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5章 天下統一
鄴の様子
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鄴の街に入った蔡文姫は、慌ただしく動き回る兵士や民衆の言葉に驚いていた。
鄴兵「そちらに居たか?」
民男「いや、こちらには」
鄴兵「一体何処に行ったのだ司馬懿の奴め」
民女「曹丕を捕らえただけでも良しとしましょう」
鄴兵「曹丕は腐っても曹操様の御子息。悪の権化である司馬懿こそ捕える必要があったのだ。クソッ。そう遠くへは行ってないはず。辺りを探せ!虱潰しに探すのだ!」
民老「ですがあまり時をかければ、我らと曹操様は分断されておりますゆえ、影響が出ますじゃ」
鄴兵「そんなことはわかっている!曹丕を助け出そうとする反乱分子どもも未だ隠れていよう。残らず捕え無ければ安心して救援に向かえないであろうが!」
老婆「そう怒らんでくだされ。ワシらとて、曹丕と司馬懿に騙されていたのじゃ。じゃからこうして力を貸しておるというに」
鄴兵「何せ、ここは広い。一度、外に出られでもすれば、見つけることはできん。勝負は2~3日と心得よ!」
そう話すとまた散り散りに探し回る兵と民衆。
羊祜「これは、まさか反乱が起こったのでしょうか叔母様?」
蔡文姫「でも、ここ鄴は曹丕のお膝元よ。そこでこんな大規模な反乱が起こるなんて、あり得るかしら。まずい、こうなった以上、陶商殿もどんな疑惑をかけられるか。すぐに探さないと」
羊祜「ここまで無事に運んでくれたのに何かあったら大変ですもんね」
蔡文姫「えぇ。でも先ずは、状況を把握するため鄴城へ行ってみましょう」
羊祜「わかりました」
その頃、持ってきた商品を売るため馬車を屋台へしようとしていた陶商の元に兵士たちがやってくる。
鄴兵「貴様!そこで何をしている!さっきの演説が聞こえていなかったのか!」
陶商「あの何かあったんですか?」
鄴兵「貴様、聞いていなかったのか!今、この街にいる全員で、重罪人を探している!お前も手伝え!」
陶商「あの申し訳ありません。ここに入るときに商人であること商品を売らせてもらうことはお話ししたのですが、そのお話はそちらに」
鄴兵「聞いているわけがないだろう!共に探さないのなら反逆者の一味として捕えるぞ!」
陶商「そんな横暴な!こちらとしても商品を売らなければ、ならないんですよ。よその町の人間にも探させるって言うんですか?」
鄴兵「当然だ!至急、探し出さねばならん重罪人なのだ!つべこべ言わずに協力してもらおうか!」
陶商「そんな、何とかなりませんか。やっとの思いでこの鄴に商品を持ってきたのに、腐ってしまいます」
鄴兵「そんなことよりも重罪人を捕えることの方が大事なのだ!さっさと協力せんか!」
陶商「そんな!」
???「待たれよ!その者は、我らの協力者だ。手荒な真似はご遠慮いただきたい」
鄴兵「鄧艾様!鄧艾様の協力者でしたか。これは失礼いたしました!」
鄧艾「もう、行って構わない」
鄴兵「はっ。重罪人の捜索を続けます」
兵士たちがその場を後にする。
鄧艾「失礼した。蔡文姫殿たちをここに連れてきてくれた商人の陶商殿に間違いはないか?」
陶商「はい。そうですが。先程の兵士の話からお名前は鄧艾殿で構いませんか?」
鄧艾「あぁ。この街の緊迫した状況を見て驚いていることかと思う。おそらくこの状況では、商品を買う者は現れないだろう。その商品、全て我らが買い取らせてもらおう」
陶商「それは有難い申し出です。といっても食料品は残り僅かで酒しかありませんが」
鄧艾「酒か。司馬懿の奴が見つかっていれば、最高の御褒美となったのだが」
陶商「いえいえ、酒は当分の間は持ちますので、食料品だけでもお買い上げいただけるだけで大変有り難いです」
鄧艾「うむ食料はいくらあっても困らないからな。全て買い取らせてもらう」
陶商「毎度、ありがとうございました」
鄧艾「では、ここからすぐに離れられよ。できるだけ兗州方面は避けて、青州方面から徐州へと戻るのが良いだろう」
陶商「お心遣いありがとうございます。蔡文姫様にも宜しくお伝えください。それでは、これにて」
鄧艾「陶商殿!すまない一つ良いか?」
鄧艾は疑問に思っていたことを口にした。
鄧艾「まるで動じてない様子を見るにこうなっていることがわかっていたかのようにお見受けする。差し支えなければ、誰の入れ知恵かお教え願えるか?」
陶商「こうなることがわかっていたわけではありませんよ。ですが、そうですね。それに答えを出すのであれば、信頼でしょうか」
鄧艾「信頼?」
陶商「えぇ、僕が尊敬する御方は、何もないのに気を付けるようにと言葉をかける方ではありませんので、覚悟ができていたというだけです」
鄧艾「そうか。良い主君のようだ」
陶商「いえいえ、大事なことはお話にならないダメな人ですよ」
鄧艾「引き留めて悪かった。気を付けて、帰られよ」
陶商「えぇ、ありがとうございます」
陶商の背を見送りながら鄧艾は呟く。
鄧艾「大事なことだからこそ人には打ち明けられないこともあるのだ。心配をかけぬようにな。貴殿の主君は、良い主君なのは間違いない。さて、曹彰様は蔡文姫殿と共に曹植様の元に協力の取り付けに向かった頃であろうか。我らも行動を開始せんとな」
鄧艾は、戦の準備を進め、曹彰は蔡文姫と羊祜と共に曹植の元に向かったのであった。
鄴兵「そちらに居たか?」
民男「いや、こちらには」
鄴兵「一体何処に行ったのだ司馬懿の奴め」
民女「曹丕を捕らえただけでも良しとしましょう」
鄴兵「曹丕は腐っても曹操様の御子息。悪の権化である司馬懿こそ捕える必要があったのだ。クソッ。そう遠くへは行ってないはず。辺りを探せ!虱潰しに探すのだ!」
民老「ですがあまり時をかければ、我らと曹操様は分断されておりますゆえ、影響が出ますじゃ」
鄴兵「そんなことはわかっている!曹丕を助け出そうとする反乱分子どもも未だ隠れていよう。残らず捕え無ければ安心して救援に向かえないであろうが!」
老婆「そう怒らんでくだされ。ワシらとて、曹丕と司馬懿に騙されていたのじゃ。じゃからこうして力を貸しておるというに」
鄴兵「何せ、ここは広い。一度、外に出られでもすれば、見つけることはできん。勝負は2~3日と心得よ!」
そう話すとまた散り散りに探し回る兵と民衆。
羊祜「これは、まさか反乱が起こったのでしょうか叔母様?」
蔡文姫「でも、ここ鄴は曹丕のお膝元よ。そこでこんな大規模な反乱が起こるなんて、あり得るかしら。まずい、こうなった以上、陶商殿もどんな疑惑をかけられるか。すぐに探さないと」
羊祜「ここまで無事に運んでくれたのに何かあったら大変ですもんね」
蔡文姫「えぇ。でも先ずは、状況を把握するため鄴城へ行ってみましょう」
羊祜「わかりました」
その頃、持ってきた商品を売るため馬車を屋台へしようとしていた陶商の元に兵士たちがやってくる。
鄴兵「貴様!そこで何をしている!さっきの演説が聞こえていなかったのか!」
陶商「あの何かあったんですか?」
鄴兵「貴様、聞いていなかったのか!今、この街にいる全員で、重罪人を探している!お前も手伝え!」
陶商「あの申し訳ありません。ここに入るときに商人であること商品を売らせてもらうことはお話ししたのですが、そのお話はそちらに」
鄴兵「聞いているわけがないだろう!共に探さないのなら反逆者の一味として捕えるぞ!」
陶商「そんな横暴な!こちらとしても商品を売らなければ、ならないんですよ。よその町の人間にも探させるって言うんですか?」
鄴兵「当然だ!至急、探し出さねばならん重罪人なのだ!つべこべ言わずに協力してもらおうか!」
陶商「そんな、何とかなりませんか。やっとの思いでこの鄴に商品を持ってきたのに、腐ってしまいます」
鄴兵「そんなことよりも重罪人を捕えることの方が大事なのだ!さっさと協力せんか!」
陶商「そんな!」
???「待たれよ!その者は、我らの協力者だ。手荒な真似はご遠慮いただきたい」
鄴兵「鄧艾様!鄧艾様の協力者でしたか。これは失礼いたしました!」
鄧艾「もう、行って構わない」
鄴兵「はっ。重罪人の捜索を続けます」
兵士たちがその場を後にする。
鄧艾「失礼した。蔡文姫殿たちをここに連れてきてくれた商人の陶商殿に間違いはないか?」
陶商「はい。そうですが。先程の兵士の話からお名前は鄧艾殿で構いませんか?」
鄧艾「あぁ。この街の緊迫した状況を見て驚いていることかと思う。おそらくこの状況では、商品を買う者は現れないだろう。その商品、全て我らが買い取らせてもらおう」
陶商「それは有難い申し出です。といっても食料品は残り僅かで酒しかありませんが」
鄧艾「酒か。司馬懿の奴が見つかっていれば、最高の御褒美となったのだが」
陶商「いえいえ、酒は当分の間は持ちますので、食料品だけでもお買い上げいただけるだけで大変有り難いです」
鄧艾「うむ食料はいくらあっても困らないからな。全て買い取らせてもらう」
陶商「毎度、ありがとうございました」
鄧艾「では、ここからすぐに離れられよ。できるだけ兗州方面は避けて、青州方面から徐州へと戻るのが良いだろう」
陶商「お心遣いありがとうございます。蔡文姫様にも宜しくお伝えください。それでは、これにて」
鄧艾「陶商殿!すまない一つ良いか?」
鄧艾は疑問に思っていたことを口にした。
鄧艾「まるで動じてない様子を見るにこうなっていることがわかっていたかのようにお見受けする。差し支えなければ、誰の入れ知恵かお教え願えるか?」
陶商「こうなることがわかっていたわけではありませんよ。ですが、そうですね。それに答えを出すのであれば、信頼でしょうか」
鄧艾「信頼?」
陶商「えぇ、僕が尊敬する御方は、何もないのに気を付けるようにと言葉をかける方ではありませんので、覚悟ができていたというだけです」
鄧艾「そうか。良い主君のようだ」
陶商「いえいえ、大事なことはお話にならないダメな人ですよ」
鄧艾「引き留めて悪かった。気を付けて、帰られよ」
陶商「えぇ、ありがとうございます」
陶商の背を見送りながら鄧艾は呟く。
鄧艾「大事なことだからこそ人には打ち明けられないこともあるのだ。心配をかけぬようにな。貴殿の主君は、良い主君なのは間違いない。さて、曹彰様は蔡文姫殿と共に曹植様の元に協力の取り付けに向かった頃であろうか。我らも行動を開始せんとな」
鄧艾は、戦の準備を進め、曹彰は蔡文姫と羊祜と共に曹植の元に向かったのであった。
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