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5章 天下統一
青州攻防戦(結)
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敵軍の総攻撃に浮き足立つ平原城内。
士仁は郝昭に劉義賢からの言葉を伝えた。
郝昭「士仁殿、本当に太守様がこの子たちを下げるようにって言ったのかい?」
士仁「あぁ。敵の守りに対して、自律駆動型連弩車での対処が難しくなったと。ここからは投石にて歩兵の数を減らしにかかるとのことだ」
郝昭「ちょっと待って欲しい!確かにがっちり固めた敵に対してこの子たちは脆弱かもしれない。だけど、このまま城壁の上にあるという優位を失わせるのには僕は反対だ」
士仁「では、殿の命令を無視すると?」
郝昭「そうでは無いよ。僕にも考えがある。太守様に伝えて欲しい。この子たちによる援護射撃の許可を」
士仁「無駄撃ちで資源を無駄にすることを殿は決して望まない!」
郝昭「それでもだ。この子たちがこんなことぐらいで、後ろに下げさせられるのには我慢ならないよ」
士仁「意思は固いか。わかった。進言するだけしよう。だが許可があるまで撃つことは許さぬ。わかったな?」
郝昭「わかったよ」
同じ頃、范疆も殿からの言葉を郭淮に伝えていた。
范疆「郭淮~いるだか~?」
郭淮「そんなに大声を出さなくてもここに」
范疆「いただか!殿からの指令を持ってきただ~」
郭淮「この至近距離で声を張り上げないでも聞こえていますよ」
范疆「敵の歩兵隊目掛けて石の雨を降らしてやるだ~」
郭淮「確かにあれでは、郝昭殿には荷が重いと。承知した。范疆殿は、直ぐに太守様の元に戻られよ」
范疆「わかっただよ~」
郭淮「えーゴホン。それでは、投石にて、援護を開始する。皆の者、ありったけの石を飛ばすのだ!」
参加する民たち「えいえいおー!」
連弩車と違い発石車を完全に自律駆動型にすることは不可能だった。
やはりどうしても石を乗せる人員を削減することはできなかったのだ。
そのため、この安全なところに志願してくれた民を振り分けることにした。
その頃、張達は地下を掘るときにゴロゴロと出てきた石を採掘に従事する民たちと共に、さっさと運び込んでいた。
張達「今になって、合間合間に石を保管してるところを作っていて良かった」
採掘従事者A「だから言ったじゃないっすか。例え石でも捨てるのは勿体無いと」
採掘従事者B「俺たちは穴を掘って、お給金も貰えて万々歳ですが。劉丁様はそうはいかねぇ。いつか必要になると思ってたんですよ」
張達「お前たちはどうしてそこまで殿に?」
採掘責任者「いつかはここに鉄で動く機会を走らせたいとか言い出す馬鹿ですよあの人は。そんな面白いことに関われるってんなら穴掘りも捨てたもんじゃねぇ。それにあの人は金払いが良いんだ。俺たち日陰ものに勿体ねぇぐらいな。おいオメェらキビキビ働けよ。あの人が死んだら俺たちの夢も潰えるんだからよ」
採掘従事者C「分かってますよ頭領。おい、次々運んで、投石の前にいる民にまで届けんぞ」
さらに補足すると流石に石の調達に関して当てのなかった調達だったが、穴を掘った時にゴロゴロとあった石に思い当たり、責任者と話をしてのだが二つ返事で引き受けてくれて、このように運んでいるのである。
その頃、何も割り当てられなかったことに激怒する関索は、劉義賢の元を訪れていた。
関索「叔父上、酷いじゃないか!皆には割り当てして、僕には何か無いのか。僕だって、軍神関羽の子なんだぞ」
義賢「はぁ。お前は怒鳴り込んできて開口一番、言うことがそれか?昨夜もお楽しみであったのだろう?軍議に寝過ごしたお前が悪いのでは無いか?」
関索「こ、こっちは毎日4人も相手にしてるんだ。か、枯れ果てた叔母上だけを相手にしてるわけでは。イッテェェェェェェェ」
董白「あら、こんなところにゴミがと思ったら関索だったわ。全く枯れ果てた女って誰のことかしらね?私はこんなに美しいのに。ねぇ貴方たちもそう思うわよね?」
王桃「も、も、勿論だ。董白様ほど美しい女性のお会いしたことは無い」
鮑三娘「も、も、勿論です。だから、私たちはこの馬鹿とは関係ありません。許してください」
王悦「しっかりと関索様に言い聞かせますので」
花鬘「皆、どうしたの?董白ちゃんは董白ちゃんだよ~」
董白「宜しい」
義賢「というか!何故董白がまだここにいる!」
董白「あら、旦那様が命をかけて戦っているのに逃げ出す妻が居ると?残念だったわね。言うことを聞くふりをして、隠れていたのよ」
義賢「お前と言う奴は。まぁ良い。それなら寂しい夜を1人で過ごす必要はなかったでは無いか」
董白「さ、寂しいだなんて。良い歳した大人が全く(めちゃ嬉しい~どうしよ~約束破ってめちゃくちゃ怒られるかなって思ってたのに~)」
義賢「ありがとな董白。それで、関索。お前にも勿論頼みたいことがある。敵は歩兵だ。分かっているな?」
関索「成程。僕の騎兵で蹴散らしてこいってことだね。任せてよ。また機先を制してくるよ」
王桃「事はそう簡単では無かろう」
王悦「姉様の言う通りです。今回はもう攻め込まれています。城から打って出るのは如何なものかと」
関索「チッチッチ。甘いなぁ。叔父上、ヒットアンドアウェイですよね?」
義賢「フッ。分かってるじゃ無いか。敵の防備の薄いところを攻撃して、蹴散らして戻れ。それを繰り返せ。敵は守りに労力を割いてる。必ず隙があるはずだ。こちらの投石も一定だ。それも合わせろ」
鮑三娘「ねぇ王桃?」
王桃「なんだ?」
鮑三娘「多分、叔父様。私のお父様よりも精神強いと思う。2度と挑まない方がいいよ」
王桃「も、勿論だ」
花鬘「あー、あのよくわからないヒットアンドアウェイかぁ。習った気はするけど全然覚えてないや~」
義賢「花鬘はずっと関索のことを目で追いかけていたな」
花鬘「そうなの~」
どちらも譲れない青州攻防戦のは行方はどちらに転ぶのか。
士仁は郝昭に劉義賢からの言葉を伝えた。
郝昭「士仁殿、本当に太守様がこの子たちを下げるようにって言ったのかい?」
士仁「あぁ。敵の守りに対して、自律駆動型連弩車での対処が難しくなったと。ここからは投石にて歩兵の数を減らしにかかるとのことだ」
郝昭「ちょっと待って欲しい!確かにがっちり固めた敵に対してこの子たちは脆弱かもしれない。だけど、このまま城壁の上にあるという優位を失わせるのには僕は反対だ」
士仁「では、殿の命令を無視すると?」
郝昭「そうでは無いよ。僕にも考えがある。太守様に伝えて欲しい。この子たちによる援護射撃の許可を」
士仁「無駄撃ちで資源を無駄にすることを殿は決して望まない!」
郝昭「それでもだ。この子たちがこんなことぐらいで、後ろに下げさせられるのには我慢ならないよ」
士仁「意思は固いか。わかった。進言するだけしよう。だが許可があるまで撃つことは許さぬ。わかったな?」
郝昭「わかったよ」
同じ頃、范疆も殿からの言葉を郭淮に伝えていた。
范疆「郭淮~いるだか~?」
郭淮「そんなに大声を出さなくてもここに」
范疆「いただか!殿からの指令を持ってきただ~」
郭淮「この至近距離で声を張り上げないでも聞こえていますよ」
范疆「敵の歩兵隊目掛けて石の雨を降らしてやるだ~」
郭淮「確かにあれでは、郝昭殿には荷が重いと。承知した。范疆殿は、直ぐに太守様の元に戻られよ」
范疆「わかっただよ~」
郭淮「えーゴホン。それでは、投石にて、援護を開始する。皆の者、ありったけの石を飛ばすのだ!」
参加する民たち「えいえいおー!」
連弩車と違い発石車を完全に自律駆動型にすることは不可能だった。
やはりどうしても石を乗せる人員を削減することはできなかったのだ。
そのため、この安全なところに志願してくれた民を振り分けることにした。
その頃、張達は地下を掘るときにゴロゴロと出てきた石を採掘に従事する民たちと共に、さっさと運び込んでいた。
張達「今になって、合間合間に石を保管してるところを作っていて良かった」
採掘従事者A「だから言ったじゃないっすか。例え石でも捨てるのは勿体無いと」
採掘従事者B「俺たちは穴を掘って、お給金も貰えて万々歳ですが。劉丁様はそうはいかねぇ。いつか必要になると思ってたんですよ」
張達「お前たちはどうしてそこまで殿に?」
採掘責任者「いつかはここに鉄で動く機会を走らせたいとか言い出す馬鹿ですよあの人は。そんな面白いことに関われるってんなら穴掘りも捨てたもんじゃねぇ。それにあの人は金払いが良いんだ。俺たち日陰ものに勿体ねぇぐらいな。おいオメェらキビキビ働けよ。あの人が死んだら俺たちの夢も潰えるんだからよ」
採掘従事者C「分かってますよ頭領。おい、次々運んで、投石の前にいる民にまで届けんぞ」
さらに補足すると流石に石の調達に関して当てのなかった調達だったが、穴を掘った時にゴロゴロとあった石に思い当たり、責任者と話をしてのだが二つ返事で引き受けてくれて、このように運んでいるのである。
その頃、何も割り当てられなかったことに激怒する関索は、劉義賢の元を訪れていた。
関索「叔父上、酷いじゃないか!皆には割り当てして、僕には何か無いのか。僕だって、軍神関羽の子なんだぞ」
義賢「はぁ。お前は怒鳴り込んできて開口一番、言うことがそれか?昨夜もお楽しみであったのだろう?軍議に寝過ごしたお前が悪いのでは無いか?」
関索「こ、こっちは毎日4人も相手にしてるんだ。か、枯れ果てた叔母上だけを相手にしてるわけでは。イッテェェェェェェェ」
董白「あら、こんなところにゴミがと思ったら関索だったわ。全く枯れ果てた女って誰のことかしらね?私はこんなに美しいのに。ねぇ貴方たちもそう思うわよね?」
王桃「も、も、勿論だ。董白様ほど美しい女性のお会いしたことは無い」
鮑三娘「も、も、勿論です。だから、私たちはこの馬鹿とは関係ありません。許してください」
王悦「しっかりと関索様に言い聞かせますので」
花鬘「皆、どうしたの?董白ちゃんは董白ちゃんだよ~」
董白「宜しい」
義賢「というか!何故董白がまだここにいる!」
董白「あら、旦那様が命をかけて戦っているのに逃げ出す妻が居ると?残念だったわね。言うことを聞くふりをして、隠れていたのよ」
義賢「お前と言う奴は。まぁ良い。それなら寂しい夜を1人で過ごす必要はなかったでは無いか」
董白「さ、寂しいだなんて。良い歳した大人が全く(めちゃ嬉しい~どうしよ~約束破ってめちゃくちゃ怒られるかなって思ってたのに~)」
義賢「ありがとな董白。それで、関索。お前にも勿論頼みたいことがある。敵は歩兵だ。分かっているな?」
関索「成程。僕の騎兵で蹴散らしてこいってことだね。任せてよ。また機先を制してくるよ」
王桃「事はそう簡単では無かろう」
王悦「姉様の言う通りです。今回はもう攻め込まれています。城から打って出るのは如何なものかと」
関索「チッチッチ。甘いなぁ。叔父上、ヒットアンドアウェイですよね?」
義賢「フッ。分かってるじゃ無いか。敵の防備の薄いところを攻撃して、蹴散らして戻れ。それを繰り返せ。敵は守りに労力を割いてる。必ず隙があるはずだ。こちらの投石も一定だ。それも合わせろ」
鮑三娘「ねぇ王桃?」
王桃「なんだ?」
鮑三娘「多分、叔父様。私のお父様よりも精神強いと思う。2度と挑まない方がいいよ」
王桃「も、勿論だ」
花鬘「あー、あのよくわからないヒットアンドアウェイかぁ。習った気はするけど全然覚えてないや~」
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