『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 龍神

お揃いでお出かけ

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「見て~」

五人で近くに来るとくるりと回ってポーズをとった。

「おお~」

「可愛いですね~」

ボタンのチグハグがドレープになったデザインで、

女の子はふんわりとフレアスカートでリボンも付いている。

男の子は同じデザインでハーフパンツだ。

「これは目立つね~キッズモデルみたいだ」

ミデンが笑顔で頷いた。

「おでかけだよ~」

「もう、そんな時間か」

アートンも時計を見ると、

「じゃあ続きはイベントが終わってからでいいや」

ミデンも向井を見た。

「ミデンもいく? 」

こんが顔を見上げた。

「おもちゃかうの~」

ハクとクロウも笑顔で言った。

「たまには俺も行くかな」

「ミデンも来てくれるならティンとアンと並んで、

売り上げ倍増になるから大歓迎よ」

シェデムが歩いてくると笑顔になった。

「いこ~」

呉葉と三鬼に手を引っ張られ、

ミデンは笑ってチビに連れて行かれた。

「王子が一緒なら俺も少し楽が出来ます」

向井がホッと息をつくと、アートンとシェデムが笑った。


イベント会場は西の捨て地の中でも、

中心地から少し奥に入った地区にあった。

この場所では大型イベントの開催が初めてとのことで、

ディッセ達が関係者と話し合いながらここまで繫げてきた。

街並みは古都を思い起こさせる美しい風景が広がっている。

黒谷が置いた駐車場からもほど近く、

先程のカフェを越えた先に位置していた。

「こんな場所に随分と立派な会場があったんだね。

確かに使わないともったいないよね」

アートンが和風な作りの建物に驚いて見ていた。

「武道場のような趣があって街にも溶け込んでていいわね」

トリアも外観を見ながら話した。

「大災害の後に補修はされたそうなんですけど、

地方なので国からも見放されてて、

地元でも持て余していた建物だったって聞きました」

「確かに維持するのも大変だもんね」

キャトルも頷いた。

「まぁそれでも何とか修繕しながら、

小さなマルシェなどをして集客してたそうです。

ただ、二年前の災害で新政権から更に、

捨て地の扱いが酷くなったでしょう」

「あ~そうよね。

本格的に姥捨て山を認めた政策になったのも、

田口からだものね」

「結界が出来て地域住民も落ち着いてきたので、

この辺りで大きなイベントをとなったんです。

うちはマルシェではかなり有名なので、

黒谷君に話が来て、

そこからディッセさんとシェデムさんが窓口に」

向井がトリアを見た。

「これが上手くいけば、

定期的に開催するってディッセも話してたからね」

アートンが言った。

「政府の天下り先が次々と増えて、

それを利用して税収を巻き上げる政策が作られているので、

捨て地の暮らしは一向に良くならないでしょう。

黒地民は一部の国民を除いて、

捨て地から巻き上げたお金でかなり優遇されてるので、

捨て地弾圧に賛成してます。

そこに目を付けたのが」

向井はそこまで言ってトリア達を見た。

「槇村か~」

彼らは同時にその名前を言い、ため息をついた。

「今、水沢さんを窓口に、

幸の党が交渉のテーブルにつくそうですけど、

その話し合いいかんでは、

神様が人間に引導を渡すかもしれませんね」

向井の話にトリア達の顔色が変わった。

「だってそうでしょう?

捨て地の為にバリアまで張って人間を守ってきたんですよ。

何度も裏切られて神殺しもされて、

それなのに簡単な取引で反故にされたら…ねぇ? 」

向井が皆の顔を見た。

「………確かにそうだけど………」

トリアがそう言って向井の背後を見た。

「なんですか? 」

「いや…悪魔の尻尾があるんじゃないかと思って」

その言葉にキャトルが笑い、アートンもつられてふき出した。

向井は苦笑すると、

「もし俺が悪魔なら、

死人が更に身を削ってまで悪霊退治なんてしないでしょう? 

こう見えても日本を取り戻すために尽力してるんですよ」

「そりゃそうよね。

私達だっている意味がなくなっちゃう」

トリアもため息をついて笑った。

向井達が入ってこないので、

建物から牧野と安達が走って来た。

「なかなか来ないから、

迷子になってんじゃないかって思っただろう」

「あんたらじゃあるまいし」

「チビと一緒にすんなよ。

俺達だって迷子になんてなんねえよ」

トリアの言葉に牧野がふくれっ面になった。

「少しこの辺りの様子を見ながら来たんですよ」

向井がそう言うと、

「チビがおもちゃって騒いでるよ」

安達が言った。

「それは大変だ」

トリア達が笑った。

「あと俺もね~鉄道模型見たいんだ」

「こいつ一人じゃ回れないんだよ」

ムッとして安達が牧野を睨む。

「だったら、あんたが一緒に回ってあげればいいでしょ」

「ダメダメ~向井がいないと~」

トリアの顔の前で牧野が指を振った。

「まるで追いはぎね」

あきれ顔のトリアに向井達は笑うと、

「今日は冥王も欲しいものがあるそうで、

軍資金を頂いたので、

高額じゃなければ皆さんも欲しいものが手に入りますよ」

「!! 」

向井の言葉に全員が振り返った。

「それを早く言ってよ~」

トリアは笑顔になると楽しそうに歩き出した。

そんな彼らの後姿を見ながら向井も笑った。
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