『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編 黒地と捨て地

イベントの帰り道に

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向井達が除去を終えて戻ってくると、

牧野達がソフトクリームを食べていた。

「この寒いのにアイス食べてんの? 」

新田が笑った。

「だって温泉入ったらポカポカしちゃって。

向井達も入ってきなよ。

ここは美肌の湯だって~」

「では男前を更にアップさせてこよう」

向井は冗談交じりに話すと、

ビックリする牧野達を置いて、

新田と笑いながら温泉に向かった。


車に戻ると、

牧野と安達は後ろのベッドで並んで寝ていた。

床をフラットにしているので、

気持ちがいいのだろう。

「いいね~寝てるんだ。そういえば牧野君は、

ご飯はよかったの? 」

新田が買ってきたホット柚子を皆に渡しながら言った。

「ゆずのいい香り~」

黒谷がカップから香るゆずに笑顔になった。

「牧野君は次の休憩所で食べたいものがあるんだよ。

だから今、おやつにてりやきバーガーだけ食べた」

二人が乗ってきたので、

ディッセがフラットになったベッドの端に座り説明した。

「何? 食べたいのって」

新田が聞くと、

「これ。芋煮だって」

とディッセがタブレットを開いた。

「芋煮って里芋の? 牧野君は食べたことないんだ」

新田が笑った。

「さっきの場所で運搬できていたドライバーが、

牧野君達が休憩所マップ見てたんで、

教えてくれたんだよ。

あとはらこ飯も美味いから食べてみなって」

ディッセの話に、

「そうか。車で移動するとご当地飯が食べれるか………

やっぱりさっきのアイデアいいよ」

と新田が向井を振り返った。

「なんですか? アイデアって」

毘沙門天がゆず茶を飲みながら二人を見た。

「イベントにこうやって車移動するでしょ。

途中で黒地や捨て地の状況も細かく見れるから、

出掛けるたびにこうやって除去すれば、

少しはよくなるのではと話していたんです」

「あ~確かに。北と西は人数が少ないから、

定期的にイベントで回れば倉田さんや岸本君も、

中心地に集中できるか」

向井の話にディッセも頷いた。

「だったら、維持費と税金を黒谷君が払えるなら、

キャンピングカー代は冥界うちで持つよ。

そのかわりイベントの時には使わせてもらうけど」

「えっ? いいの? これより大きいと高いよ。

俺としては車売って残りはローンでと思ってたから、

売った分を貯金に回せるし助かるけどさ。

これだって中古で買って、かなりの金額だったからね」

黒谷が驚いてディッセを見た。

「大丈夫。うちも今は少しだけ小金持ちなの」

ディッセが言うのを向井が苦笑いした。

「それにちょっとディーラーに伝手があるんだ」

そういうとディッセは笑った。


次の休憩所までは黒谷の運転で、

ディッセは助手席で気持ちよさげに景色を見ていた。

「こうやって見てると同じ黒地でも、

かなり質が違うんだな。

黒谷君から見て黒地の空ってどう見えてる? 」

「ん? そうだな。

確かに地域差はあるよ。

それは捨て地でも同じ」

「捨て地も? 」

ディッセがシートから体を起こした。

「あっ、そうじゃなくて捨て地も少し………

何ていうのかな晴れてるんだけど、

靄がかかった晴れの時があるんだ。

まぁ俺にしか見えてないと思うんだけど。

そうするとね。

幽霊退治の仕事の依頼が来るから、

セイ君に連絡入れてるの」

「あ………向井さんも同じような事言ってたな。

ちょっと負が強いかなと感じると、

捨て地スパイが黒地に飛ばされるって」

「ははは。捨て地のスパイってそうやって消えてくんだ。

だから住みやすいんだね。安心した」

黒谷は笑うと、

「黒地はさ。真っ黒な層が二重三重と重なっていくんだよ。

中央の特別区は捨て地から見ても、

今は五重の塔みたいになってるよ。

俺なんか近づきたくもない」

と言った。

「そうか………じゃあこの辺は同じ黒地でも綺麗な方か」

ディッセは黒地の景色にため息をついた。

「だね。綺麗だよ」

黒谷も笑った。
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