460 / 821
5章 天下統一
益州への道中
しおりを挟む
劉備の命を受けて、義賢は劉循が本拠としている成都城へと辿り着いた。その道中では、漢中から迫り来る曹丕の側面を付く、趙雲と張郃と黄忠と徐盛。軍師に龐統が同道していた。
義賢「ふわぁ」
龐統「昨夜はお楽しみでしたかな?」
義賢「な、な、な、な、なんて事」
董白「そ、そ、そ、そうよ。へ、へ、変なこと言わないでください」
龐統「それにしても奥方を連れて、こちらに移る気ですかな?」
義賢「兄上が劉循の補佐を俺に任せるってことは、益州を取りまとめて漢中を奪取して、長安を脅かせってことなのは、明らかだろう。ふわぁ。にしても、兄上は女を側室にして取り込むことに躊躇が無くなってきたな。劉璋の娘だけでなく張魯の妹に張魯の母って、流石に見境なくて、統治に影響が出ないかは心配してたんだけどな。だからアレには驚いた。全責任は自分が取るから好きに動けなんて言うから。もういい歳だし焦ってんだろうなってな」
龐統「確かに御自身の年齢も気にされていらだろうがねぇ。アッシには、霊帝様の残り僅かな命のために献帝様を取り戻そうとしているんじゃないかねぇ。霊帝様が亡くなったら曹丕は献帝様を廃位して、自らが皇帝に立つだろうさ」
義賢「まぁ、そうだよな」
史実でも確か曹操が亡くなって、後を継いだ曹丕は、献帝に退位を迫って、その後皇帝になるんだよなぁ。妹が嫁いでるんだから献帝は義理の弟なのにな。権力ってのは怖い。兄上がそうならないとも限らないし、兄上の子供たちがそうならないとも限らない。まぁ、マイペースだが人の痛みが誰よりもわかる劉禅なら大丈夫だろう。民が傷付くなら降伏を選べることは悪い事ではない。まぁ、今まで仕えてきた人からしたら暗愚に映るだろうが。民にとっては、戦のない方が幸せだろう。
義賢「ふわぁ」
龐統「本当に眠そうですねぇ」
義賢「歳かな。最近、すぐ眠くなるんだよ。ふわぁ」
董白「黝廉の手綱、代わろうか?」
義賢「うん。ふわぁ」
董白「キャッ。もう抱き付かないでよ」
義賢「スースースー」
董白「もう。でも、本当最近、寝る時間が長くなってる気がするけど大丈夫かな」
龐統「夫婦仲良くて良いですねぇ」
董白「揶揄うのはやめてください龐統殿、そろそろ別れ道ですよ」
趙雲「董白様、劉丁様のことを頼みます」
張郃「ここに向かう道中でも何度も寝ていました。体調に何か問題があるのなら一度、診療所に」
董白「2人ともありがとう。落ち着いたら一度、連れて行ってみるわ」
徐盛「劉丁様にまだ倒れられるわけにはいかねぇからよ。お大事にな」
黄忠「ワシより若いのに体力がありませんなぁ。ガハハ」
董白「そうね。そろそろね。皆んなも御武運を」
こうやって、趙雲たちと別れて、董白は魏延と槃李杏と虎熊と共に成都へと向かう。その頃、義賢の夢の中では。
???「ねぇ、劉。居るなら返事をして!」
???「落盤が起きたんです。危険ですから少し下がってください」
???「劉は。大事な生徒なんです。何としても助け出してください。お願いします」
???「手は尽くしています。ですが落盤の規模が大きくて、烈祖帝の墓の下がどうなっているか。それに人命救助とは言え、墓を勝手に掘り起こすことは」
???「そんなのどうだって良いじゃない!人の命よりも死んだ人間の何が大事だって言うのよ!」
???「そうは言いましても。ここにはここのルールがありますので、手は尽くしているとしか」
???「劉。劉ーーーーー」
懐かしい声が聞こえる。あれは担任の先生で、弓道部の顧問も務めている新人女教師の董《トウ》先生の声だ。下の名前は何だったかな。よく思い出せないや。
???「おー劉義賢よ。ここに来てしまうとは情けない。いえ、そうじゃないわね。今日は貴方に言わなければ行けないことがあって、来てもらったの。最近、眠くなる期間が長くなってるわよね?」
義賢「ここは。あっパリピー甘氏の空間か」
甘氏「そんなことはどうでも良いのよ。さっきの質問の答えを聞かせてちょうだい」
義賢「あぁ。確かに眠くなる時間が長くなってるな」
甘氏「やっぱりそうなのね。残された時間は短いみたいね。やっぱり魂だけをこちらに呼んだ副作用が出ているわね」
義賢「それ、どういうことなんだ?俺はあの時、落盤に巻き込まれて死んで、この世界に転生させられたんだよな?」
甘氏「いえ、魂だけをこちらに呼び寄せたの。そして、魂の離れた貴方の身体が悲鳴を上げてるのよ。早く魂を返せとね。おそらく残された時間は少ないわ。もって、数年かしら。いえ、ここまで頑張ってもらったんだもの。これ以上は無粋ね。もう元の世界に帰っても良いわ」
義賢「もうすぐ兄上の天下が見られるかもしれないのに、帰れだなんて、パリピー甘氏も酷いことを言うなぁ。要は、時間をかけなければ良いんだろ」
甘氏「ありがとう。私の我儘に付き合わせてごめんなさいね。それと死に戻りは体力を使うから。使えて後1回から2回が限度よ。慎重にね」
義賢「わかった。俺、この世界に魂だけでもこれて嬉しかった。だからそんなに自分を責める必要はないよ。ありがとう。俺をこの世界に呼んでくれて」
甘氏「シナリオを書いてるのは別の人間だけどね」
義賢「そうかそう考えると兄上の中にやっぱり妻がたくさんいた曹操へのコンプレックスがあったんだな。今側室を増やしてるのも納得だ」
???「ゴホッゴホッゴホッ。ワシだって、早くに落ち着いていれば、曹操なんぞに妻の数で負けてない!ワシは逃げる度に泣く泣く愛した女を置き去りにするしかなかったんだ。その気持ちがわかるか!」
義賢「いや、置き去りにするよりも一緒に逃げる方法を考えましょうよ。全く尊敬できない方の兄上」
???「うるさいわい。とっとと戻れ」
義賢「呼んでおいて、その言い方は酷くないですかね」
???「フン。まぁ、せいぜい頑張るんだな」
義賢「まぁ、期待を超えてみせますよ」
甘氏「期待しています。劉義賢。さぁ戻るのです」
光に包まれると義賢は目を覚ます。そして眼前には成都城が見えたのだった。
義賢「ふわぁ」
龐統「昨夜はお楽しみでしたかな?」
義賢「な、な、な、な、なんて事」
董白「そ、そ、そ、そうよ。へ、へ、変なこと言わないでください」
龐統「それにしても奥方を連れて、こちらに移る気ですかな?」
義賢「兄上が劉循の補佐を俺に任せるってことは、益州を取りまとめて漢中を奪取して、長安を脅かせってことなのは、明らかだろう。ふわぁ。にしても、兄上は女を側室にして取り込むことに躊躇が無くなってきたな。劉璋の娘だけでなく張魯の妹に張魯の母って、流石に見境なくて、統治に影響が出ないかは心配してたんだけどな。だからアレには驚いた。全責任は自分が取るから好きに動けなんて言うから。もういい歳だし焦ってんだろうなってな」
龐統「確かに御自身の年齢も気にされていらだろうがねぇ。アッシには、霊帝様の残り僅かな命のために献帝様を取り戻そうとしているんじゃないかねぇ。霊帝様が亡くなったら曹丕は献帝様を廃位して、自らが皇帝に立つだろうさ」
義賢「まぁ、そうだよな」
史実でも確か曹操が亡くなって、後を継いだ曹丕は、献帝に退位を迫って、その後皇帝になるんだよなぁ。妹が嫁いでるんだから献帝は義理の弟なのにな。権力ってのは怖い。兄上がそうならないとも限らないし、兄上の子供たちがそうならないとも限らない。まぁ、マイペースだが人の痛みが誰よりもわかる劉禅なら大丈夫だろう。民が傷付くなら降伏を選べることは悪い事ではない。まぁ、今まで仕えてきた人からしたら暗愚に映るだろうが。民にとっては、戦のない方が幸せだろう。
義賢「ふわぁ」
龐統「本当に眠そうですねぇ」
義賢「歳かな。最近、すぐ眠くなるんだよ。ふわぁ」
董白「黝廉の手綱、代わろうか?」
義賢「うん。ふわぁ」
董白「キャッ。もう抱き付かないでよ」
義賢「スースースー」
董白「もう。でも、本当最近、寝る時間が長くなってる気がするけど大丈夫かな」
龐統「夫婦仲良くて良いですねぇ」
董白「揶揄うのはやめてください龐統殿、そろそろ別れ道ですよ」
趙雲「董白様、劉丁様のことを頼みます」
張郃「ここに向かう道中でも何度も寝ていました。体調に何か問題があるのなら一度、診療所に」
董白「2人ともありがとう。落ち着いたら一度、連れて行ってみるわ」
徐盛「劉丁様にまだ倒れられるわけにはいかねぇからよ。お大事にな」
黄忠「ワシより若いのに体力がありませんなぁ。ガハハ」
董白「そうね。そろそろね。皆んなも御武運を」
こうやって、趙雲たちと別れて、董白は魏延と槃李杏と虎熊と共に成都へと向かう。その頃、義賢の夢の中では。
???「ねぇ、劉。居るなら返事をして!」
???「落盤が起きたんです。危険ですから少し下がってください」
???「劉は。大事な生徒なんです。何としても助け出してください。お願いします」
???「手は尽くしています。ですが落盤の規模が大きくて、烈祖帝の墓の下がどうなっているか。それに人命救助とは言え、墓を勝手に掘り起こすことは」
???「そんなのどうだって良いじゃない!人の命よりも死んだ人間の何が大事だって言うのよ!」
???「そうは言いましても。ここにはここのルールがありますので、手は尽くしているとしか」
???「劉。劉ーーーーー」
懐かしい声が聞こえる。あれは担任の先生で、弓道部の顧問も務めている新人女教師の董《トウ》先生の声だ。下の名前は何だったかな。よく思い出せないや。
???「おー劉義賢よ。ここに来てしまうとは情けない。いえ、そうじゃないわね。今日は貴方に言わなければ行けないことがあって、来てもらったの。最近、眠くなる期間が長くなってるわよね?」
義賢「ここは。あっパリピー甘氏の空間か」
甘氏「そんなことはどうでも良いのよ。さっきの質問の答えを聞かせてちょうだい」
義賢「あぁ。確かに眠くなる時間が長くなってるな」
甘氏「やっぱりそうなのね。残された時間は短いみたいね。やっぱり魂だけをこちらに呼んだ副作用が出ているわね」
義賢「それ、どういうことなんだ?俺はあの時、落盤に巻き込まれて死んで、この世界に転生させられたんだよな?」
甘氏「いえ、魂だけをこちらに呼び寄せたの。そして、魂の離れた貴方の身体が悲鳴を上げてるのよ。早く魂を返せとね。おそらく残された時間は少ないわ。もって、数年かしら。いえ、ここまで頑張ってもらったんだもの。これ以上は無粋ね。もう元の世界に帰っても良いわ」
義賢「もうすぐ兄上の天下が見られるかもしれないのに、帰れだなんて、パリピー甘氏も酷いことを言うなぁ。要は、時間をかけなければ良いんだろ」
甘氏「ありがとう。私の我儘に付き合わせてごめんなさいね。それと死に戻りは体力を使うから。使えて後1回から2回が限度よ。慎重にね」
義賢「わかった。俺、この世界に魂だけでもこれて嬉しかった。だからそんなに自分を責める必要はないよ。ありがとう。俺をこの世界に呼んでくれて」
甘氏「シナリオを書いてるのは別の人間だけどね」
義賢「そうかそう考えると兄上の中にやっぱり妻がたくさんいた曹操へのコンプレックスがあったんだな。今側室を増やしてるのも納得だ」
???「ゴホッゴホッゴホッ。ワシだって、早くに落ち着いていれば、曹操なんぞに妻の数で負けてない!ワシは逃げる度に泣く泣く愛した女を置き去りにするしかなかったんだ。その気持ちがわかるか!」
義賢「いや、置き去りにするよりも一緒に逃げる方法を考えましょうよ。全く尊敬できない方の兄上」
???「うるさいわい。とっとと戻れ」
義賢「呼んでおいて、その言い方は酷くないですかね」
???「フン。まぁ、せいぜい頑張るんだな」
義賢「まぁ、期待を超えてみせますよ」
甘氏「期待しています。劉義賢。さぁ戻るのです」
光に包まれると義賢は目を覚ます。そして眼前には成都城が見えたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。
きゅりおす
SF
ハーレム主人公は元囚人?!ハーレム風SFアクション開幕!
突如として男性の殆どが消滅する事件が発生。
そんな人口ピラミッド崩壊な世界で女子生徒が待ち望んでいる中、現れる男子生徒、ハーレムの予感(?)
異色すぎる主人公が周りを巻き込みこの世界を駆ける!
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる