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5章 天下統一
不穏な気配を感じ取る祝融
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ここは、益州の最南端に位置する雲南、ここに居を構えるのは南蛮王として、民衆からの支持を広く集める大王の孟獲。
これは、そんな大王の話ではなくその妻である火の神の末裔のお話である。
祝融「アンタ、益州からの連絡はまだなのかい?」
孟獲「かぁちゃん。そんな焦っても仕方ねぇだろ」
祝融「なんだかきな臭い気配を感じるさね」
???「おっとぉ!おっかぁ!関索は、まだか~?」
孟獲「花鬘、俺は絶対に認めねぇ。なんで、よりにもよってあんな柔な男なんだ。男ってのは、俺みたいにガッチリとだな」
何曼「おっとぉみたいなガチムチデブは、勘弁さ~」
孟獲「俺はデブじゃねぇ!」
祝融「アハハ。そんなアンタのことが大好きな物好きがここにいるさね。それに花鬘、アタシがあんたのいう物好きと結婚してなかったらそもそも産まれてないさね」
花鬘「それだけはマジ感謝~」
祝融「にしても、よりにもよって軍神の息子を選ぶとはね。やるじゃないか」
花鬘「ヘヘン。留学してる時に見かけたのだ~」
孟獲「だからあんなヘンテコな塾とやらはやめとくべきだって言ったんだかぁちゃん」
祝融「あぁ、都にあるヨシカタ塾とかいうやつさね。アンタも識字率のために重要だって言ってたさね」
孟獲「うぐぐっ。それで、よりにもよって柔な男を選ぶとか納得できん!断じて納得できん!」
祝融「アンタったら。娘を取られるのが相当嫌みたいだねぇ。でもねぇ。軍神の息子ってなら姫様が世話になってる人とも義兄弟ってことになるさね。便宜を図って」
孟獲「流石、ワシの娘だ。ガハハハハ」
花鬘「おっとぉ。イタイからバシバシ叩くでねぇ~」
祝融「アンタ、本当に姫様が苦手さね」
だが、数日待っても益州からの連絡はない。
孟獲「これだけ待たせるってこたぁ。聞く耳は持たないってことかぁ?」
祝融「アンタ、そうカッカするんじゃないよ。果報は寝て待てと言うじゃないか」
花鬘「おっかぁ。アタイ、これ以上は待てないだ~。迎えに行ってくるだ~」
祝融「待ちな!アンタ、直ぐに兵を纏めて益州に向かうよ」
孟獲「おっ、かぁちゃんもとうとうやる気に。オシ、南蛮大王孟獲様がいっちょやってやんぜ」
祝融「攻めるんじゃないよ。援軍さね」
花鬘「おっかぁ?」
孟獲「かぁちゃん?」
祝融「やれやれ、とんでもないのが益州に潜んでるようさね。アンタ、アタシに言われた通りに直ぐに兵を纏めな」
孟獲「お、おぅ」
祝融が感じたのは、嬴政が赤子から弾き出された時に溢れ出た呪力である。
火の神の末裔というだけあって、祝融にも呪力を感じ取る力があった。
それを感じることで、いち早く益州の異変を感じ取り、孟獲を使って、南蛮軍の援軍を派遣することを決めたのである。
その頃、益州内部では。
民女「きゃぁぁぁぁぁぁ!助けてぇぇぇぇ!」
民男「コイツ、俺の妻に何しやがる。離せ!」
信者A「カハッ。女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
民婆「離してくんろ」
民老「ばぁさんに何するんじゃ!このケダモノ」
信者A「ゴフッ。女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
鮑凱「此奴らは精卵教か。皆の者、直ぐに民を避難させよ!」
民男「鮑凱様が来てくださった。これで」
信者B「死ね。劉備の狗ども!」
民老「鮑凱様、危ないぞい!」
信者B「グハッ」
民を避難させる鮑凱の背後を狙い襲いかかる精卵教の信者だったが現れた青年により、事なきを得る。
関興「師匠!ご無事ですか!」
鮑凱「関興、遅いぞ!もう少しでお前ごと蹴り上げるところであった。クソッ。精卵教の奴らだけでなく賊どもまで。劉循様は、御無事なのか」
張苞「おいおい嘘だろ?半分以上の民が武装蜂起するとかどうなってんだよ。こんなの流石に劉備様に言って、援軍を貰わねぇと」
関索「泣き言、言ってる暇があるなら手伝ってよ。張苞義兄さん」
信者A「女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
関索「何、言ってんのかな?女性は、道具じゃない!可愛くて美しくて愛らしくて愛しい存在だ!」
関興「いや、そういうことを言ってるのではないだろう」
張苞「まぁ関索らしくていいんじゃねぇの。オラァ。燕人張飛の息子とは、俺のことでい。死にてぇ奴からかかってきな!」
関興「軍神が子、関安国、参る」
関索「女を道具に扱うくだらない宗教は、滅ぼさないとね」
鮑凱「やれやれ、ようやく使い物になってきたかと思ったら怒りに身を任せるなど。まだまだな弟子を持つと師匠は大変だな」
鮑三娘「でも、嫌いじゃないよ」
鮑凱「ふむ。劉循様のところには息子たちもいよう。暫くは持ち堪えられよう。先ずは、この場をどうにかせんとな」
鮑三娘「ざっと、数千人はいるね」
鮑凱「対するこちらは、馬鹿弟子が3人と娘か」
鮑三娘「大丈夫。大丈夫。1人、200人倒せば良いだけだから」
鮑凱「ワシらはともかく馬鹿弟子が何処までやれるか」
鮑三娘「そこの三馬鹿トリオ!背中合わせで戦いなさいって、私言ったよね!」
張苞「はい姐さん!」
関興「申し訳ありません姐さん!」
関索「起こっている君も綺麗だ。この戦いが終わったら僕に付き合ってくれないかい?」
鮑三娘「それ死亡フラグだから!目の前に集中しなさいよ。三馬鹿トリオ!」
張苞・関興・関索「はい!」
鮑凱「すっかり調教しよってからに」
鮑三娘「お父さんも油断はダメだからね」
鮑凱「重々、わかっている」
反乱した民数千人に対して、こちらは5人。
数的不利の中、鮑凱らは劉循の籠る成都城へと向かうのだった。
これは、そんな大王の話ではなくその妻である火の神の末裔のお話である。
祝融「アンタ、益州からの連絡はまだなのかい?」
孟獲「かぁちゃん。そんな焦っても仕方ねぇだろ」
祝融「なんだかきな臭い気配を感じるさね」
???「おっとぉ!おっかぁ!関索は、まだか~?」
孟獲「花鬘、俺は絶対に認めねぇ。なんで、よりにもよってあんな柔な男なんだ。男ってのは、俺みたいにガッチリとだな」
何曼「おっとぉみたいなガチムチデブは、勘弁さ~」
孟獲「俺はデブじゃねぇ!」
祝融「アハハ。そんなアンタのことが大好きな物好きがここにいるさね。それに花鬘、アタシがあんたのいう物好きと結婚してなかったらそもそも産まれてないさね」
花鬘「それだけはマジ感謝~」
祝融「にしても、よりにもよって軍神の息子を選ぶとはね。やるじゃないか」
花鬘「ヘヘン。留学してる時に見かけたのだ~」
孟獲「だからあんなヘンテコな塾とやらはやめとくべきだって言ったんだかぁちゃん」
祝融「あぁ、都にあるヨシカタ塾とかいうやつさね。アンタも識字率のために重要だって言ってたさね」
孟獲「うぐぐっ。それで、よりにもよって柔な男を選ぶとか納得できん!断じて納得できん!」
祝融「アンタったら。娘を取られるのが相当嫌みたいだねぇ。でもねぇ。軍神の息子ってなら姫様が世話になってる人とも義兄弟ってことになるさね。便宜を図って」
孟獲「流石、ワシの娘だ。ガハハハハ」
花鬘「おっとぉ。イタイからバシバシ叩くでねぇ~」
祝融「アンタ、本当に姫様が苦手さね」
だが、数日待っても益州からの連絡はない。
孟獲「これだけ待たせるってこたぁ。聞く耳は持たないってことかぁ?」
祝融「アンタ、そうカッカするんじゃないよ。果報は寝て待てと言うじゃないか」
花鬘「おっかぁ。アタイ、これ以上は待てないだ~。迎えに行ってくるだ~」
祝融「待ちな!アンタ、直ぐに兵を纏めて益州に向かうよ」
孟獲「おっ、かぁちゃんもとうとうやる気に。オシ、南蛮大王孟獲様がいっちょやってやんぜ」
祝融「攻めるんじゃないよ。援軍さね」
花鬘「おっかぁ?」
孟獲「かぁちゃん?」
祝融「やれやれ、とんでもないのが益州に潜んでるようさね。アンタ、アタシに言われた通りに直ぐに兵を纏めな」
孟獲「お、おぅ」
祝融が感じたのは、嬴政が赤子から弾き出された時に溢れ出た呪力である。
火の神の末裔というだけあって、祝融にも呪力を感じ取る力があった。
それを感じることで、いち早く益州の異変を感じ取り、孟獲を使って、南蛮軍の援軍を派遣することを決めたのである。
その頃、益州内部では。
民女「きゃぁぁぁぁぁぁ!助けてぇぇぇぇ!」
民男「コイツ、俺の妻に何しやがる。離せ!」
信者A「カハッ。女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
民婆「離してくんろ」
民老「ばぁさんに何するんじゃ!このケダモノ」
信者A「ゴフッ。女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
鮑凱「此奴らは精卵教か。皆の者、直ぐに民を避難させよ!」
民男「鮑凱様が来てくださった。これで」
信者B「死ね。劉備の狗ども!」
民老「鮑凱様、危ないぞい!」
信者B「グハッ」
民を避難させる鮑凱の背後を狙い襲いかかる精卵教の信者だったが現れた青年により、事なきを得る。
関興「師匠!ご無事ですか!」
鮑凱「関興、遅いぞ!もう少しでお前ごと蹴り上げるところであった。クソッ。精卵教の奴らだけでなく賊どもまで。劉循様は、御無事なのか」
張苞「おいおい嘘だろ?半分以上の民が武装蜂起するとかどうなってんだよ。こんなの流石に劉備様に言って、援軍を貰わねぇと」
関索「泣き言、言ってる暇があるなら手伝ってよ。張苞義兄さん」
信者A「女は全て、神の供物。神を宿す尊き母胎」
関索「何、言ってんのかな?女性は、道具じゃない!可愛くて美しくて愛らしくて愛しい存在だ!」
関興「いや、そういうことを言ってるのではないだろう」
張苞「まぁ関索らしくていいんじゃねぇの。オラァ。燕人張飛の息子とは、俺のことでい。死にてぇ奴からかかってきな!」
関興「軍神が子、関安国、参る」
関索「女を道具に扱うくだらない宗教は、滅ぼさないとね」
鮑凱「やれやれ、ようやく使い物になってきたかと思ったら怒りに身を任せるなど。まだまだな弟子を持つと師匠は大変だな」
鮑三娘「でも、嫌いじゃないよ」
鮑凱「ふむ。劉循様のところには息子たちもいよう。暫くは持ち堪えられよう。先ずは、この場をどうにかせんとな」
鮑三娘「ざっと、数千人はいるね」
鮑凱「対するこちらは、馬鹿弟子が3人と娘か」
鮑三娘「大丈夫。大丈夫。1人、200人倒せば良いだけだから」
鮑凱「ワシらはともかく馬鹿弟子が何処までやれるか」
鮑三娘「そこの三馬鹿トリオ!背中合わせで戦いなさいって、私言ったよね!」
張苞「はい姐さん!」
関興「申し訳ありません姐さん!」
関索「起こっている君も綺麗だ。この戦いが終わったら僕に付き合ってくれないかい?」
鮑三娘「それ死亡フラグだから!目の前に集中しなさいよ。三馬鹿トリオ!」
張苞・関興・関索「はい!」
鮑凱「すっかり調教しよってからに」
鮑三娘「お父さんも油断はダメだからね」
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