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2章 反董卓連合
董卓の最期
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楊奉たちが長安の防衛を固めているところに呂布軍が現れた。
楊奉「呂布様、お待ちしておりました」
呂布「楊奉、首尾はどうだ」
楊奉「万事、整えております」
呂布「良し、李傕を決して長安内部に踏み込ませるな」
楊奉「はっ」
楊奉は黄巾党賊徒の白波賊の頭領を務めていた。暴れ回っていた時に丁原軍に散々に打ち負かされ降伏した。それ以降は呂布に従っていた。今回呂布による董卓暗殺のため長安へとの護送任務を担っていた。呂布は劉義賢から聞いたことを敢えて伏せて、董卓の暗殺という当初の予定通りだと強調したのだ。だが呂布の心には丁原から託された物の重みがのしかかっていた。そして、呂布は寝所にて厳氏と言葉を交わす。
厳氏「奉先、父の想いを正しく理解して押しつぶされる気持ちはわかります」
???「ママー。パパ、辛いの?」
厳氏「まぁまぁ、呂姫にもわかるのね」
呂布「姫も俺に似て、人の心の奥底を見てしまうのかも知れんな。厳よ、お前は義父のことをわかっていたのか?」
厳氏「父のことで分からないことなどありませんよ。父が董卓が偽物ではないかと考えていたこと。私を1番信頼していた奉先に託したこと。全て父の思惑通りってことです」
呂布「俺は董卓を殺すことこそが義父の想いだと思っていた。だが劉丁という男に言われて、納得した。実に面白い男であった」
厳氏「奉先が、褒めるなんて珍しいわね。クスクス。でも、良き出会いだったということではないかしら。父の想いを己で気付けず他人から諭されたのは私としては少し残念ですけどね」
呂布「すまん」
厳氏「良いのですよ。それで、どうやって霊帝様をお救いするつもりですか?」
呂布「!?全くお前には敵わないな」
厳氏「クスクス」
呂姫「私も、パパをお手伝いするー」
呂布「姫のお手伝いか。そうだな。では父の肩を揉んでくれるか?」
呂姫「うん。ここかなぁ。パパ、気持ちいい」
呂布「あぁ、良い気持ちだよ」
呂布は呂姫の頭を優しく撫でる。
呂姫「エヘヘ」
呂布「姫のおかげで身体が軽くなった。厳、少しの間家を任せる」
厳氏「えぇ、奉先気をつけてね」
呂布「あぁ」
呂布は董卓のいる御所へと向かった。
董卓「呂布、良く無事だったな。養父は嬉しいぞ」
呂布「もう董卓の真似をするなどおやめください霊帝様」
董卓「!?」
王栄「董卓様が霊帝?呂布、貴方何を言ってるの?」
献帝「やはりそうでしたか」
王允「その可能性に最近至った。呂布殿も思い至ったのだな」
董卓「俺は全国の女を奴隷にし、略奪を繰り返す董卓ぞ。呂布よ。その首刎ねてくれる」
人妻「もう、おやめください。董卓様は女を奴隷になどなさらないし、略奪を命じたこともないではありませんか」
女官「董卓様は、旦那によって傷ついた女性を保護していらっしゃる優しいお方です」
董卓「保護などではない。良い女だったから寝とってやっただけぞ」
王栄「私は何故今まで気付かなかったのかしら。霊帝と董卓様が入れ替わっていたのなら。急に私が蔑ろにされて何皇后が寵愛されたのも。そういうことだったのね。それに董卓様が私を抱いてくれる大きいアレがすんなり入ったのも前に受け入れたことがあったから」
董卓「呂布よ。こんなことをしてお前はどうするつもりじゃ」
呂布「霊帝様には董卓として死んでもらいます。その役目は親殺しと呼ばれる俺が務めます」
董卓「丁原は病死だ。呂布よ。お前が背負うことはない。罰される者がいるとしたらあの忠臣に対して、首を宮中に晒したワシであろう」
呂布「お認めになられるのですね。それに義父の想いに気付かなかった俺も同罪です」
董卓「あぁ。ワシが霊帝じゃ。栄・協、謀っていてすまなかったな」
王栄「いえ、私が董卓に抱かれていなくて良かったと思えます。私の中に入ったのは霊帝様だけだったのですね」
董卓「生々しい言い方をするでない。照れるであろう」
献帝「父上ーーーーーーーー」
献帝が霊帝に抱きついている。
董卓「全く、協は、父と知って甘えよって、そんなことでは漢を託せぬではないか」
献帝「父上が生きていたのです。喜んで退位します」
董卓「馬鹿を申すな。ワシは呂布によりこの身を終えるのだ。協よ。漢を頼んだぞ。栄、寂しい思いをさせることになる。すまん」
献帝「父上が何故死ななければならないのです」
王栄「霊帝様が死ぬと仰るのでしたら私も共に」
呂布「はぁ、霊帝様・献帝様・王栄様、勘違いされています。私が殺すのは董卓です。霊帝様ではありませんよ。楊奉、聞いていたな」
楊奉「まさか董卓が霊帝様であったとは、それで俺に李傕について洛陽で霊廟の略奪に付き合わせたのですね。元白波賊とはいえ、あのようなことを喜んでやりたくはありませんでしたよ」
呂布「すまんかったな。それで」
楊奉「はい、霊帝様として亡くなった董卓の亡骸です」
呂布「うむ。防腐加工がしっかり施されていたようだな。これならかろうじて騙せるだろう」
董卓「呂布よ。まさか!?」
呂布「えぇ。御協力を」
董卓「わかった」
呂布は董卓を連れ長安の民の前に出ると董卓の後ろに亡骸を抱えて方天画戟を振る。それに合わせて董卓が倒れて、亡骸の首が飛ぶ。長安の民は階段下からなんだなんだと見ていたので、倒れた董卓の姿は見えず。飛んだ首だけが見える。
呂布「逆賊、董卓。呂奉先が成敗した」
民男「良くやったぞ。これで、妻も戻ってくるはずだ」
老人「これで殺された息子も浮かばれますぞ」
歓声を上げている者は、妻を道具としてしか扱わなかった男の親族と宮中に呼んで保護したばかりで殺されていない妻を取られた男たちであった。こうして、専横を働いたとされる暴君董卓は最期を迎えたのであった。
楊奉「呂布様、お待ちしておりました」
呂布「楊奉、首尾はどうだ」
楊奉「万事、整えております」
呂布「良し、李傕を決して長安内部に踏み込ませるな」
楊奉「はっ」
楊奉は黄巾党賊徒の白波賊の頭領を務めていた。暴れ回っていた時に丁原軍に散々に打ち負かされ降伏した。それ以降は呂布に従っていた。今回呂布による董卓暗殺のため長安へとの護送任務を担っていた。呂布は劉義賢から聞いたことを敢えて伏せて、董卓の暗殺という当初の予定通りだと強調したのだ。だが呂布の心には丁原から託された物の重みがのしかかっていた。そして、呂布は寝所にて厳氏と言葉を交わす。
厳氏「奉先、父の想いを正しく理解して押しつぶされる気持ちはわかります」
???「ママー。パパ、辛いの?」
厳氏「まぁまぁ、呂姫にもわかるのね」
呂布「姫も俺に似て、人の心の奥底を見てしまうのかも知れんな。厳よ、お前は義父のことをわかっていたのか?」
厳氏「父のことで分からないことなどありませんよ。父が董卓が偽物ではないかと考えていたこと。私を1番信頼していた奉先に託したこと。全て父の思惑通りってことです」
呂布「俺は董卓を殺すことこそが義父の想いだと思っていた。だが劉丁という男に言われて、納得した。実に面白い男であった」
厳氏「奉先が、褒めるなんて珍しいわね。クスクス。でも、良き出会いだったということではないかしら。父の想いを己で気付けず他人から諭されたのは私としては少し残念ですけどね」
呂布「すまん」
厳氏「良いのですよ。それで、どうやって霊帝様をお救いするつもりですか?」
呂布「!?全くお前には敵わないな」
厳氏「クスクス」
呂姫「私も、パパをお手伝いするー」
呂布「姫のお手伝いか。そうだな。では父の肩を揉んでくれるか?」
呂姫「うん。ここかなぁ。パパ、気持ちいい」
呂布「あぁ、良い気持ちだよ」
呂布は呂姫の頭を優しく撫でる。
呂姫「エヘヘ」
呂布「姫のおかげで身体が軽くなった。厳、少しの間家を任せる」
厳氏「えぇ、奉先気をつけてね」
呂布「あぁ」
呂布は董卓のいる御所へと向かった。
董卓「呂布、良く無事だったな。養父は嬉しいぞ」
呂布「もう董卓の真似をするなどおやめください霊帝様」
董卓「!?」
王栄「董卓様が霊帝?呂布、貴方何を言ってるの?」
献帝「やはりそうでしたか」
王允「その可能性に最近至った。呂布殿も思い至ったのだな」
董卓「俺は全国の女を奴隷にし、略奪を繰り返す董卓ぞ。呂布よ。その首刎ねてくれる」
人妻「もう、おやめください。董卓様は女を奴隷になどなさらないし、略奪を命じたこともないではありませんか」
女官「董卓様は、旦那によって傷ついた女性を保護していらっしゃる優しいお方です」
董卓「保護などではない。良い女だったから寝とってやっただけぞ」
王栄「私は何故今まで気付かなかったのかしら。霊帝と董卓様が入れ替わっていたのなら。急に私が蔑ろにされて何皇后が寵愛されたのも。そういうことだったのね。それに董卓様が私を抱いてくれる大きいアレがすんなり入ったのも前に受け入れたことがあったから」
董卓「呂布よ。こんなことをしてお前はどうするつもりじゃ」
呂布「霊帝様には董卓として死んでもらいます。その役目は親殺しと呼ばれる俺が務めます」
董卓「丁原は病死だ。呂布よ。お前が背負うことはない。罰される者がいるとしたらあの忠臣に対して、首を宮中に晒したワシであろう」
呂布「お認めになられるのですね。それに義父の想いに気付かなかった俺も同罪です」
董卓「あぁ。ワシが霊帝じゃ。栄・協、謀っていてすまなかったな」
王栄「いえ、私が董卓に抱かれていなくて良かったと思えます。私の中に入ったのは霊帝様だけだったのですね」
董卓「生々しい言い方をするでない。照れるであろう」
献帝「父上ーーーーーーーー」
献帝が霊帝に抱きついている。
董卓「全く、協は、父と知って甘えよって、そんなことでは漢を託せぬではないか」
献帝「父上が生きていたのです。喜んで退位します」
董卓「馬鹿を申すな。ワシは呂布によりこの身を終えるのだ。協よ。漢を頼んだぞ。栄、寂しい思いをさせることになる。すまん」
献帝「父上が何故死ななければならないのです」
王栄「霊帝様が死ぬと仰るのでしたら私も共に」
呂布「はぁ、霊帝様・献帝様・王栄様、勘違いされています。私が殺すのは董卓です。霊帝様ではありませんよ。楊奉、聞いていたな」
楊奉「まさか董卓が霊帝様であったとは、それで俺に李傕について洛陽で霊廟の略奪に付き合わせたのですね。元白波賊とはいえ、あのようなことを喜んでやりたくはありませんでしたよ」
呂布「すまんかったな。それで」
楊奉「はい、霊帝様として亡くなった董卓の亡骸です」
呂布「うむ。防腐加工がしっかり施されていたようだな。これならかろうじて騙せるだろう」
董卓「呂布よ。まさか!?」
呂布「えぇ。御協力を」
董卓「わかった」
呂布は董卓を連れ長安の民の前に出ると董卓の後ろに亡骸を抱えて方天画戟を振る。それに合わせて董卓が倒れて、亡骸の首が飛ぶ。長安の民は階段下からなんだなんだと見ていたので、倒れた董卓の姿は見えず。飛んだ首だけが見える。
呂布「逆賊、董卓。呂奉先が成敗した」
民男「良くやったぞ。これで、妻も戻ってくるはずだ」
老人「これで殺された息子も浮かばれますぞ」
歓声を上げている者は、妻を道具としてしか扱わなかった男の親族と宮中に呼んで保護したばかりで殺されていない妻を取られた男たちであった。こうして、専横を働いたとされる暴君董卓は最期を迎えたのであった。
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