信長英雄記〜かつて第六天魔王と呼ばれた男の転生〜
かつて日の本に第六天魔王と恐れられ、最も天下に近かった男がいた。
その男の名を織田信長《オダノブナガ》という。
尾張という小さな国から天下を掴めるまでに成り上がった男は、信頼していた臣下の手によって、この世を去ろうとしていた。
燃え盛る炎の中、首を見つからせないため、キリスト教の奴隷商人から救い出した黒人の男の手によって、その命を捨てた。
思えば裏切られることの多い人生であった。
血を分けた弟に殺されかけ、大事な妹を託すに値すると判断した男にも裏切られ、保護して上洛を手伝った将軍にも裏切られ、何度も裏切りを繰り返す男にも殺されかけ、自分が見出した臣下に暗殺を謀られたこともあった。
そして、今最も信頼を寄せていた男にどうしようもないまでに追い込まれた。
彼は信頼する小姓からの報告を受け、呟く『是非も無し』と。
それは、最も信頼していた男を賞賛する言葉だった。
アイツならもうどうしようもないと。
しかし、簡単に首をくれてやるのは不服だ。
苦々しく桔梗紋を見て、アイツを困らせてやろうと燃え盛る火の中、黒人の男に命じる『我が首、金柑頭に渡すでないぞ』金柑頭とは、最も信頼する男に信長が付けた渾名である。
首が飛び、命が事切れた信長であったが目を覚ますとそこは日の本とは似ても似つかない、どちらかといえば西洋のような街並みであった。
これは、織田信長が剣と魔法の世界に転生し、弱小国のそのまた小さな郡から皇帝へと成り上がる物語である。
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