えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟！兄上に天下を取らせるため尽力します。

4章 三国鼎立

零陵奪還作戦(序)

　指針を決めたら行動あるのみ。義賢は、長沙の守りを魏延・黄忠軍に任せ、零陵の奪還に動く。そんな零陵では、4人の山賊の頭が劉備軍を待ち構えていた。4人の山賊の頭の名前は、それぞれ牛頭ゴズ・馬頭バズ・阿傍アボウ・羅刹ラセツと言う。兄弟であり、仲が良い。
　牛頭「馬頭、李杏からはなんと来た？」
　馬頭「牛頭にぃ、それがよ。零陵を死守するために劉備軍とやらを迎え撃てだとよ」
　阿傍「馬頭にぃ、迎え撃つのは当然だろう。ようやく手に入れた俺たちの城なんだからよ。女も攫い放題の犯り放題なんだからよ」
　女「もう嫌ーーーーーーーーーー許してーーーー」
　阿傍「逃げんなや。包丁持ってこい。久々にあれやんぞ」
　山賊「出たー阿傍の頭の女体盛りーーーーーーーーーー」
　女「やめてーーーーーーーーーー。もう、こんなことから解放してーーーーーーーーーーーーー」
　羅刹「阿傍にぃの趣味嗜好は相変わらずよくわからんな。だが迎え撃つことには賛成だ。あんな奴らに屈服してまで手に入れた俺たちの城だ」
　女「ハァハァハァハァ。もう許してください。お願いします」
　羅刹「まだ、半分も歩けてないじゃないか。俺より阿傍にぃの方が良いのかなぁ？」
　女「ヒッ。歩きます歩きますからあんな風にはなりたくない」
　羅刹が四つん這いで犬のように歩かせている女の視線の先には阿傍により死なないように苦痛を与えながら解体されていく女が映っていた。
　村長「ワシらは見ていることしかできんのか。こんな悍ましい所業を」
　羅刹「おい。ジジイ奴隷。もっと女を連れてこい。男は労働力として働け、もっと高くて頑丈な城壁にすんだよ。さっさと働けや」
　村長「うぐっ」
　阿傍「誰のお陰で村長をやれてるか理解しろよ。このなんの生産性もないジジイの奴隷が」
　村長「ゴフッ」
　牛頭「この女は良かったぞ。俺の肉鎧として働いてもらうとしよう」
　女「嫌ーーーーーーーーーー。助けて助けてよ村長」
　馬頭「大丈夫だ。死んだら、皮を剥いで肉は美味しくいただいてやる」
　女「こんなの悪夢よ。現実じゃない」
　阿傍「残念だが現実だよ。恨むなら李杏っていう馬鹿女を恨むんだなぁ」
　羅刹「キヒヒヒヒヒ。また止まってんぞ。馬女、早く走らねぇか」
　女「イタイ。イタイ。わかりましたから。お尻を叩かないで」
　羅刹「なんだ。漏らしたのか。そんなに俺の尻ビンタが良かったか？そうかそうか。嬉しいねぇ。気に入ったお前は、俺専属の雌馬として飼ってやる。良い子供を産めよ」
　女「嫌、嫌よ。山賊の子供なんて、助けて助けてよ村長」
　羅刹「拒否権なんてねぇんだよ。バーカ」
　羅刹に連れて行かれる女。
　山賊「羅刹の頭、何人目の雌馬だよ。ギャハハ。おい、女。せいぜい、羅刹の頭に可愛がられてこいよ。ギャハハ」
　村長「こんなことが許されて良いのか。ワシらが一体何をしたって言うんじゃ」
　阿傍「何もしてねぇよ。ただそこにお前らが居ただけ」
　村長「こんなのあんまりではないか！」
　羅刹「だったらどうする？村人全員で立ち上がって俺たちを殺すか？奴隷の分際で、反乱分子を生かしておくわけには、いかないな。これは見せしめだ」
　覚悟を決める村長の隣にいた男性が悲鳴をあげ、絶命する。
　男「ギャァーーーーーーーーーー。な　ん　で　お　れ」
　村長「何故じゃ」
　山賊「ギャハハ。出たーーーーーーーーーーー羅刹の頭の名物、理不尽な惨殺。ギャハハ」
　羅刹「お前が口答えするたびに村人がこうなっていくということだ。まだ理解してないようだし、もう1人いっとくか」
　村長「わかった。わかったからもうやめてくれ。女も働き手の男の奴隷も連れてくるから」
　羅刹「それで良いんだ。とっとといけ。このジジイ奴隷が」
　村長「うぷっ」
　これを遠くから見て憤っている者がいた。呂姫である。なんと義賢は零陵と桂陽の同時攻めを行うことを決め、零陵には、呂姫軍と太史慈を。桂陽には趙雲軍と・張郃軍を送り、長沙にて義賢が指揮を取る。
　呂姫「あんなの同じ人間がすることなの。絶対に許さない」
　張燕「姫様、何かよからぬことを企んでいるのではないでしょうな。あれが山賊のやり方なのだ。くれぐれも逸らないように」
　魏越「姫様に何かあったら呂布様に殺されちまうから。ここは我慢してください」
　成廉「姫様、何卒、我慢を」
　しかし、皆の反対を聞くような呂姫ではない。呂姫は一瞬の隙を付き出てきた村長の前に行く。
　村長「ヒッ、お前もアイツらの仲間か？」
　呂姫「私は、劉備軍の者です。皆さんを助けに来ました。私の言うことに協力してくださいますか？」
　村長「劉備軍が助けに来てくださったのか。なんと、やはり噂通りの仁君なのですな。自分の土地でもない我らのことを気にかけてくださるなど。わかりました。我らにできることなら」
　呂姫が居なくなってることに気付かない面々に太史慈が言う。
　太史慈「ところで、呂姫だっけ？いなくなってるけど良いのか？」
　張燕「何故、もっと早く言わない」
　魏越「まさか」
　成廉「あれを」
　3人が見た方向には、ちょうど村娘の姿をした呂姫が村の中へと入っていくところだった。
　張燕「まさか自ら敵の中に飛び込んでいくなど正気の沙汰とは思えん」
　魏越「早く救出しないと呂布様に合わせる顔が」
　成廉「何故、姫様は、全く。太史慈殿、協力してもらいますよ」
　太史慈「それは、別に構わないが。まさか、正面突破しようってわけではないな？」
　張燕「そうする他、ないだろう」
　魏越「他に何が？」
　成廉「突撃こそ呂布軍の真骨頂」
　太史慈「馬鹿共、華々しく散るのもまた良いが。今では無いだろう。先ずは、敵の兵を減らす。密かにな。張燕、お前は元黒山賊の面々を引き連れて、山賊の内部に潜んで同士討ちを仕掛けよ。魏越と成廉は、幸い1箇所しか無い出入り口を利用して、その手前に伏せよ。俺が火矢にて、あの野営地を焼く。城ではなく外の野営地に布陣したのが相手の失敗だ」
　張燕「おっおぅ。呂姫様を助けられるならかき集めてくるぜ」
　魏越「そんな方法、姫様にも」
　成廉「だから俺たちが伏せるわけだな。火計の混乱に乗じて村人と姫様を救出。ついでに率いる頭も討伐ってな」
　魏越「成程」
　太史慈「あぁ、まぁそんなところだ。それで良い(劉丁殿と田豫殿のお陰で簡単な作戦ぐらいは思いつくようになってて良かった。昔の俺なら一緒になって突撃してた)」
　零陵奪還作戦、開始である。