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4章 三国鼎立
南海城の瓦礫の撤去作業
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劉備たちは、南海城の瓦礫の撤去作業を始める。城下町は焼け焦げ、城は跡形もなく崩れていた。
劉備「お前たちは別に手伝わなくても良い。南の地に帰るが良い」
刀流「何をおっしゃられる。劉備殿たちは命の恩人。我々は劉備殿に臣従したのだ。それにここは元々我らの土地、そこを士燮が占拠し、士祇が私物化したのだ。我々の土地を綺麗にしてくれようとしているのを黙って見ていることなどできんよ」
梓巫「その通りです。えーっと、それで瓦礫は何処でしょうか?」
目の見えない梓巫が手探りで瓦礫を探そうとしているのを慌てて止める刀流。
刀流「お前の可愛い手が傷ついてしまうだろ。お前には、みんなを励ましてやってほしい。お前の声を聞くと不思議と力が湧くからな」
梓巫「でも」
劉備「梓巫殿のことを気にしながらでは刀流殿も安心できないであろう。2人とも手伝ってくれるのは助かる。すまないな」
梓巫「わかりました。ここで刀流の応援をしてます」
刀流「そうしてくれると助かる」
孫堅「こうしていると洛陽の炎上の消化活動と民の避難をさせたことを思い出すな。もぅ、だいぶ昔のことのようにも思うがな」
劉備「そうですね。ですが何度経験しても良い気はしません」
孫堅「あぁ、そうだな。だが、これが国が滅ぶという事なのかもしれん。劉備よ。我らは南海城の瓦礫の撤去を優先したいと思っている」
劉備「孫堅殿を守って行方不明となられている祖茂殿、それと滞在を許してくださった士燮殿たちを探したいんですね?」
孫堅「あぁ、いるとしたら南海城が一番可能性があるからな。生きていて、俺に連絡がないことは考えにくいからその亡骸を弔ってやることしかできんがな」
劉備「わかりました。我々は城下町の方を担当しましょう」
孫堅「我儘を言ってしまいすまない。この埋め合わせは何れ必ず」
孫堅殿たちはそういうと南海城があった方に向かっていった。琥珀姫がやってくる。皆んながいるから御嬢様口調だ。
琥珀姫「ここまで厳重に作って、自分たちで壊すなんて、考えられませんわ。全く、私がもっともっと強固な城にしてあげます。昔見た。熊の本城みたいに」
劉備「琥珀姫、お前にも苦労をかけるな。結局、抱いてやれてない。すまない。これが終わって落ち着いたら必ず。ところで話は変わるがその熊の本?というのは、なんだ?」
琥珀姫「もう旦那様ったら。そんなことは気にしなくて良いのですよ。後でたーっぷり可愛がって貰うつもりなのですから。熊の本はすごい城なんですよ。別名、銀の杏とか。その木何ですけどね食べれるらしいんです実が!それに大きく反りかえる石垣、地下通路や城の素材の中には食べられるものを使って、籠城もできるようにしてたらしいんです!凄くないですか!すごいですよね!ねっ!ねっ!」
琥珀姫が言ってるのは、勿論熊の本という名前ではない。熊本城《くまもとじょう》。別名は、銀杏城《ぎんなんじょう》のことである。加藤清正《カトウキヨマサ》が藤堂高虎《トウドウタカトラ》や馬場信房《ババノブハル》と共に築城したとされている日本三名城の一つである。ここに義賢が居たら解説してくれたであろうが今はいないので、こちらで補足・追記しておく。
劉備「うむ。何やら知らぬが琥珀姫がそんなに興奮しているのならよっぽどのことなのだろう」
琥珀姫「えぇ、ここに熊の本城に似たものを作るぞ!」
劉備「いやいや、そんなにすごい城ならこんな遠方に作らずとも」
琥珀姫「いやよ。それだけは飲めません。だって、絵に描かれていた熊の本城も遠方に作られてたんだもん!」
劉備「わかったわかった。好きにするといい」
琥珀姫「ヤッター。旦那様~大好き~」
城下町の方は木造建築が多かったため焼けこげた後から四肢を欠損した遺体や、内臓が破裂したような遺体、誰ともわからないぐらいぐちゃぐちゃになった遺体を運び出し、共同墓地に埋めてやり供養することとする。その頃、孫堅たちの南海城では。
孫堅「全く、この惨状を招いたお前たちの遺体が1番綺麗だとはな」
黄蓋「壊してやりますか殿?」
孫堅「いや、もう亡くなっているのだ。死体蹴りをするつもりはない。運んで、埋めてやれ」
程普「殿、そのようなことをする必要があるでしょうか?このような奴ら、打ち捨てて鳥の餌にでもしてやれば良いのです」
孫堅「そうしたいのは山々だが、ダメだ」
韓当「じゃあ、俺が適当に埋めといてやるんだな」
孫堅「あぁ、頼む。できれば兄弟一緒にな」
韓当「了解した」
孫堅軍兵士「殿、こちらに来てください、何やら怪しい地下へと降りる階段が!」
孫堅「なんだと!?直ぐに行く」
地下と聞き、何も被害を受けていないことから孫堅はもしかしたら捕虜となってまだ生きているかもしれないと地下へと進む。そこは牢獄だった。そして、手前の牢から順に士燮・士壱・士䵋・士武といった士燮と共に反乱したであろう者たちの遺体が転がっていた。そのどれもがひどく痩せこけ身体の水分が亡くなったかのような。一言で言えばミイラのような。そして、1番奥の牢に磔の状態で、まるで生きているかのような男が居ましたが、その体中からは鮮血が飛び出したであろう血溜まりができていた。
孫堅「祖茂、祖茂ーーーーーーーーー!!!!」
黄蓋「祖茂、お前、こんなになるまで殿を」
程普「これは相当ひどい拷問も受けたかと」
祖茂「殿の声が聞こえるな。ゴホッゴホッ」
孫堅「祖茂、祖茂、生きているのか!」
祖茂「最後に声が聞こえるなんて幸運だな。殿の無事な姿が見れて、俺はもう満足ですよ」
そう祖茂は生きていた。あの時死んだかのように見えたが、士幹が兵たちを止め、地下牢へ幽閉。拷問して孫堅のことを聞き出そうとしたのだ。その身体中からは血が吹き出していたが、それは勿論一回で出た量ではない。それに他の奴らと違い、祖茂は治療と食事を与えられていた。これは、士幹が士祇に褒めてもらいたくて、逃げた孫堅を捕らえようとした独断であった。
劉備「お前たちは別に手伝わなくても良い。南の地に帰るが良い」
刀流「何をおっしゃられる。劉備殿たちは命の恩人。我々は劉備殿に臣従したのだ。それにここは元々我らの土地、そこを士燮が占拠し、士祇が私物化したのだ。我々の土地を綺麗にしてくれようとしているのを黙って見ていることなどできんよ」
梓巫「その通りです。えーっと、それで瓦礫は何処でしょうか?」
目の見えない梓巫が手探りで瓦礫を探そうとしているのを慌てて止める刀流。
刀流「お前の可愛い手が傷ついてしまうだろ。お前には、みんなを励ましてやってほしい。お前の声を聞くと不思議と力が湧くからな」
梓巫「でも」
劉備「梓巫殿のことを気にしながらでは刀流殿も安心できないであろう。2人とも手伝ってくれるのは助かる。すまないな」
梓巫「わかりました。ここで刀流の応援をしてます」
刀流「そうしてくれると助かる」
孫堅「こうしていると洛陽の炎上の消化活動と民の避難をさせたことを思い出すな。もぅ、だいぶ昔のことのようにも思うがな」
劉備「そうですね。ですが何度経験しても良い気はしません」
孫堅「あぁ、そうだな。だが、これが国が滅ぶという事なのかもしれん。劉備よ。我らは南海城の瓦礫の撤去を優先したいと思っている」
劉備「孫堅殿を守って行方不明となられている祖茂殿、それと滞在を許してくださった士燮殿たちを探したいんですね?」
孫堅「あぁ、いるとしたら南海城が一番可能性があるからな。生きていて、俺に連絡がないことは考えにくいからその亡骸を弔ってやることしかできんがな」
劉備「わかりました。我々は城下町の方を担当しましょう」
孫堅「我儘を言ってしまいすまない。この埋め合わせは何れ必ず」
孫堅殿たちはそういうと南海城があった方に向かっていった。琥珀姫がやってくる。皆んながいるから御嬢様口調だ。
琥珀姫「ここまで厳重に作って、自分たちで壊すなんて、考えられませんわ。全く、私がもっともっと強固な城にしてあげます。昔見た。熊の本城みたいに」
劉備「琥珀姫、お前にも苦労をかけるな。結局、抱いてやれてない。すまない。これが終わって落ち着いたら必ず。ところで話は変わるがその熊の本?というのは、なんだ?」
琥珀姫「もう旦那様ったら。そんなことは気にしなくて良いのですよ。後でたーっぷり可愛がって貰うつもりなのですから。熊の本はすごい城なんですよ。別名、銀の杏とか。その木何ですけどね食べれるらしいんです実が!それに大きく反りかえる石垣、地下通路や城の素材の中には食べられるものを使って、籠城もできるようにしてたらしいんです!凄くないですか!すごいですよね!ねっ!ねっ!」
琥珀姫が言ってるのは、勿論熊の本という名前ではない。熊本城《くまもとじょう》。別名は、銀杏城《ぎんなんじょう》のことである。加藤清正《カトウキヨマサ》が藤堂高虎《トウドウタカトラ》や馬場信房《ババノブハル》と共に築城したとされている日本三名城の一つである。ここに義賢が居たら解説してくれたであろうが今はいないので、こちらで補足・追記しておく。
劉備「うむ。何やら知らぬが琥珀姫がそんなに興奮しているのならよっぽどのことなのだろう」
琥珀姫「えぇ、ここに熊の本城に似たものを作るぞ!」
劉備「いやいや、そんなにすごい城ならこんな遠方に作らずとも」
琥珀姫「いやよ。それだけは飲めません。だって、絵に描かれていた熊の本城も遠方に作られてたんだもん!」
劉備「わかったわかった。好きにするといい」
琥珀姫「ヤッター。旦那様~大好き~」
城下町の方は木造建築が多かったため焼けこげた後から四肢を欠損した遺体や、内臓が破裂したような遺体、誰ともわからないぐらいぐちゃぐちゃになった遺体を運び出し、共同墓地に埋めてやり供養することとする。その頃、孫堅たちの南海城では。
孫堅「全く、この惨状を招いたお前たちの遺体が1番綺麗だとはな」
黄蓋「壊してやりますか殿?」
孫堅「いや、もう亡くなっているのだ。死体蹴りをするつもりはない。運んで、埋めてやれ」
程普「殿、そのようなことをする必要があるでしょうか?このような奴ら、打ち捨てて鳥の餌にでもしてやれば良いのです」
孫堅「そうしたいのは山々だが、ダメだ」
韓当「じゃあ、俺が適当に埋めといてやるんだな」
孫堅「あぁ、頼む。できれば兄弟一緒にな」
韓当「了解した」
孫堅軍兵士「殿、こちらに来てください、何やら怪しい地下へと降りる階段が!」
孫堅「なんだと!?直ぐに行く」
地下と聞き、何も被害を受けていないことから孫堅はもしかしたら捕虜となってまだ生きているかもしれないと地下へと進む。そこは牢獄だった。そして、手前の牢から順に士燮・士壱・士䵋・士武といった士燮と共に反乱したであろう者たちの遺体が転がっていた。そのどれもがひどく痩せこけ身体の水分が亡くなったかのような。一言で言えばミイラのような。そして、1番奥の牢に磔の状態で、まるで生きているかのような男が居ましたが、その体中からは鮮血が飛び出したであろう血溜まりができていた。
孫堅「祖茂、祖茂ーーーーーーーーー!!!!」
黄蓋「祖茂、お前、こんなになるまで殿を」
程普「これは相当ひどい拷問も受けたかと」
祖茂「殿の声が聞こえるな。ゴホッゴホッ」
孫堅「祖茂、祖茂、生きているのか!」
祖茂「最後に声が聞こえるなんて幸運だな。殿の無事な姿が見れて、俺はもう満足ですよ」
そう祖茂は生きていた。あの時死んだかのように見えたが、士幹が兵たちを止め、地下牢へ幽閉。拷問して孫堅のことを聞き出そうとしたのだ。その身体中からは血が吹き出していたが、それは勿論一回で出た量ではない。それに他の奴らと違い、祖茂は治療と食事を与えられていた。これは、士幹が士祇に褒めてもらいたくて、逃げた孫堅を捕らえようとした独断であった。
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