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5章 天下統一
決着、下邳攻防戦(序)
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曹操には文武に優れた4人の従兄弟がいた。
曹操の傍を離れず、片目を失おうとも忠節を尽くす隻眼の懐刀、夏侯惇。
夏侯惇の弟で、弓の扱いは魏軍でトップクラス、狙った獲物は逃がさない、弓の名手、夏侯淵。
攻めから守りまで何でもこなすオールマイティだが、どちらかといえば守りを重視したことから盾の四天王と呼ばれる曹仁。
そして、落とした郡は数知れず、矛の四天王と呼ばれる曹洪。
その功績から曹操四天王と呼ばれているのがこの4人である。
そしてその1人、曹洪が攻める下邳。
曹洪は城壁で大声を出す男の手を見て、怒りに打ち震えていた。
曹洪「俺がもう少し早く、全軍の攻撃を指示していれば。こんなことには。すまない真」
曹休「曹洪叔父上、俺も同じ気持ちです。曹真とは、親を亡くした者同士、養父に引き取られてから兄弟同然のように過ごしました。そして同じく時を過ごした養父の御子息である曹丕様の近衛になると誓い合った仲でもあります」
曹洪「曹丕様は道を間違われた。しかし、今は牢にて大人しく罪と向き合っておられる。いつか、きっとその夢も叶うだろう。だが、真はもう」
曹休「許せません。どうして、蜀漢は曹真を」
曹洪「俺の冷静さを奪うためだろう。あぁ、大いに大成功だよ。俺は大事な甥をむざむざ殺されて、黙っていられるほど冷静ではないからな」
張既「お待ちください曹洪様。敵の罠に乗ってはなりません」
曹洪「黙れ!貴様には俺の痛みなどわかるまい。大人しくそこで見ていろ!抑えろ」
曹洪親衛隊A「はっ」
張既「お待ちください曹洪様。曹洪様!」
曹洪「どんな罠があろうと乗ってやる。俺の背を見て、付いてこい。真の無念は俺が晴らす。全軍、俺に付いてこい!」
曹洪親衛隊B「うおおおおおおおおおおおおおお」
曹休「虎豹騎隊も準備はできているか?曹真の無念を晴らすぞ」
曹真虎豹騎隊A「将軍をよくも。蜀漢、許さねぇ」
これを見つめる劉虎龍。
劉虎龍「御役目、ご苦労様でした曹真さん」
曹真「ぐっ(気絶してる間に、曹洪叔父上を焚き付けたのか。クソッ。曹洪叔父上、不甲斐ない俺なんかのために突撃などしないでください。これは全て、この少年の計算し尽くされた罠なんだ!やめろ!やめてくれ!)」
そこに現れる、新たな蜀漢軍。
???「青州太守、劉義賢が士官の1人、寇封。徐州の危機に馳せ参じた。魏軍の者ども、覚悟せよ!」
???「まぁ、右に同じってな。イテッ。わかったから殴るなって寇封の兄貴。名乗るから。ちゃんと名乗るから。青州太守、劉義賢が士官の1人、張苞だ。死にてぇ奴からかかってきな」
???「同じく、青州太守、劉義賢が士官の1人、関興。魏軍の好きにはさせない!」
曹洪「アイツらは、何故ここに?いや、今はそんなことどうでも良い。劉備と張飛と関羽の息子か。ちょうど良い、真の御前にアイツらの首を捧げてやる!休、お前はそのまま前進し、城壁の上で大声で挑発して来たガキを討ち取れ!できるな?」
曹休「はっ。曹洪叔父上、ご武運を!」
曹洪「そちらもな」
登場した3人を見て、劉虎龍は安堵する。
劉虎龍「これで良いんですよね叔父上。だけど、人命まで優先できるかはわかりませんよ。その辺り、兄上たちは大丈夫なのか?」
普段はめんどくさいと欠伸ばかりしている劉虎龍とて、怒りを向けて突撃してくる相手を前にそんな軽口を叩いていられる余裕はない。
臧覇「劉虎龍様を守れ!」
孫観「馬鹿な!ぬかるんだ土を蹴って、進んできているだと!?」
劉虎龍「フッ。全員、下がっていろ」
臧覇「しかし」
簡麗美「だ、大丈夫ですぅぅぅぅ。この状態になった龍ちゃんは、戦闘狂になりますからぁぁぁぁ。寧ろ、危険なので、下がってくださぁぁぁぁぃぃぃぃ」
蜀漢弓騎兵隊の時の鎧を脱いで、普通の服を着た蜀漢弓騎兵隊Dこと簡麗美の言葉で、全員が下がる。
劉虎龍「さぁ、曹休。本気の君が僕にどれだけ迫れるか見せてもらおうか。歩兵隊は盾を重ねて、騎兵隊の突撃を受け流せ!」
下邳歩兵隊A「はっ」
曹休「そんな盾如きで、俺たちは止まらない!お前の首、貰うぞ」
曹真虎豹騎隊A「退け、雑魚どもが!」
弾き飛ばされる下邳歩兵隊。
劉虎龍「やはり、練度が違いすぎるか」
曹真虎豹騎隊A「貴様も踏み潰してやる。身体がぐらついて」
劉虎龍「よく走る馬よ。だがお前の旅はここまでだ。眠れ、永遠に。案ずるな。お前の死は無駄にはせぬ。後で美味しく食すとしよう」
曹真虎豹騎隊A「コイツ、本当にさっき演説してた奴なのか?いかにも文官っぽかったのに。ぎゃっ」
劉虎龍「もう喋るな。寝ていろ」
あまりの威圧感に馬たちもそれ以上進軍できなくなっていた。
劉虎龍「どうした?天下に名高い虎豹騎とやらがたった1人の男に恐れるのか?逃げたいなら逃げれば良い」
ギロリと睨む劉虎龍を前に、馬たちは一目散に逃げ出し、兵たちは振り落とされ、底なし沼から何とかして這い出たところを劉虎龍に討ち取られていった。
劉虎龍「残念だ。怒らせれば本気の俺に迫れるかと期待したが所詮、この程度か。お前は俺をガッカリさせてくれるなよ曹休!曹真は、ガッカリするぐらいの雑魚だったんでな」
曹休の額から汗が止まらない。
圧倒的強者を目の前にしている。
だが、逃げるわけにはいかない。
曹休「曹家、千里の駒曹休。曹真の仇を取るべく貴様の首を貰い受ける!」
劉虎龍「劉玄徳が嫡子の1人、劉虎龍。この首、取れるものなら取ってみよ」
曹休と劉虎龍による一騎討ちが行われようとしていた。
曹操の傍を離れず、片目を失おうとも忠節を尽くす隻眼の懐刀、夏侯惇。
夏侯惇の弟で、弓の扱いは魏軍でトップクラス、狙った獲物は逃がさない、弓の名手、夏侯淵。
攻めから守りまで何でもこなすオールマイティだが、どちらかといえば守りを重視したことから盾の四天王と呼ばれる曹仁。
そして、落とした郡は数知れず、矛の四天王と呼ばれる曹洪。
その功績から曹操四天王と呼ばれているのがこの4人である。
そしてその1人、曹洪が攻める下邳。
曹洪は城壁で大声を出す男の手を見て、怒りに打ち震えていた。
曹洪「俺がもう少し早く、全軍の攻撃を指示していれば。こんなことには。すまない真」
曹休「曹洪叔父上、俺も同じ気持ちです。曹真とは、親を亡くした者同士、養父に引き取られてから兄弟同然のように過ごしました。そして同じく時を過ごした養父の御子息である曹丕様の近衛になると誓い合った仲でもあります」
曹洪「曹丕様は道を間違われた。しかし、今は牢にて大人しく罪と向き合っておられる。いつか、きっとその夢も叶うだろう。だが、真はもう」
曹休「許せません。どうして、蜀漢は曹真を」
曹洪「俺の冷静さを奪うためだろう。あぁ、大いに大成功だよ。俺は大事な甥をむざむざ殺されて、黙っていられるほど冷静ではないからな」
張既「お待ちください曹洪様。敵の罠に乗ってはなりません」
曹洪「黙れ!貴様には俺の痛みなどわかるまい。大人しくそこで見ていろ!抑えろ」
曹洪親衛隊A「はっ」
張既「お待ちください曹洪様。曹洪様!」
曹洪「どんな罠があろうと乗ってやる。俺の背を見て、付いてこい。真の無念は俺が晴らす。全軍、俺に付いてこい!」
曹洪親衛隊B「うおおおおおおおおおおおおおお」
曹休「虎豹騎隊も準備はできているか?曹真の無念を晴らすぞ」
曹真虎豹騎隊A「将軍をよくも。蜀漢、許さねぇ」
これを見つめる劉虎龍。
劉虎龍「御役目、ご苦労様でした曹真さん」
曹真「ぐっ(気絶してる間に、曹洪叔父上を焚き付けたのか。クソッ。曹洪叔父上、不甲斐ない俺なんかのために突撃などしないでください。これは全て、この少年の計算し尽くされた罠なんだ!やめろ!やめてくれ!)」
そこに現れる、新たな蜀漢軍。
???「青州太守、劉義賢が士官の1人、寇封。徐州の危機に馳せ参じた。魏軍の者ども、覚悟せよ!」
???「まぁ、右に同じってな。イテッ。わかったから殴るなって寇封の兄貴。名乗るから。ちゃんと名乗るから。青州太守、劉義賢が士官の1人、張苞だ。死にてぇ奴からかかってきな」
???「同じく、青州太守、劉義賢が士官の1人、関興。魏軍の好きにはさせない!」
曹洪「アイツらは、何故ここに?いや、今はそんなことどうでも良い。劉備と張飛と関羽の息子か。ちょうど良い、真の御前にアイツらの首を捧げてやる!休、お前はそのまま前進し、城壁の上で大声で挑発して来たガキを討ち取れ!できるな?」
曹休「はっ。曹洪叔父上、ご武運を!」
曹洪「そちらもな」
登場した3人を見て、劉虎龍は安堵する。
劉虎龍「これで良いんですよね叔父上。だけど、人命まで優先できるかはわかりませんよ。その辺り、兄上たちは大丈夫なのか?」
普段はめんどくさいと欠伸ばかりしている劉虎龍とて、怒りを向けて突撃してくる相手を前にそんな軽口を叩いていられる余裕はない。
臧覇「劉虎龍様を守れ!」
孫観「馬鹿な!ぬかるんだ土を蹴って、進んできているだと!?」
劉虎龍「フッ。全員、下がっていろ」
臧覇「しかし」
簡麗美「だ、大丈夫ですぅぅぅぅ。この状態になった龍ちゃんは、戦闘狂になりますからぁぁぁぁ。寧ろ、危険なので、下がってくださぁぁぁぁぃぃぃぃ」
蜀漢弓騎兵隊の時の鎧を脱いで、普通の服を着た蜀漢弓騎兵隊Dこと簡麗美の言葉で、全員が下がる。
劉虎龍「さぁ、曹休。本気の君が僕にどれだけ迫れるか見せてもらおうか。歩兵隊は盾を重ねて、騎兵隊の突撃を受け流せ!」
下邳歩兵隊A「はっ」
曹休「そんな盾如きで、俺たちは止まらない!お前の首、貰うぞ」
曹真虎豹騎隊A「退け、雑魚どもが!」
弾き飛ばされる下邳歩兵隊。
劉虎龍「やはり、練度が違いすぎるか」
曹真虎豹騎隊A「貴様も踏み潰してやる。身体がぐらついて」
劉虎龍「よく走る馬よ。だがお前の旅はここまでだ。眠れ、永遠に。案ずるな。お前の死は無駄にはせぬ。後で美味しく食すとしよう」
曹真虎豹騎隊A「コイツ、本当にさっき演説してた奴なのか?いかにも文官っぽかったのに。ぎゃっ」
劉虎龍「もう喋るな。寝ていろ」
あまりの威圧感に馬たちもそれ以上進軍できなくなっていた。
劉虎龍「どうした?天下に名高い虎豹騎とやらがたった1人の男に恐れるのか?逃げたいなら逃げれば良い」
ギロリと睨む劉虎龍を前に、馬たちは一目散に逃げ出し、兵たちは振り落とされ、底なし沼から何とかして這い出たところを劉虎龍に討ち取られていった。
劉虎龍「残念だ。怒らせれば本気の俺に迫れるかと期待したが所詮、この程度か。お前は俺をガッカリさせてくれるなよ曹休!曹真は、ガッカリするぐらいの雑魚だったんでな」
曹休の額から汗が止まらない。
圧倒的強者を目の前にしている。
だが、逃げるわけにはいかない。
曹休「曹家、千里の駒曹休。曹真の仇を取るべく貴様の首を貰い受ける!」
劉虎龍「劉玄徳が嫡子の1人、劉虎龍。この首、取れるものなら取ってみよ」
曹休と劉虎龍による一騎討ちが行われようとしていた。
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