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2章 オダ郡を一つにまとめる
128話 アヅチ城、急襲
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ここは、ポマド・ステイシーが反乱貴族を率いて、サブロー・ハインリッヒの籠るワシヅ砦へと歩を進めたアヅチ城。
残っていた兵たちをまとめていたのは、反乱貴族の1人で、拷問好きで知られるトーチャー・ハデスだった。
「全く、公爵ってのは、不甲斐ない奴らの集まりだと思わねぇか?」
「えっ!?」
「何、驚いてんだ?俺はテメェに聞いてんだよ。で、どうなんだよ?」
「レーニン様は、相手が戦人として知られるレイヴァンド卿でありました。負けるのも無理はないかと。モンテロ様は、ハインリッヒ卿を子供と侮り、隙を突かれたのではないかと」
「アァ?何言ってんだテメェ!負けて理由を述べろなんて俺は言ってねぇんだわ」
「ギャァ。イタイ。イタイ。指がぁ。指がぁ」
トーチャー・ハデスという男は、自分のの思う答えが返って来なかっただけで、こうやって癇癪を起こし、指の骨を折る始末。
「で、どうなんだ?」
「イタイ。イタイ」
「はぁ。これだから根っからの貴族ってのは、堪え性がねぇんだわ。ちょっと指の骨が折れた程度で泣き喚く。そんなので戦で戦えんのか?」
「ギャァ!!!!腕が腕が変な方向にぃぃぃぃ」
「泡吹いて、気絶しやがった。つまんねぇな。おい、お前はどう思う?」
気絶した兵の1人を踏みつけ、別の兵に問う。
こうして、トーチャー・ハデスという男は、自分の望む答えが返ってくるまで繰り返すのである。
「はっ。レーニンは、ロー如き隠居人に討ち取られる体たらくぶり、盟主の器では無い。モンテロは、ガキ相手に好機を逃す愚か者。我らが王、トーチャー様こそ新しい公爵として、マーガレット様を嫁に迎える御方かと」
「ガッハッハ。そうだろう。そうだろう。俺の女の側にずっと控えるあのクソ野郎が気に食わん」
「ルルーニも必死なの。ギャァ!」
「必死だぁ?それじゃあ、まるで俺がマーガレットに本気じゃ無いみてぇに聞こえるだろうが!」
「申し訳。申し訳。腕は、腕は、やめへ」
そんなことを言われてトーチャー・ハデスは止まる男では無い。
「おーい。ダメだな。こりゃ。腕折ったら泡吹いて気絶してらぁ。じゃあ、お前、どう思う?」
「クソ野郎を殺すのが良いかと」
「だよな。だよな。まぁ、あのガキにはしてやられてる奴が多いからよ。攻めたあいつも今頃屍だろ。果報は寝て待てってな。ふわぁ。俺は少し」
「トーチャー様に報告!!!!アヅチキャッスルに正体不明の敵影あり。何やら掲げられている物に描かれているのはグリフォンかと!」
「グリフォンだぁ?グリフォンって言やぁハインリッヒ家の守り神じゃねぇか!だとしたら攻めてきたってのかここに?おいおい、ポマドの奴もポンコツかよ!迎撃だ。迎撃の準備をしろ!」
ドカーンと大きな音が鳴り響く。
「なんだ。なんだ。何が起こって」
「トーチャー様に御報告を!城門が爆破され、崩壊!!!!敵兵が雪崩れ込んできて、城下町では既に至る所で戦闘が!」
「馬鹿な。城門を爆破だと!?そんなことができるのは、マジカル王国の魔法兵ぐらいのはず」
「魔法ではなく。火薬を詰め込んだ何かの模様!丸いものが投げ込まれた瞬間、次々に爆発。城門が一瞬で燃え上がり崩壊。それも全ての門で同時進行でです。如何なさいますか?」
「逃げるに決まってんだろうが!テメェらは、俺が逃げるまでの時間を稼げ。命懸けで!」
「何言ってるんです!今、ここを預かっているのはトーチャー様です。ここを失えば、我々に再起は」
「そんなこと知るか!俺の命の方が大事に決まってんだろうが!」
トーチャー・ハデスは、一目散に逃げ出した。
だが至る所で戦が行われている中、どこに逃げるというのか。
「もうここまで、攻め込まれてるってのかよ!一体どこにどこに逃げれば。ん?北の方に隙が。あっちだ。あっちに」
だがトーチャー・ハデスの逃げた先には、槍を片手に立っている男がいた。
「サブロー様は、やっぱり凄いな。本当にこっちに来るなんて、久しぶりだねトーチャー」
「お、お前はロマーニ!そうかルルーニが俺を助けるために。助かったぞ。さぁ、何処に逃げれば良いんだ。何処でも付いて行くぞ」
「それは、殊勝な心掛けだ。兄さんもきっと喜ぶよ」
しかし、トーチャー・ハデスが案内されたのは、サブロー・ハインリッヒの御前だった。
「ロマーニ、お前。俺を謀ったな!」
「ロマーニ?何を言っているかわからないよ。良く似た知人でも見たのかい?僕の名前はマタザ。サブロー様に仕える将の1人だよ」
「ククク。拷問好きのトーチャー・ハデスよ。お前に生きる機会を与えてやろう。マタザを打ち倒せれば、ここから逃げるのを許可してやろう」
「その言葉に嘘偽りはねぇだろうな?」
「あぁ。倒せればだがな」
「舐めるなクソガキ!」
トーチャー・ハデスは、隠し持っていた投げナイフをロマーニに投げて、双剣で突進する。
ロマーニ・カイロは、投げナイフを槍を回して弾き、突撃してきたトーチャー・ハデスの喉元に槍を突き刺した。
「カハッ。フィー。フィー」
トーチャー・ハデスは喉を潰されたことで、声にならない声で、地面に突っ伏した。
「この双剣は、貰ってくよ。君には勿体無い名刀だからね。バイバイ、トーチャー」
「(何故、ロマーニの奴がクソガキのところに。クソッ。まさか、ルルーニの奴も。チクショー裏切りのカイロ家がぁぁぁぁぁ!!!!口惜しい。口惜しい。口惜しい。こんな奴らに。こんな奴らにマーガレットの未来の旦那であるこの俺様がァァァァァ!!!!)」
「武器を捨てて、投降せよ!ここの支配者、トーチャー・ハデスは、我が家臣、マタザが討ち取った!」
サブロー・ハインリッヒの言葉を聞き、貴族の兵として戦っていた者たちは、武器を落とし、捕虜となった。
こうして、急襲から数時間でアヅチ城は落ちたのである。
残っていた兵たちをまとめていたのは、反乱貴族の1人で、拷問好きで知られるトーチャー・ハデスだった。
「全く、公爵ってのは、不甲斐ない奴らの集まりだと思わねぇか?」
「えっ!?」
「何、驚いてんだ?俺はテメェに聞いてんだよ。で、どうなんだよ?」
「レーニン様は、相手が戦人として知られるレイヴァンド卿でありました。負けるのも無理はないかと。モンテロ様は、ハインリッヒ卿を子供と侮り、隙を突かれたのではないかと」
「アァ?何言ってんだテメェ!負けて理由を述べろなんて俺は言ってねぇんだわ」
「ギャァ。イタイ。イタイ。指がぁ。指がぁ」
トーチャー・ハデスという男は、自分のの思う答えが返って来なかっただけで、こうやって癇癪を起こし、指の骨を折る始末。
「で、どうなんだ?」
「イタイ。イタイ」
「はぁ。これだから根っからの貴族ってのは、堪え性がねぇんだわ。ちょっと指の骨が折れた程度で泣き喚く。そんなので戦で戦えんのか?」
「ギャァ!!!!腕が腕が変な方向にぃぃぃぃ」
「泡吹いて、気絶しやがった。つまんねぇな。おい、お前はどう思う?」
気絶した兵の1人を踏みつけ、別の兵に問う。
こうして、トーチャー・ハデスという男は、自分の望む答えが返ってくるまで繰り返すのである。
「はっ。レーニンは、ロー如き隠居人に討ち取られる体たらくぶり、盟主の器では無い。モンテロは、ガキ相手に好機を逃す愚か者。我らが王、トーチャー様こそ新しい公爵として、マーガレット様を嫁に迎える御方かと」
「ガッハッハ。そうだろう。そうだろう。俺の女の側にずっと控えるあのクソ野郎が気に食わん」
「ルルーニも必死なの。ギャァ!」
「必死だぁ?それじゃあ、まるで俺がマーガレットに本気じゃ無いみてぇに聞こえるだろうが!」
「申し訳。申し訳。腕は、腕は、やめへ」
そんなことを言われてトーチャー・ハデスは止まる男では無い。
「おーい。ダメだな。こりゃ。腕折ったら泡吹いて気絶してらぁ。じゃあ、お前、どう思う?」
「クソ野郎を殺すのが良いかと」
「だよな。だよな。まぁ、あのガキにはしてやられてる奴が多いからよ。攻めたあいつも今頃屍だろ。果報は寝て待てってな。ふわぁ。俺は少し」
「トーチャー様に報告!!!!アヅチキャッスルに正体不明の敵影あり。何やら掲げられている物に描かれているのはグリフォンかと!」
「グリフォンだぁ?グリフォンって言やぁハインリッヒ家の守り神じゃねぇか!だとしたら攻めてきたってのかここに?おいおい、ポマドの奴もポンコツかよ!迎撃だ。迎撃の準備をしろ!」
ドカーンと大きな音が鳴り響く。
「なんだ。なんだ。何が起こって」
「トーチャー様に御報告を!城門が爆破され、崩壊!!!!敵兵が雪崩れ込んできて、城下町では既に至る所で戦闘が!」
「馬鹿な。城門を爆破だと!?そんなことができるのは、マジカル王国の魔法兵ぐらいのはず」
「魔法ではなく。火薬を詰め込んだ何かの模様!丸いものが投げ込まれた瞬間、次々に爆発。城門が一瞬で燃え上がり崩壊。それも全ての門で同時進行でです。如何なさいますか?」
「逃げるに決まってんだろうが!テメェらは、俺が逃げるまでの時間を稼げ。命懸けで!」
「何言ってるんです!今、ここを預かっているのはトーチャー様です。ここを失えば、我々に再起は」
「そんなこと知るか!俺の命の方が大事に決まってんだろうが!」
トーチャー・ハデスは、一目散に逃げ出した。
だが至る所で戦が行われている中、どこに逃げるというのか。
「もうここまで、攻め込まれてるってのかよ!一体どこにどこに逃げれば。ん?北の方に隙が。あっちだ。あっちに」
だがトーチャー・ハデスの逃げた先には、槍を片手に立っている男がいた。
「サブロー様は、やっぱり凄いな。本当にこっちに来るなんて、久しぶりだねトーチャー」
「お、お前はロマーニ!そうかルルーニが俺を助けるために。助かったぞ。さぁ、何処に逃げれば良いんだ。何処でも付いて行くぞ」
「それは、殊勝な心掛けだ。兄さんもきっと喜ぶよ」
しかし、トーチャー・ハデスが案内されたのは、サブロー・ハインリッヒの御前だった。
「ロマーニ、お前。俺を謀ったな!」
「ロマーニ?何を言っているかわからないよ。良く似た知人でも見たのかい?僕の名前はマタザ。サブロー様に仕える将の1人だよ」
「ククク。拷問好きのトーチャー・ハデスよ。お前に生きる機会を与えてやろう。マタザを打ち倒せれば、ここから逃げるのを許可してやろう」
「その言葉に嘘偽りはねぇだろうな?」
「あぁ。倒せればだがな」
「舐めるなクソガキ!」
トーチャー・ハデスは、隠し持っていた投げナイフをロマーニに投げて、双剣で突進する。
ロマーニ・カイロは、投げナイフを槍を回して弾き、突撃してきたトーチャー・ハデスの喉元に槍を突き刺した。
「カハッ。フィー。フィー」
トーチャー・ハデスは喉を潰されたことで、声にならない声で、地面に突っ伏した。
「この双剣は、貰ってくよ。君には勿体無い名刀だからね。バイバイ、トーチャー」
「(何故、ロマーニの奴がクソガキのところに。クソッ。まさか、ルルーニの奴も。チクショー裏切りのカイロ家がぁぁぁぁぁ!!!!口惜しい。口惜しい。口惜しい。こんな奴らに。こんな奴らにマーガレットの未来の旦那であるこの俺様がァァァァァ!!!!)」
「武器を捨てて、投降せよ!ここの支配者、トーチャー・ハデスは、我が家臣、マタザが討ち取った!」
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