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5章 天下統一
益州郡の制圧
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朱褒と雍闓が直ぐに引き返せないほど攻め込んだとの報告を聞いた孟獲は、益州郡にある17つの県の制圧のため動き始めた。
孟獲「残ってんのは、非戦闘員ばかりだ。速やかに制圧しちまえ」
祝融「アンタ、張り切ってるじゃないか」
孟獲「かぁちゃん、仕方ねぇだろ。姫様に揚げ足取られて、参加させられちまったんだからよ。今頃、悠々自適に雲南でのんびりしてるはずだったってのによ」
祝融「まぁ、これが終わればできるんじゃないかい。姫様が仕えている劉備様ってのが負けない限り、雲南が危険に晒されることがなくなるじゃないかい」
孟獲「そうなんだけどよぉ。あの姫様がそれを許してくれると思うか?なんか企んでそうで怖いってんだ」
祝融「アンタ、良くわかってるじゃないか」
孟獲「だよな。こうなったらいっそのこと姫様が仕えている劉備ってのに従属を願うしかねぇか。どうせこき使われるならそっちのが姫様も楽だろうしよ」
祝融「それが良いさ」
こんな話をしている間に兀突骨が1つ制圧、木鹿大王が1つ制圧した。
兀突骨「大王、この速度だと制圧までに時間がかかっちまう。俺の部下の土安と奚泥にもそれぞれ藤甲兵を率いさせて、制圧を任せてもかまわねぇか?」
木鹿大王「そういうことなら俺の部下の忙牙長にも任せても良いか大王?」
孟獲「おぅ。構わねぇよ。それに楊鋒に馬鹿三兄弟、お前らもそれぞれ兵を率いて、制圧してこい。あっ、民は脅し付けんなよ。姫様に睨まれたくねぇからな」
楊鋒「はっお任せを一つどころか3つほど制圧してこよう」
阿会喃「馬鹿とは何だ大王。鳴かせんぞ」
董荼那「退屈していたところだ。暇つぶしをしてやる」
金環三結「強い者と戦わせろ~」
孟獲「ウッセェ。ウッセェ。これが終わったら姫様に頼んでやるから。とっとと行け。馬鹿ども。楊鋒、迷惑かけるが頼んだぜ」
楊鋒「はっ」
こうして、17県あった益州郡のうち孟獲が制圧したのは3つ、兀突骨が3つ、木鹿大王が3つ、楊鋒が2つ、阿会喃・金環三結・董荼那・土安・奚泥・忙牙長がそれぞれ1つを制圧した。そして、全てに劉の字が書かれた旗をそれぞれの城の上に掲げた。
朱褒「これは一体どういうことじゃ?」
雍闓「何で、益州の至る所に劉備軍の旗が?」
朱褒「あり得ん。劉備軍が動く様子はなかった」
雍闓「でもよ。動いてたじゃねぇか劉循様が」
朱褒「いや、あれはあくまで高定の救援じゃ。別の軍がいたということじゃ。そして、そんなことができるのは」
孟獲「おぅ。遅かったな。留守居を狙って悪いな」
朱褒「これはこれは南蛮の王よ。協定を破るとは、流石汚い蛮族じゃ」
祝融「協定、何のことだい?アタシらは劉備軍の者さ」
雍闓「何いってやがんだ!」
孟獲「お前らと協定を結んだ時は、そのなんだ一個人だったんだがよ。劉備軍に降伏したわけよ。勢いあるのに逆らうのは得策じゃねぇからよ。すまねぇな。で、新参者の俺たちが信頼を得るためには手柄がいるわけよ。ちょうど、手頃なのがあったんでな」
雍闓「ふざけんな!俺たちも散々な目にあって逃げてきたんだぞ!」
朱褒「こうなっては、腹を括るしか無いか。前には劉備に尻尾を振った蛮族。後ろからは、劉循様率いる兵ときた。我らに付き従うのは、僅か2千」
雍闓「こうなったのは全部朱褒の旦那のせいだ!」
朱褒「喚くな雍闓。我らの見通しが甘かったのだ」
雍闓「ふざけんな!孟獲、オラァ。俺の城を返せ!」
孟獲「まぁ、そのなんだ。悪いとは思ってるがよ。無理なんだわ」
劉循「追いついたぞ。朱褒・雍闓、覚悟せよ」
雍闓「待ってくれ、ほら武器持ってねぇ。丸腰だ。お優しい劉備は、丸腰には手を出せねぇよな。なっ」
劉循「そんなお前に朗報だ。一騎討ちで俺に勝てば、巻き返せるぞ」
雍闓「ぬくぬく育ったガキが言ってくれるじゃねぇか。その言葉を後悔させてやるよ。オラァ」
向かって来た雍闓の剣をキーンと弾き返すとそのまま一文字斬りで胴を真っ二つにした。
劉循「城でぬくぬく育ったか。その言葉はあっている。そのせいで父のやってきたことを全く知らなかったのだからな。だが、それを弱いと結びつけるのは偏見だな。弟を守るため磨き抜いた俺の剣術は、どうだ。いやもう口も聞けんか。反乱軍、雍闓。益州総督劉循が討ち取った」
朱褒「それ程の武を持ちながらどうして?」
劉循「言ったはずだ。俺の武は弟と身近な者を守るためにある。それには、朱褒に雍闓、お前たちも含まれていたんだがな。残念だ」
朱褒「劉璋様を殺した張任とその原因となった劉備に仕えるなどできん相談だ。槍相手は初めてだろう。最後に御教示しよう。それゆえ、この者たちに手は出さないで貰いたい」
反乱軍の兵「朱褒様、俺たちも一緒に」
朱褒「ならん。ワシらが間違えていたことをその目でお前たちが見届けるのだ」
反乱軍の兵「朱褒様、わかりました。御武運を」
朱褒「うむ。失礼した。雍闓は劉循様を舐めていたが、ワシはそうではない。その首、貰いますぞ」
劉循「一騎討ちと行こう」
朱褒は槍のリーチを活かして、攻め立てるが劉循は冷静にその切先を見極め、伸び切った槍を真っ向斬りで、叩き割り、袈裟斬りにて、朱褒を討ち取った。
朱褒「お見事。劉循様。ゴフッ。約束通り、この者らの助命は、お願いいたしますぞ」
劉循「承知した。父にあったら元気でやっていると伝えてくれ、もう聞こえていないか。反乱軍、朱褒。益州総督、劉循が討ち取った」
2人を立て続けに討ち取った劉循にこの場にいた全員が驚くのだった。かくして、益州郡における反乱は、半年で鎮圧されることとなり、孟獲は劉備に従属し。益州南部は平穏を取り戻す。そして、場所は益州北部、漢中へと移る。
孟獲「残ってんのは、非戦闘員ばかりだ。速やかに制圧しちまえ」
祝融「アンタ、張り切ってるじゃないか」
孟獲「かぁちゃん、仕方ねぇだろ。姫様に揚げ足取られて、参加させられちまったんだからよ。今頃、悠々自適に雲南でのんびりしてるはずだったってのによ」
祝融「まぁ、これが終わればできるんじゃないかい。姫様が仕えている劉備様ってのが負けない限り、雲南が危険に晒されることがなくなるじゃないかい」
孟獲「そうなんだけどよぉ。あの姫様がそれを許してくれると思うか?なんか企んでそうで怖いってんだ」
祝融「アンタ、良くわかってるじゃないか」
孟獲「だよな。こうなったらいっそのこと姫様が仕えている劉備ってのに従属を願うしかねぇか。どうせこき使われるならそっちのが姫様も楽だろうしよ」
祝融「それが良いさ」
こんな話をしている間に兀突骨が1つ制圧、木鹿大王が1つ制圧した。
兀突骨「大王、この速度だと制圧までに時間がかかっちまう。俺の部下の土安と奚泥にもそれぞれ藤甲兵を率いさせて、制圧を任せてもかまわねぇか?」
木鹿大王「そういうことなら俺の部下の忙牙長にも任せても良いか大王?」
孟獲「おぅ。構わねぇよ。それに楊鋒に馬鹿三兄弟、お前らもそれぞれ兵を率いて、制圧してこい。あっ、民は脅し付けんなよ。姫様に睨まれたくねぇからな」
楊鋒「はっお任せを一つどころか3つほど制圧してこよう」
阿会喃「馬鹿とは何だ大王。鳴かせんぞ」
董荼那「退屈していたところだ。暇つぶしをしてやる」
金環三結「強い者と戦わせろ~」
孟獲「ウッセェ。ウッセェ。これが終わったら姫様に頼んでやるから。とっとと行け。馬鹿ども。楊鋒、迷惑かけるが頼んだぜ」
楊鋒「はっ」
こうして、17県あった益州郡のうち孟獲が制圧したのは3つ、兀突骨が3つ、木鹿大王が3つ、楊鋒が2つ、阿会喃・金環三結・董荼那・土安・奚泥・忙牙長がそれぞれ1つを制圧した。そして、全てに劉の字が書かれた旗をそれぞれの城の上に掲げた。
朱褒「これは一体どういうことじゃ?」
雍闓「何で、益州の至る所に劉備軍の旗が?」
朱褒「あり得ん。劉備軍が動く様子はなかった」
雍闓「でもよ。動いてたじゃねぇか劉循様が」
朱褒「いや、あれはあくまで高定の救援じゃ。別の軍がいたということじゃ。そして、そんなことができるのは」
孟獲「おぅ。遅かったな。留守居を狙って悪いな」
朱褒「これはこれは南蛮の王よ。協定を破るとは、流石汚い蛮族じゃ」
祝融「協定、何のことだい?アタシらは劉備軍の者さ」
雍闓「何いってやがんだ!」
孟獲「お前らと協定を結んだ時は、そのなんだ一個人だったんだがよ。劉備軍に降伏したわけよ。勢いあるのに逆らうのは得策じゃねぇからよ。すまねぇな。で、新参者の俺たちが信頼を得るためには手柄がいるわけよ。ちょうど、手頃なのがあったんでな」
雍闓「ふざけんな!俺たちも散々な目にあって逃げてきたんだぞ!」
朱褒「こうなっては、腹を括るしか無いか。前には劉備に尻尾を振った蛮族。後ろからは、劉循様率いる兵ときた。我らに付き従うのは、僅か2千」
雍闓「こうなったのは全部朱褒の旦那のせいだ!」
朱褒「喚くな雍闓。我らの見通しが甘かったのだ」
雍闓「ふざけんな!孟獲、オラァ。俺の城を返せ!」
孟獲「まぁ、そのなんだ。悪いとは思ってるがよ。無理なんだわ」
劉循「追いついたぞ。朱褒・雍闓、覚悟せよ」
雍闓「待ってくれ、ほら武器持ってねぇ。丸腰だ。お優しい劉備は、丸腰には手を出せねぇよな。なっ」
劉循「そんなお前に朗報だ。一騎討ちで俺に勝てば、巻き返せるぞ」
雍闓「ぬくぬく育ったガキが言ってくれるじゃねぇか。その言葉を後悔させてやるよ。オラァ」
向かって来た雍闓の剣をキーンと弾き返すとそのまま一文字斬りで胴を真っ二つにした。
劉循「城でぬくぬく育ったか。その言葉はあっている。そのせいで父のやってきたことを全く知らなかったのだからな。だが、それを弱いと結びつけるのは偏見だな。弟を守るため磨き抜いた俺の剣術は、どうだ。いやもう口も聞けんか。反乱軍、雍闓。益州総督劉循が討ち取った」
朱褒「それ程の武を持ちながらどうして?」
劉循「言ったはずだ。俺の武は弟と身近な者を守るためにある。それには、朱褒に雍闓、お前たちも含まれていたんだがな。残念だ」
朱褒「劉璋様を殺した張任とその原因となった劉備に仕えるなどできん相談だ。槍相手は初めてだろう。最後に御教示しよう。それゆえ、この者たちに手は出さないで貰いたい」
反乱軍の兵「朱褒様、俺たちも一緒に」
朱褒「ならん。ワシらが間違えていたことをその目でお前たちが見届けるのだ」
反乱軍の兵「朱褒様、わかりました。御武運を」
朱褒「うむ。失礼した。雍闓は劉循様を舐めていたが、ワシはそうではない。その首、貰いますぞ」
劉循「一騎討ちと行こう」
朱褒は槍のリーチを活かして、攻め立てるが劉循は冷静にその切先を見極め、伸び切った槍を真っ向斬りで、叩き割り、袈裟斬りにて、朱褒を討ち取った。
朱褒「お見事。劉循様。ゴフッ。約束通り、この者らの助命は、お願いいたしますぞ」
劉循「承知した。父にあったら元気でやっていると伝えてくれ、もう聞こえていないか。反乱軍、朱褒。益州総督、劉循が討ち取った」
2人を立て続けに討ち取った劉循にこの場にいた全員が驚くのだった。かくして、益州郡における反乱は、半年で鎮圧されることとなり、孟獲は劉備に従属し。益州南部は平穏を取り戻す。そして、場所は益州北部、漢中へと移る。
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