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1部 デモンズフロンティアの世界に慣れよう
子供たちの安全の確保を求められる
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マザーと名付けられたクロウキッドナップに食事の席に誘われる。俺に何か話があるようだ。やがて、ウトが子供達を皆、集めて食事会が始まった。この村の料理担当はミヤと呼ばれていた子で、今日のメニューは、焼きたてのパンと野菜や何かの肉がゴロゴロと入ったシチューだった。
「先ずは、私の死にそうな傷を治してくれた主様に感謝を」
「感謝を」
「子供たちがこれからも健やかなることに祈りを」
「祈りを」
「生きとし生けるもの全てに感謝して」
「感謝して」
「では、いただきましょう」
「いただきまーす」
どうやら食事の前の挨拶みたいだ。何処かの宗教で、食事の前がやたらめったらと長いということが書かれていた書物を見た気がする。それと同じだろうか?それにしても、今まで話してなかったのに、息ぴったりだな。思わず笑みが溢れる。
「何だよ。何がおかしいんだよ」
「いや、おかしくて笑ったわけじゃない。こういう大人数での食事もたまには良いものだなって思ってな」
「そうか。ここじゃ、これが当たり前だ」
「ママを虐めたおねぇちゃんたちを切り刻めなくて残念。人肉料理作りたかった」
「ヤミ、その程度にしておあげなさい。それに人の肉など。私たちが育てている牛や羊の肉に比べたら美味しいものではありませんよ」
「はい。ママ。人肉、美味しいって言ったのママなのに」
「あれは、冗談です。忘れなさい。ゴホン。では本題に、主様、その力は何なのです?」
「そのことについては、僕が聞きたいぐらいだよ」
「成程、主様自身にもわからないということですね。では、勇者ラディッシュであった時と今のその見た目が違うことについては?」
「ラディッシュなら死んだわよ。フグオが倒しちゃったからね」
「んんんんん?どういうことでしょうか?主様は元は勇者ラディッシュで、今は違う見た目をしていて、勇者ラディッシュを倒した?訳がわからないのですが」
「僕もわからない。このリストバンドの力だとは思うんだけど、この世界と現実世界を行き来できるんだ」
「この世界?現実世界?」
「マザー、要は、マスターはここの世界の住民ではないのだ。別の世界があって、そこからやってきたって事なのだ。そしたら、何故か元の自分が居て、ウザ絡みしてきたから倒しちゃったって事なのだ」
「成程、スライムさん、すごく分かりやすい解説をありがとう。即ち主様は勇者ラディッシュではなかったという事ですね。安心しました」
「こりゃダメだ」
「なのだ」
「母さん、違うって、要は勇者ラディッシュだったけど改心したって事だよ。きっと」
「成程、そして勇者と旅をしていた魔法使いの女と僧侶の女をわからせたのですね」
「わからせた?」
「何、言ってるのよ!そっそんなんじゃないんだからね。フグオにわからされたとかじゃなくて、その、罪滅ぼしみたいなもんだから!」
「そうよ。わからされたのよ。フグオ君のアレで」
「アレは凄いですね。ところであの白い液体は何なのでしょう。臭くて苦くて、飲み込むのも一苦労でした」
「母さん、アレは男のその生理、、、、」
「語らんで良い!」
「それにしてもあんなの飲ますなんて何考えてんだよ。そもそもああいうことは大人になって好きな人とするもんなんだぞ。そう、本に書いてたぞ」
「お前、どんな本読んでるんだ?」
「どんなのって、これだけど」
ウトの出した本には、男と女が交わっている表紙で、こう書かれていた。『私が愛してしまった間男、一巻』と。
「エロ本じゃねぇか!!!!」
「この女性凄いんだぜ。もう1人男性が出てくるんだけど、そいつとは何もなくて、この大好きな男とだけ、そういうことしてるんだ」
「まぁな。タイトルがそうだしな。でもな。それ、フィクションだから」
「フィクション?」
「作りものだ」
「そうなのか?じゃあ、好きな人とじゃなくてもやって良いのか?母さんとやっても」
「それはダメだ」
「あら~主様。私はウトとやっても構いませんわよ」
マザーの言葉に俺は反論する力を無くした。
「、、、、、もう好きにしてくれ」
マーヤが俺の言葉に呆れて、ウトを諭す。
「ダメよ。君のその気持ちは、恋慕ではなくて親愛だから」
「でも、コイツは母さんに」
「それは、愛よ。フグオのマザーを助けたいっていう愛」
「ということは、コイツは母さんを好きって事なのか?」
「えぇ、そうよ。でも安心しなさい。君のお母さんが取られるわけじゃ無いから。今まで通りと何も変わらない。要は心配なだけでしょ?」
「何も変わらないのか。良かった」
安心するウト。なんだ、母さんが取られるかもって心配してただけかよ。
「主様、その事で改めて相談なのですが、私がここを離れてしまっては、子供たちが危険に晒されてしまいます。それに、私自身、子供たちと離れる事は嫌なのです。そこで、この子達の安全の確保のため、あの村の連中を懲らしめてやりたいのです。2度と子供を攫って悪事を考えぬように徹底的に」
「俺もそのことは考えていた。元は、俺の蒔いた種ってことも判明したしな」
「感謝します。主様」
「あのジジイを懲らしめるなら俺たちにも協力させてくれ」
「まぁ、お前たちだってやり返したいよな。良いぞ。作戦を考えてやる」
「ヤッタぜ」
まぁ、ゲームの中で、クエストを受けて、倒される魔物の方が善人で、依頼主が悪人だなんて、普通わからないから仕方ないとは思うが、俺もあの爺さんの強かさに腹立ったし、子供使って悪事をさせるとか、正直言って、虐めと変わらない。完膚なきまでに叩き潰してやろうと思う。
「先ずは、私の死にそうな傷を治してくれた主様に感謝を」
「感謝を」
「子供たちがこれからも健やかなることに祈りを」
「祈りを」
「生きとし生けるもの全てに感謝して」
「感謝して」
「では、いただきましょう」
「いただきまーす」
どうやら食事の前の挨拶みたいだ。何処かの宗教で、食事の前がやたらめったらと長いということが書かれていた書物を見た気がする。それと同じだろうか?それにしても、今まで話してなかったのに、息ぴったりだな。思わず笑みが溢れる。
「何だよ。何がおかしいんだよ」
「いや、おかしくて笑ったわけじゃない。こういう大人数での食事もたまには良いものだなって思ってな」
「そうか。ここじゃ、これが当たり前だ」
「ママを虐めたおねぇちゃんたちを切り刻めなくて残念。人肉料理作りたかった」
「ヤミ、その程度にしておあげなさい。それに人の肉など。私たちが育てている牛や羊の肉に比べたら美味しいものではありませんよ」
「はい。ママ。人肉、美味しいって言ったのママなのに」
「あれは、冗談です。忘れなさい。ゴホン。では本題に、主様、その力は何なのです?」
「そのことについては、僕が聞きたいぐらいだよ」
「成程、主様自身にもわからないということですね。では、勇者ラディッシュであった時と今のその見た目が違うことについては?」
「ラディッシュなら死んだわよ。フグオが倒しちゃったからね」
「んんんんん?どういうことでしょうか?主様は元は勇者ラディッシュで、今は違う見た目をしていて、勇者ラディッシュを倒した?訳がわからないのですが」
「僕もわからない。このリストバンドの力だとは思うんだけど、この世界と現実世界を行き来できるんだ」
「この世界?現実世界?」
「マザー、要は、マスターはここの世界の住民ではないのだ。別の世界があって、そこからやってきたって事なのだ。そしたら、何故か元の自分が居て、ウザ絡みしてきたから倒しちゃったって事なのだ」
「成程、スライムさん、すごく分かりやすい解説をありがとう。即ち主様は勇者ラディッシュではなかったという事ですね。安心しました」
「こりゃダメだ」
「なのだ」
「母さん、違うって、要は勇者ラディッシュだったけど改心したって事だよ。きっと」
「成程、そして勇者と旅をしていた魔法使いの女と僧侶の女をわからせたのですね」
「わからせた?」
「何、言ってるのよ!そっそんなんじゃないんだからね。フグオにわからされたとかじゃなくて、その、罪滅ぼしみたいなもんだから!」
「そうよ。わからされたのよ。フグオ君のアレで」
「アレは凄いですね。ところであの白い液体は何なのでしょう。臭くて苦くて、飲み込むのも一苦労でした」
「母さん、アレは男のその生理、、、、」
「語らんで良い!」
「それにしてもあんなの飲ますなんて何考えてんだよ。そもそもああいうことは大人になって好きな人とするもんなんだぞ。そう、本に書いてたぞ」
「お前、どんな本読んでるんだ?」
「どんなのって、これだけど」
ウトの出した本には、男と女が交わっている表紙で、こう書かれていた。『私が愛してしまった間男、一巻』と。
「エロ本じゃねぇか!!!!」
「この女性凄いんだぜ。もう1人男性が出てくるんだけど、そいつとは何もなくて、この大好きな男とだけ、そういうことしてるんだ」
「まぁな。タイトルがそうだしな。でもな。それ、フィクションだから」
「フィクション?」
「作りものだ」
「そうなのか?じゃあ、好きな人とじゃなくてもやって良いのか?母さんとやっても」
「それはダメだ」
「あら~主様。私はウトとやっても構いませんわよ」
マザーの言葉に俺は反論する力を無くした。
「、、、、、もう好きにしてくれ」
マーヤが俺の言葉に呆れて、ウトを諭す。
「ダメよ。君のその気持ちは、恋慕ではなくて親愛だから」
「でも、コイツは母さんに」
「それは、愛よ。フグオのマザーを助けたいっていう愛」
「ということは、コイツは母さんを好きって事なのか?」
「えぇ、そうよ。でも安心しなさい。君のお母さんが取られるわけじゃ無いから。今まで通りと何も変わらない。要は心配なだけでしょ?」
「何も変わらないのか。良かった」
安心するウト。なんだ、母さんが取られるかもって心配してただけかよ。
「主様、その事で改めて相談なのですが、私がここを離れてしまっては、子供たちが危険に晒されてしまいます。それに、私自身、子供たちと離れる事は嫌なのです。そこで、この子達の安全の確保のため、あの村の連中を懲らしめてやりたいのです。2度と子供を攫って悪事を考えぬように徹底的に」
「俺もそのことは考えていた。元は、俺の蒔いた種ってことも判明したしな」
「感謝します。主様」
「あのジジイを懲らしめるなら俺たちにも協力させてくれ」
「まぁ、お前たちだってやり返したいよな。良いぞ。作戦を考えてやる」
「ヤッタぜ」
まぁ、ゲームの中で、クエストを受けて、倒される魔物の方が善人で、依頼主が悪人だなんて、普通わからないから仕方ないとは思うが、俺もあの爺さんの強かさに腹立ったし、子供使って悪事をさせるとか、正直言って、虐めと変わらない。完膚なきまでに叩き潰してやろうと思う。
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