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番外編 冥界
崩れた結界
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西支部に着くと岸本とサンク、
結界術師のエナが待っていた。
「結界が崩れたってどういうことだよ」
牧野が岸本に近づくと言った。
「言葉通りだよ」
岸本はそういうと後から来た向井に、
「この前、龍神の結界を張ってもらったところに、
どういう訳か虫食いのような穴が開いて、
悪霊が入り込んだんです」
と説明した。
「で、その悪霊が膨れて、
黒地を覆っただけなら抑え込めたんですけど、
その勢いが増して捨て地を襲い始めて、
そこに山口大臣が防衛隊員を使って、
捨て地のあぶり出しをしたので、
負傷者が出て大騒ぎだったんですよ」
サンクも唇を噛んで、
疲れた様子で両手を腰に置いた。
「すぐに私が結界を張ったので、
防衛隊は弾き出せましたけど、
膨れた悪霊までは無理でした」
エナが困り果てた顔で向井を見上げた。
「とりあえず上から状況を見せてもらえますか? 」
「はい」
向井の言葉に岸本達は通信ルームに向かった。
悪霊問題が大きいのだろう。
西支部は死神の数が少ないこともあり、
バタバタと動き回っていた。
向井達は部屋に入ると、
岸本が空間ディスプレイを浮かび上がらせた。
その下界の映像に、
向井達の表情がこわばった。
「これは酷い………」
「どうしてこんなことになったんだろう」
向井と坂下が顔を顰めた。
「こっちも原因が分からなくて、
二、三日前から悪霊が増え始めて、
調査を始めたらあっという間に侵食されたんです」
サランダもやってくると説明した。
「すぐにエナが森と捨て地に結界を張ったから、
一時しのぎなんだけど、
悪霊を中心地に足止めできてるんだけどね」
「大臣も最初は捨て地を攻め入る気で、
意気揚々と指揮を取ってたんだけど、
殺気を帯びた異常な空気は感じたみたいで、
あとを防衛隊に任せて、
自分はとっとと避難して中央に戻って行った」
サンクと岸本があきれ果てた様子で、
画面を見ながら説明した。
「まずは森の方を俺が二重で結界を張って、
元に戻します」
「戻せる? 」
岸本が心配そうに向井を見た。
「この画像を見た限り、
以前の異空間のような穴とは違うので、
これに加担したものは、
なんとなくわかりました」
向井は苦笑すると皆の顔を見た。
「荷担て………いやがらせって事? 」
向井は頷くと、
「トリアさんも分かると思うんですけど」
と振り向いて言った。
「あっ………はぁ~そういうことか」
「なに? 分かんねえ。どういう事? 」
牧野が向井とトリアの顔を交互に見た。
「まぁ、暇なんでしょうね」
向井はため息ついて少し考えると、
「森の方は俺とエナさんとヴァン君、ティン君で大丈夫かな」
と言い彼らを見た。
「中心地は悪霊の殺意が強いから、
中央の三銃士を中心に、
サンクさんとトリアさん、オクトさんで片づけてもらい、
岸本君とチェントさん、エハさんで、
中心地から飛んでくる悪霊の除去をお願いできますか? 」
「いいけど………」
岸本がそういいながら三銃士と呼ばれた三人を見る。
「俺も森を片付けたら、
すぐに合流しますから」
向井の言葉に岸本が不思議そうに言った。
結界術師のエナが待っていた。
「結界が崩れたってどういうことだよ」
牧野が岸本に近づくと言った。
「言葉通りだよ」
岸本はそういうと後から来た向井に、
「この前、龍神の結界を張ってもらったところに、
どういう訳か虫食いのような穴が開いて、
悪霊が入り込んだんです」
と説明した。
「で、その悪霊が膨れて、
黒地を覆っただけなら抑え込めたんですけど、
その勢いが増して捨て地を襲い始めて、
そこに山口大臣が防衛隊員を使って、
捨て地のあぶり出しをしたので、
負傷者が出て大騒ぎだったんですよ」
サンクも唇を噛んで、
疲れた様子で両手を腰に置いた。
「すぐに私が結界を張ったので、
防衛隊は弾き出せましたけど、
膨れた悪霊までは無理でした」
エナが困り果てた顔で向井を見上げた。
「とりあえず上から状況を見せてもらえますか? 」
「はい」
向井の言葉に岸本達は通信ルームに向かった。
悪霊問題が大きいのだろう。
西支部は死神の数が少ないこともあり、
バタバタと動き回っていた。
向井達は部屋に入ると、
岸本が空間ディスプレイを浮かび上がらせた。
その下界の映像に、
向井達の表情がこわばった。
「これは酷い………」
「どうしてこんなことになったんだろう」
向井と坂下が顔を顰めた。
「こっちも原因が分からなくて、
二、三日前から悪霊が増え始めて、
調査を始めたらあっという間に侵食されたんです」
サランダもやってくると説明した。
「すぐにエナが森と捨て地に結界を張ったから、
一時しのぎなんだけど、
悪霊を中心地に足止めできてるんだけどね」
「大臣も最初は捨て地を攻め入る気で、
意気揚々と指揮を取ってたんだけど、
殺気を帯びた異常な空気は感じたみたいで、
あとを防衛隊に任せて、
自分はとっとと避難して中央に戻って行った」
サンクと岸本があきれ果てた様子で、
画面を見ながら説明した。
「まずは森の方を俺が二重で結界を張って、
元に戻します」
「戻せる? 」
岸本が心配そうに向井を見た。
「この画像を見た限り、
以前の異空間のような穴とは違うので、
これに加担したものは、
なんとなくわかりました」
向井は苦笑すると皆の顔を見た。
「荷担て………いやがらせって事? 」
向井は頷くと、
「トリアさんも分かると思うんですけど」
と振り向いて言った。
「あっ………はぁ~そういうことか」
「なに? 分かんねえ。どういう事? 」
牧野が向井とトリアの顔を交互に見た。
「まぁ、暇なんでしょうね」
向井はため息ついて少し考えると、
「森の方は俺とエナさんとヴァン君、ティン君で大丈夫かな」
と言い彼らを見た。
「中心地は悪霊の殺意が強いから、
中央の三銃士を中心に、
サンクさんとトリアさん、オクトさんで片づけてもらい、
岸本君とチェントさん、エハさんで、
中心地から飛んでくる悪霊の除去をお願いできますか? 」
「いいけど………」
岸本がそういいながら三銃士と呼ばれた三人を見る。
「俺も森を片付けたら、
すぐに合流しますから」
向井の言葉に岸本が不思議そうに言った。
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