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1章 死亡フラグを回避せよ
村を守るために
ダクドラの世界にないはずの弓はあっという間に村人たちに広まった。
今や持ってない人が居ないぐらいに普及はしたのだ。
そして親父は子供にはこれだろと言わんばかりに更なる新たな武器を制作していた。
投げたものが手元に返ってくるブーメランという武器だ。
「モノノフおじちゃん、これなーに?」
「これはのぅ。こうやって投げる物じゃ」
親父が投げたブーメランが手元に帰ってくるのを見て目を輝かせる子供たち。
「何、これ。なんで手元に戻ってくるの。面白そう」
「これを君にあげよう。子供たちみんなに広めてくれるかのぅ?」
「うん。こんな楽しそうなの皆、喜ぶよ。モノノフおじちゃん、ありがとう」
「坊主、たくさん広めてくれよなぁ」
「うん」
そう言って、子供が別の子供に遊び方を教えて、目を輝かせた子供達が親父の元に集まり、みんなブーメランで遊んでいた。
「親父、ブーメランで敵を追い払えるわけが」
「トモカズ、魔族を追い払うためとかじゃねぇやい。娯楽が無さそうな子供達にちょっとな遊び道具を作ってやっただけやけんのぉ」
「なるほど」
「女たちにもなんか作ってやらんとな。見たところこの世界は戦いにしか武器を使わんようやな。料理の多くが硬いパンや野菜が丸々入ったスープやらで食べづらくてかなわんなぁ。そしたらアレやな料理包丁一式、作ったろ」
親父はそういうと手際よく作り上げて、モニター要員とばかりに、何人かの女性にプレゼントしていた。
「モノノフさん?これなんですか?私たちに武器は必要ないかと」
「武器ちゃうで、料理包丁って言うてな。食材を食べやすい形に切ったりするもんや。まぁ、タダで差し上げるけん。試しにつこうてみてや」
「はぁ、まぁ、使うことないと思いますけど、まぁ受け取っておきます」
しかし、その日からこの包丁を受け取った家では、パンが食べやすくなったとか野菜に味がよく染みるようになったとかで、口コミのように一気に広がり、一家に一台料理包丁なんて言われるまでになったのは言うまでもない。
親父がモノノフさんに転生したことで、建築や武器だけでなく生活の役に立つ物や娯楽道具まで、幅広く作り、民たちは大喜びだった。
そして、リザードマンが攻めてくるまで、残り日数は少なくなった。
俺が王都エインヘリヤルへ出来上がった武器を届ける日である。
この日、俺は村のみんなに親父を通じて、話す。
「集まってもらってすまんな」
「何を言ってんだよモノノフさん。皆アンタのお陰で、暮らしが楽になったって喜んでんだ」
口々からそうよそうよと声が聞こえる。
「ありがとう。そんな皆に隠していたことがある。ワシがどうして、急にこの村を砦化したり、櫓という見張り台兼攻撃拠点を作ったのには訳がある」
親父は大事な話をするときは真面目になる。
「どういうことなんだモノノフさん?」
民のみんなの顔が不安に満ちていく。
「魔族がこの村に攻めてくる。ワシを殺しにな。どうやらワシは魔族にとって危険因子だそうだ」
「そんな、そんなこと」
「モノノフおじちゃんが死ぬのなんて嫌だよ!なんとかならないの?」
「そうよ。モノノフさんのお陰で、最近料理をするのも楽しいんです。私たちに何かできることはありませんか?」
「モノノフさんのお陰で狩りが効率的になったんだ。なんでも手伝うぜ。言ってくれ」
親父は皆の言葉を受けながら涙を浮かべながら言葉を続ける。
「本当にありがとう。みんなをこんなことに巻き込んでしまって申し訳ない。最近出入りしてる獣人族の女性とこのリザードマンの女性もこの村を守るために戦ってくれるそうだ。君たちにも共に戦って貰いたい。この村を守るために」
「水臭いこと言うんじゃねぇよ!モノノフさんはこの村を豊かにしてくれたんだ」
「そうよ。畑作業は効率化され、狩も断然楽になりましたわ。その上、料理を作るのがこんなに楽しいなんて知りませんでしたわ」
「モノノフおじちゃんを守るためなら僕、このブーメランで敵を追い返すよ!」
口々にそういう言葉が聞こえてくる。そして、ヤンキー青年の言葉がトドメをさした。
「モノノフさん、全て計画通りなんだろ?おかしいと思ったんだ。あの櫓ってのはこの弓の威力をさらに高めるためのものなんじゃねぇのか?この弓ってのは、真っ直ぐ飛ぶわけじゃねぇ。風の影響や重力をモロに受けてる。あの高さから打ち込めば非力な俺たちでも魔物にダメージを与えられる。そう考えたんじゃねぇのか?アンタはずっとこの村を守るためだけに頭を使ってきたんだ。俺たちにも背負わせてくれ。この村に今まで代表者なんていなかった。皆、どうだモノノフさんが代表者で」
皆んなが口々に異議なしと言う。
「だったら俺たちにとって大事な村長を守るのは当然だよな。男衆は弓を持って、あの櫓に上がれ、いつ攻めてくるかわからねぇんだ。交代で見回りすっぞ」
おーーーーーと男衆がそれに応える。
「ペコラさんでしたわよね?」
「あっはい。そうです」
「あの私たちは戦うことはできません。ですが料理で男衆たちを元気付けてやれると思うんです。料理指導をお願いできませんか?」
ペコラは少し考えたそぶりの後言った。
「私なんかで良ければ」
子供たちは集まって何やら密談しているが大きい声なので筒抜けだ。
「違う、あの草むらで隠れて、足元目掛けてブーメランを投げつけたら転ばせられるだろ」
「でも、転ばなかったら危機に陥るのは私たちなんだよ」
「だから弓の届く範囲でやるんだ。そしたら、パパたちが弓を打ち込んでくれている間に逃げれるだろ」
「そうかもしれないけど」
「モノノフおじちゃんのためなんだ」
「もーう、わかったわよ。やるわよやってやるんだから」
逞しいったらありゃしない。
でもここまで村人が団結できたのも親父のおかげだ。
親父がダクドラに転生してきてくれなければ、俺はまた死ぬだけだったかもしれない。
俺は親父から王都に届ける武器を持たされる。
「トモカズ、そう心配するな。結局、村が滅ぶ運命ってことは、コイツらかって死ぬ運命やった。それをひっくるめて、ひっくり返そうってんだからな」
「あぁ、ありがとう親父。今回は絶対に生き残るよ」
「そうや。その意気や。みんなで頑張ろう」
こうして俺はこの世界に来て2度目の王都エインヘリヤルへと武器を届けに向かう。
今や持ってない人が居ないぐらいに普及はしたのだ。
そして親父は子供にはこれだろと言わんばかりに更なる新たな武器を制作していた。
投げたものが手元に返ってくるブーメランという武器だ。
「モノノフおじちゃん、これなーに?」
「これはのぅ。こうやって投げる物じゃ」
親父が投げたブーメランが手元に帰ってくるのを見て目を輝かせる子供たち。
「何、これ。なんで手元に戻ってくるの。面白そう」
「これを君にあげよう。子供たちみんなに広めてくれるかのぅ?」
「うん。こんな楽しそうなの皆、喜ぶよ。モノノフおじちゃん、ありがとう」
「坊主、たくさん広めてくれよなぁ」
「うん」
そう言って、子供が別の子供に遊び方を教えて、目を輝かせた子供達が親父の元に集まり、みんなブーメランで遊んでいた。
「親父、ブーメランで敵を追い払えるわけが」
「トモカズ、魔族を追い払うためとかじゃねぇやい。娯楽が無さそうな子供達にちょっとな遊び道具を作ってやっただけやけんのぉ」
「なるほど」
「女たちにもなんか作ってやらんとな。見たところこの世界は戦いにしか武器を使わんようやな。料理の多くが硬いパンや野菜が丸々入ったスープやらで食べづらくてかなわんなぁ。そしたらアレやな料理包丁一式、作ったろ」
親父はそういうと手際よく作り上げて、モニター要員とばかりに、何人かの女性にプレゼントしていた。
「モノノフさん?これなんですか?私たちに武器は必要ないかと」
「武器ちゃうで、料理包丁って言うてな。食材を食べやすい形に切ったりするもんや。まぁ、タダで差し上げるけん。試しにつこうてみてや」
「はぁ、まぁ、使うことないと思いますけど、まぁ受け取っておきます」
しかし、その日からこの包丁を受け取った家では、パンが食べやすくなったとか野菜に味がよく染みるようになったとかで、口コミのように一気に広がり、一家に一台料理包丁なんて言われるまでになったのは言うまでもない。
親父がモノノフさんに転生したことで、建築や武器だけでなく生活の役に立つ物や娯楽道具まで、幅広く作り、民たちは大喜びだった。
そして、リザードマンが攻めてくるまで、残り日数は少なくなった。
俺が王都エインヘリヤルへ出来上がった武器を届ける日である。
この日、俺は村のみんなに親父を通じて、話す。
「集まってもらってすまんな」
「何を言ってんだよモノノフさん。皆アンタのお陰で、暮らしが楽になったって喜んでんだ」
口々からそうよそうよと声が聞こえる。
「ありがとう。そんな皆に隠していたことがある。ワシがどうして、急にこの村を砦化したり、櫓という見張り台兼攻撃拠点を作ったのには訳がある」
親父は大事な話をするときは真面目になる。
「どういうことなんだモノノフさん?」
民のみんなの顔が不安に満ちていく。
「魔族がこの村に攻めてくる。ワシを殺しにな。どうやらワシは魔族にとって危険因子だそうだ」
「そんな、そんなこと」
「モノノフおじちゃんが死ぬのなんて嫌だよ!なんとかならないの?」
「そうよ。モノノフさんのお陰で、最近料理をするのも楽しいんです。私たちに何かできることはありませんか?」
「モノノフさんのお陰で狩りが効率的になったんだ。なんでも手伝うぜ。言ってくれ」
親父は皆の言葉を受けながら涙を浮かべながら言葉を続ける。
「本当にありがとう。みんなをこんなことに巻き込んでしまって申し訳ない。最近出入りしてる獣人族の女性とこのリザードマンの女性もこの村を守るために戦ってくれるそうだ。君たちにも共に戦って貰いたい。この村を守るために」
「水臭いこと言うんじゃねぇよ!モノノフさんはこの村を豊かにしてくれたんだ」
「そうよ。畑作業は効率化され、狩も断然楽になりましたわ。その上、料理を作るのがこんなに楽しいなんて知りませんでしたわ」
「モノノフおじちゃんを守るためなら僕、このブーメランで敵を追い返すよ!」
口々にそういう言葉が聞こえてくる。そして、ヤンキー青年の言葉がトドメをさした。
「モノノフさん、全て計画通りなんだろ?おかしいと思ったんだ。あの櫓ってのはこの弓の威力をさらに高めるためのものなんじゃねぇのか?この弓ってのは、真っ直ぐ飛ぶわけじゃねぇ。風の影響や重力をモロに受けてる。あの高さから打ち込めば非力な俺たちでも魔物にダメージを与えられる。そう考えたんじゃねぇのか?アンタはずっとこの村を守るためだけに頭を使ってきたんだ。俺たちにも背負わせてくれ。この村に今まで代表者なんていなかった。皆、どうだモノノフさんが代表者で」
皆んなが口々に異議なしと言う。
「だったら俺たちにとって大事な村長を守るのは当然だよな。男衆は弓を持って、あの櫓に上がれ、いつ攻めてくるかわからねぇんだ。交代で見回りすっぞ」
おーーーーーと男衆がそれに応える。
「ペコラさんでしたわよね?」
「あっはい。そうです」
「あの私たちは戦うことはできません。ですが料理で男衆たちを元気付けてやれると思うんです。料理指導をお願いできませんか?」
ペコラは少し考えたそぶりの後言った。
「私なんかで良ければ」
子供たちは集まって何やら密談しているが大きい声なので筒抜けだ。
「違う、あの草むらで隠れて、足元目掛けてブーメランを投げつけたら転ばせられるだろ」
「でも、転ばなかったら危機に陥るのは私たちなんだよ」
「だから弓の届く範囲でやるんだ。そしたら、パパたちが弓を打ち込んでくれている間に逃げれるだろ」
「そうかもしれないけど」
「モノノフおじちゃんのためなんだ」
「もーう、わかったわよ。やるわよやってやるんだから」
逞しいったらありゃしない。
でもここまで村人が団結できたのも親父のおかげだ。
親父がダクドラに転生してきてくれなければ、俺はまた死ぬだけだったかもしれない。
俺は親父から王都に届ける武器を持たされる。
「トモカズ、そう心配するな。結局、村が滅ぶ運命ってことは、コイツらかって死ぬ運命やった。それをひっくるめて、ひっくり返そうってんだからな」
「あぁ、ありがとう親父。今回は絶対に生き残るよ」
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