『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 消えゆく国

天国と地獄

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向井達が捨て地の状況を確認している時、

黒地の特別区上区は無秩序な光景が広がっていた。

通信は使えない、警察も軍も動けない。

犯罪は横行する。

暴行、殺人も増え、地獄の様相となっていた。

それでもこの国の国民性なのか、

通常に生活をしている者もおり、

社会も動いていた。

ただ、犯罪が行われていても警察が動かない為、

誰もが身を守る為に武器を所持している状況だ。

スタンガン、ナイフ、ハンマー

手に持って歩く姿は異様だ。

更にスマートゴーグルも体の一部の為、

それに関する事件も大きくなっていた。

議員たちも特別区から出られず、

弾かれて区域に入ってきたものは、

差別法も関係なく逮捕されていた。

人権擁護で騒いでいた中区の団体ですら、

下区から飛んできた外国人を排除をする始末だ。


そんな下界の喧騒の中、

向井は天上界で神様の話し相手をしていた。

最近は安達が立ち寄ることも増え、

カードゲームに夢中のようだ。

のんびりと神の雑談を聞きながら、

今回は一緒にボードゲームをして時間を過ごしていた。

冥王は向井にご機嫌をとらせ、

神の加護を頂戴しに訪れたというわけだ。

黒地も土地が違えば負の質も違う。

それらが混ざり合わないように、

黒地にもそれぞれ土に文字を刻み、

それを境に区分けされた。

悪霊の質さえわかれば、除去もしやすくなると考えたからだ。


下界では牧野達が黒地に立って、

空の違いを見ていた。

「へえ~同じ真っ黒の空なのに、

中央の東西南北でも違うんだ」

広く四方向に分かれ悪霊の違いが空に現れていた。

「で、どこが一番楽? 」

牧野がティンを見た。

「ここから二手に分かれて行くから、

牧野君と弥生ちゃんは楽な土地には行かせないよ」

「なんでだよ~今日くらい少し休ませてよ」

「何言ってるんですか。大変なのはみんな一緒ですからね。

勇者が先頭を切らなくてどうするんですか」

佐久間が拗ねる牧野の頭を叩いた。

「ここんとこ毎日除去してるから、

毒素が抜けなくてきついんだよ」

「だったらガードして受けないようにすればいいだろ」

新田が言った。

「牧野君は除去の腕前が高くても、

ガードができなきゃまたビリッケツに逆戻りだよ」

エナトが笑った。

「向井は? 」

「今日は天上界に冥王と行ってるんだよ。

安達君のお薬もあるしね。

坂下さんとヴァンとエハ、オクトも西と北に分かれて、

ヘルプに行ってるから人数が足りないの」

ティンが言い、牧野の背中を押した。

「大丈夫よ。今回は私と新田君でガードするから、

牧野君は思いっきり能力発揮させて。

限界値まで出しても大丈夫よ」

弥生はそういうと、牧野の手を引き新田とティンと歩いて行った。

「全く、うちの坊ちゃんはダメだね~」

エナトは笑うと佐久間と田所、早紀と歩き出した。


天上界では冥王の話し合いが終わり、

「まぁ、父上に会わずに帰るわけにもいくまい」

「また、お伺いします」

向井も神様にいとまを告げて、

毘沙門天の屋敷に向かった。

邸では診察を終えた安達が楽しそうにお昼を食べていた。

「先に頂いているよ」

毘沙門天が言うと宝が蕎麦懐石を運んできた。

「ほお~彩りも盛り付けも美しいですね。

宝のセンスは素晴らしい」

冥王の言葉に宝が頭を下げた。

「凄く美味しいの。俺、こういうの初めて~」

安達の嬉しそうな顔に、

「よかったですね。これはそばがきですか? 」

向井が椅子に座り、頂きますと両手を合わせた。

「はい。ゴマダレと合わせてあります。

あとでそばがき汁粉もお出しします」

炎帝も安達と話しながら食べる姿に、

体の方は問題ないようだ。

冥王も安心したのか笑顔になると食べ始めた。

「そうそう。来月のイベントには私も行きますから」

毘沙門天が天ぷらを食べながら向井を見た。

「ちびちゃん達に動物園に行くと言われて、

私も安達君に話を聞いて行きたくなりました」

「そうですね。今度は猿やアルパカ、イルカなども見れるそうで、

喜んでましたからね」

向井が笑顔で話すと、

「それで安達君は車で行くって言うので、

私も乗ってみたいです」

と毘沙門天が向井を見た。

「別に構いませんけど、えっと六人か………

狭くても我慢してくださいよ」

「大丈夫ですよ。

最近は下界の小さな狭いトイレにも慣れたんですよ。

チビちゃんのおトイレのお手伝いも上手いもんです」

毘沙門天は笑うと胸を張った。

「ならいいですけど、神様が随分と俗世に毒されてますね」

向井が苦笑するのを冥王も見ながら微笑んでいた。
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