えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。

揚惇命

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5章 天下統一

成長した者たち

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 鮑凱・鮑三娘・張苞・関興・関索の眼前にいる数千人程の大規模な反乱軍。

 鮑凱「やれやれ。よもやこれほどまで、あのようなくだらん宗教が蔓延っていたとは」

 鮑三娘「でも見た感じ、幸薄そうな人たちばっかり」

 張苞「鮑三娘の姐さん、そりゃ俺たちに比べたら幸薄いかもしれねぇけどよ」

 関興「彼らとて、普通に恋をして結婚できたはずだ」

 関索「鮑三娘、好きだ。俺の妻になってくれ!」

 鮑三娘「はいはい」

 関索「やっといい返事が」

 鮑三娘「違う違う。毎日しつこいから流してんのよ。でも、私より強くなったら考えてあげる」

 関索「うおおおおおお。やる気が出てきたよ。鮑三娘よりもたくさん倒す」

 鮑凱「あのような約束をして、良いのか?あやつらの筋は良い。鍛えれば」

 鮑三娘「あんな一途な人、初めてだもん」

 鮑凱「成程、ならわざと。フッ」

 鮑三娘「流石、父さんね」

 鮑凱「例え、娘でも油断はしないゆえな。しかし、それでは肯定しているようなものだぞ」

 鮑三娘「わざと負けたりはしないけどね。ホラ、三馬鹿、シャキッとしなさい。相手は数千人は居るんだからね」

 鮑三娘は、背中から2つの圓月輪を取り出すと敵に向かって、突っ込んでいき、女だと群がってくる信者どもを涼しそうな顔でまとめて撫で斬りにしていた。

 鮑凱「娘に負けてはいられんな」

 鮑凱は高速でダッシュして、間合いを詰めると回し蹴りで数人をノックダウンさせ、驚いて剣で切り掛かってくる男の剣の一点に攻撃を合わせて、粉々に粉砕して、掌底を喰らわせる。

 張苞「流石、師匠と姐さんだよな。俺も負けてらんねぇな」

 張苞は蛇矛を取り出すと、思いっきりジャンプして、信者どもをまとめて薙ぎ払う。

 張苞「ヒュー今日は、相棒がすこぶる軽いぜ!」

 信者A「馬鹿な!?飛んできて、そのまま薙ぎ払うなど。ええい。1人で無理なら囲め囲め!」

 信者B「男は殺せ!女は捕えろ!」

 張苞「おいおい、俺を殺すだって?寝言は寝てから言えや雑魚どもが!オラァ!」

 信者A「馬鹿な!?あの体勢からどうして、逆に振り払える」

 信者B「この化け物が!」

 張苞「今度は化け物呼ばわりってか。俺は人間だっての!」

 張苞のところでも屍の山が出来上がりつつあった。

 関興「兄弟の奴が暴れてるな」

 父に近付きたい一心で選んだ武器は、偃月刀。

 関興「軍神の子もまた軍神と覚えておけ!」

 関興の一振りで、向かってきていた信者の首が野菜を切るかのように呆気なく飛んでいく。

 関興「えっ?俺、いつの間にこんな力を?」

 信者C「軍神の子!?なんで、ここに関羽の子供が。気を付けろ!そいつの言葉に嘘はねぇ。間合いを取れ」

 信者D「殺す。殺す。殺す。劉備の一族は全員殺す!」

 関興「それは大変だと思う。俺なんかよりもヤバい奴が何人もいるから」

 信者D「プギャァァァァァァァァ」

 信者C「言わんこっちゃない。アイツは要注意人物だ。なんで、水面下で起こした反乱に都の奴が出張ってきてるのか知らないが。1人でいるのは、強者の証拠だ。気を付けろ」

 関興「いや、俺はまだまだ。父や叔父上たちにも遠く及ばない。俺に警戒心を抱くぐらいなら反乱はやめておいた方がいい」

 信者C「ウルセェ。もう引き返せねぇんだよ!宗主様のため、簒奪者どもを益州から追い出すまではなぁ!」

 関興の側にも屍の山が築かれつつあった。

 関索「兄さんたちがやりすぎると僕の分が減っちゃうっての。鮑三娘よりも多く倒して、ムフフな時間を過ごすんだからさ!」

 信者E「こっちに弱そうなのが居るぞ!先ずは、コイツからやるぞ!」

 信者F「へへへ。男の癖に頭に花の冠なんかしちゃって。俺たちが可愛がってやろうか?お嬢ちゃん。ゲヘヘヘヘ」

 関索「僕さ。女の子が好きなんだよね。だからさ、女の子呼ばわりされるの嫌なわけ。意味わかる?」

 関索が取り出したのは、三節棍と呼ばれる武器で、兄たちや父よりも力の弱い関索でも戦うために軽くて扱い易い武器を選んだ。

 信者F「えっ?ブヒャァァァァァァァァ」

 顔が変形するぐらい思いっきりどつかれた信者Fは、顔面から血飛沫を吹き出して、数メートル飛ばされた。

 関索「あれっ?僕、こんな力強かったっけ?ま、いっか。これなら鮑三娘よりも多く倒せそうだし。そしたら鮑三娘とムフフ」

 信者E「やりやがったなこのクソガキが!」

 関索「クソガキですけど何か?」

 信者E「こんの。殺してやるからなぁ!」

 向かってくる信者Eも同様に吹き飛ばし、血飛沫をあげて、吹っ飛んでいく。

 賊A「ヒィィィィィィィ。我らを束ねし信者の2人が簡単に。逃げないと。逃げないと」

 関索「どこにも行かせないよ」

 関索は、ニコニコと笑みを浮かべながら賊を追い回して、三節棍で、ボコボコに叩き潰していく。

 賊A「ギャァ。やめて、殺さないで。プギャ」

 賊B「来るなぁ!来るなぁ!人殺しぃぃぃぃ。ピギャ」

 賊C「なぁ、俺たちが悪かったから。ホラ。武器も置く。丸腰相手に、殴らないよな。な?ゴベッ」

 関索「君たちさ。そうやって、散々甘い汁を啜ってきたわけでしょ?1人たりとも許されると思ってんの?」

 賊D「だから謝って」

 関索「謝ったら許されるとでも?被害者の心の傷は、何処までも癒無いんだよクズが!」

 賊D「アガペ」

 数千人もいた信者と賊の反乱軍はみるみるうちに減っていき、結果は。

 鮑凱「ふむ。まぁ不出来な弟子にしては頑張ったでは無いか」

 鮑三娘「そうね。三馬鹿のこと少し見直してあげる」

 張苞「ハァハァハァ。そいつはどうも。でも流石に疲れたっての」

 関興「ハァハァハァ。師匠も鮑三娘の姐さんもどうなってる」

 鮑凱「鍛え方が違うのでな」

 鮑三娘「そういうこと」

 関索「ハァハァハァ。今度こそ君に勝って、貰い受けるからね。ハァハァハァ」

 鮑凱「何を休んでおる。ほれ、立たんか。劉循様を助けるために成都城へと向かうぞ」

 張苞「ハァハァハァ。嘘だろ。流石にもう」

 関興「ハァハァハァ。兄弟、泣き言を言うな。行くぞ」

 関索「ハァハァハァ。成都では、僕が勝つ」

 5人で数千人を制圧し、ようやく成都への道が切り開けたのである。
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