る。
「あなたが思うよりもずっとずっと好きよ。」
私は、歪んだ眼で伝える。
「あなたがいじめられるきっかけとなったあの日から、いじめられ続けてるあの瞬間まですべて。愛してやまないの。」
「そ、そうなんですか。」
私は、彼に一度も彼のいじめを目撃していることを告げなかった。
「あなたが、苦しめば苦しむほどいいの。痛がれば私も、楽しくなっておかしくなりそうなの。あなたが、辛そうに顔を歪めて、痛そうに悶える。その瞬間がたまらなく好きなの。だから、あなたが好き。」
私は、笑顔でそう答える。
彼は、動揺を隠せないでいる。
濁ったその目も澄み渡る気持ちだろう。
「だから、私はあなたのそばに居たいの。もっと苦しんで、もっと痛がってほしいから。」
私は、より距離を詰める。
「こんな私でも、好きでいてくれるでしょ?ねぇ、夏樹君。」
「え…。」
彼は、余りの狂気に触れ言葉も出ないのだろう。
愛おしい。
「あなたのそんな顔が見れるなんて思わなかったわ。うれしい。ねぇ、もっとよく見せて。いつもは遠くからしか見れなくて、辛かったの。」
「や、やめてください。」
彼は、私を拒絶する。
「どうして?あなたは、私のものでしょ?」
「いや、ちが…。」
彼は私から距離を置こうとする。
「わかったわ。別れましょ。別に私は、いつも、あなたのことを見てられるもの。」
私は、さよならと一言告げて、嵐のように去った。
振り向きはしないが、彼がショックを受けていることは手に取るようにわかる。
私が、ここまで彼を育て上げたのだから、余計にだ。
彼は今日、学校には来なかった。
私の態度がショックだったのか。
いじめが彼の限界に達したのかはわからない。
わからないのであれば、簡単だ。
会いに行けばいい。
彼に一言メッセージを送る。
『会いに行くね。』
彼が心から心配だった。
私のアイドルである彼が、もうあの顔を見せてくれないのかと思うと不安で睡眠時間が少しだけ短くなる気がした。
私は、失って気づいた。
彼が本当に好きなのだと。
彼をこよなく愛している私は、彼のことを思って用意したプレゼントをリュック一杯に入れて、彼の家に向かう。
彼は、どんな顔をしてくれるだろうか。
どんな反応をしてくれるだろうか。
私は夢を見るように、彼のことを思い続けた。
愛していると。
愛してやまないと。
愛しすぎて苦しいと。
「ねぇ、夏樹君。」
「なんですか?」
彼は相変わらず、私にべったりだ。
「私、あなたのことが好きよ。」
「知ってますよ。僕も好きです。」
彼は、濁った眼で一心に私を見る。
「あなたが思うよりもずっとずっと好きよ。」
私は、歪んだ眼で伝える。
「あなたがいじめられるきっかけとなったあの日から、いじめられ続けてるあの瞬間まですべて。愛してやまないの。」
「そ、そうなんですか。」
私は、彼に一度も彼のいじめを目撃していることを告げなかった。
「あなたが、苦しめば苦しむほどいいの。痛がれば私も、楽しくなっておかしくなりそうなの。あなたが、辛そうに顔を歪めて、痛そうに悶える。その瞬間がたまらなく好きなの。だから、あなたが好き。」
私は、笑顔でそう答える。
彼は、動揺を隠せないでいる。
濁ったその目も澄み渡る気持ちだろう。
「だから、私はあなたのそばに居たいの。もっと苦しんで、もっと痛がってほしいから。」
私は、より距離を詰める。
「こんな私でも、好きでいてくれるでしょ?ねぇ、夏樹君。」
「え…。」
彼は、余りの狂気に触れ言葉も出ないのだろう。
愛おしい。
「あなたのそんな顔が見れるなんて思わなかったわ。うれしい。ねぇ、もっとよく見せて。いつもは遠くからしか見れなくて、辛かったの。」
「や、やめてください。」
彼は、私を拒絶する。
「どうして?あなたは、私のものでしょ?」
「いや、ちが…。」
彼は私から距離を置こうとする。
「わかったわ。別れましょ。別に私は、いつも、あなたのことを見てられるもの。」
私は、さよならと一言告げて、嵐のように去った。
振り向きはしないが、彼がショックを受けていることは手に取るようにわかる。
私が、ここまで彼を育て上げたのだから、余計にだ。
彼は今日、学校には来なかった。
私の態度がショックだったのか。
いじめが彼の限界に達したのかはわからない。
わからないのであれば、簡単だ。
会いに行けばいい。
彼に一言メッセージを送る。
『会いに行くね。』
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私は、失って気づいた。
彼が本当に好きなのだと。
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彼は、どんな顔をしてくれるだろうか。
どんな反応をしてくれるだろうか。
私は夢を見るように、彼のことを思い続けた。
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