異世界転移に巻き込まれた坊ちゃま好きたちによる坊ちゃまを最強に育てる異世界開拓

揚惇命

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第一章 リーツェン王国

第六話 外が慌ただしい

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【ラルクside】

 母の温もりと姉の温もりを堪能していた僕だけど外がやけに慌ただしいことに気付く。

「ねぇローザ。何だか外が慌ただしくない?」

 ローザ母さんではなくローザと呼ばれて、直ぐに執事モードに切り替わるローザ。

「確かに坊ちゃまの言う通り、何だか外が慌ただしい様子。何かあったのかも知れません。メアリー、坊ちゃまのことは」

「お任せください」

「坊ちゃまは、ここでお待ちください。私が外を見て参ります」

「うん。ローザも気をつけてね」

「坊ちゃまの御心遣いに感謝致します」

【ローザside】

 スゥ~ハァ~。
 坊ちゃまを抱きしめているこの瞬間は、本当に母親になったようで、とても愛おしいです。
 突然、坊ちゃまが私のことを呼び捨てで呼びましたので、直ぐにプライベートの時間は終わりだと仕事モードに切り替えました。
 確かに坊ちゃまの言う通り、外が騒がしい御様子。
 こう言った場合、異世界小説の世界では、十中八九何かあったことは明白。
 例えば、誰かが王様に逆らって、王様の仕業と分からないように見せしめにされたとか。
 1番最悪な展開は、魔物が城に攻撃を仕掛けてきたとかでしょうか。
 坊ちゃまがチートギフトを引いたとはいえ、現状は、坊ちゃまを守るべき私やメアリーですら護身術程度の力しかありません。
 ここに魔物の襲撃が来ていたとしたら急いで安全なルートを確保して、逃げるしかありません。
 廊下を出て、音のする方を目指すとそこには。

「おい、そっちは乱雑で良い!陛下暗殺を企んだ不届者だ。勇者様の方を丁重にせよ!」

「はっ!」

「にしても陛下を襲撃するとは、陛下の前に偶々勇者様が居てくださって助かった。英雄として、丁重に弔わなければ」

 兵士たちの会話を聞いたローザは、尋ねる。

「玉座の方で、何かあったのですか?」

「うおっ。驚かすんじゃねぇよ」

「これは、フランク王国の使者御一行様!」

「はい。実は、陛下暗殺を図る不届者が現れまして、偶々陛下と会話をしていた勇者様のお陰で、陛下自身は、無事に事なきを得たのですが。残念ながら勇者様のお一人が命を落とされまして、丁重に弔うところです。騒がしくして、申し訳ございません」

「そうでしたか」

 私は先ずは乱雑に運ばれている方を見て『鑑定』と心で唱える。

 名前 服部甚之助はっとりじんのすけ
 職業 高校生
 ギフト 暗器術(身体に隠し持つことのできる暗器と呼ばれる小型の武器を携帯でき、それらは使いこなすことが可能となる)
 生い立ち 徳川家に代々仕える名門服部家の次期当主。元々は忍びの家系であったとされるが後に徳川家お抱えの武士となる。彼自身は、怠け者でバレずにサボることに特化して磨いてきた忍びの術を使う。極度のめんどくさがりでもある。戦国高校の屋上にて、いつものように授業をサボっていたところ異世界転移に巻き込まれた。不動勇を殺した犯人に仕立て上げられ、フリードリヒ王の命を受けた兵士たちに弁解の申し開きもなく殺された。

 戦国高校?
 確か、日本における戦国時代から続く武士の末裔たちが通う高校です。
 どうやら、今回異世界転移させられたのは坊ちゃまの学校やビスマルク公爵家のお屋敷だけではないようです。
 それにしても暗器術ですか。
 坊ちゃまを守る上でも是非とも欲しいスキルの一つです。
 死体からもギフトを『吸収』することは可能なのでしょうか。
 心優しき坊ちゃまがクラスメイト様の死を知って、悲しむかも知れませんがこちらの坊ちゃまのクラスメイト様も『鑑定』しておきましょう。

 名前 不動勇
 職業 学生兼ヤクザの息子
 ギフト ダンジョン(持ち運び可能なダンジョンを生成することができる)
 生い立ち ラルク=フォン=ビスマルクが留学している小学校のクラスメイト。友達料というみかじめ料を取る代わりに何かあった際の用心棒を買って出る。ラルク=フォン=ビスマルクも友達料の被害者の1人である。金払いの良いラルク=フォン=ビスマルクが別の場所に連れて行かれたので、フリードリヒ王に組みかかったところ、フリードリヒ王に見せしめとして、暗殺された。

 前言撤回!
 このクソ野郎め。
 私の坊ちゃまから金をせびるだなんて、死んで当然の報いです!
 ですがギフトは魅力的です。
 ダンジョンといえば、最近異世界転生の流行りでもあります。
 モンスターの生成だけでなく居住区まで作れるものを持ち運びできるとなれば、安全な住まいを手に入れたも同然です。
 そうでなくとも、雨風を凌げるだけでも有用性は高いと言えます。
 是非とも欲しいギフトです。
 なら、私が取るべき行動は一つです。

「あの、失礼でなければ、そちらの勇者様は坊ちゃま。ゴホン。私の主様の知り合いに似ているそうでして、失礼でなければ、一緒に弔いに参加させてもらっても構いませんか?」

「はぁ。ビスマルク公爵家の御子息様に似ているからだけで、フランク王国の使者御一行様が参加するほどのことでは」

「そうですか。友好国であるリーツェン王国のフリードリヒ王の御命を救われたのなら私どもとしても是非、弔いに参加したかったのですが」

「おい!フランク王国の使者御一行様の機嫌を損なわせるんじゃねぇよ!」

「は、はい!そ、そういうことであれば」

 今後、この世界で生きていくには、坊ちゃまのギフトを最大限に利用して、坊ちゃまを強く育てないといけませんから。
 その手始めとして、貴方たちのギフト頂かせて貰います。
 ふふっ。
 ふふふっ。
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