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続編2 狙われる白狐
変わらぬ国の闇
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「俺は芸能界で金持ちを沢山見てきたからね。
スポンサーの多くは階級者だし、
跡継ぎ連れて顔つなぎするように来る人もいるんだよ。
ランチをどうですか? って誘われるだろう。
するとさ、
『ここのランチはたったの五万円で食べられるんですよ。
安いですよね』って悪気がないんだよ。
だけど俺にとっての五万円は五十万、いやもっと高額かもしれない。
直ぐにパッと出せる金額じゃないの」
新田が笑った。
「ええ~人気俳優なのに? 」
エネアが目を見開いた。
「ははは。最初はそんなにお金が稼げてなかったからね。
家だって裕福じゃなかったし」
「そうか~」
エネアが不思議そうな顔をするのを見て、
「お金持ちにもいろんな人がいるんです。
弥生ちゃんや安達君を見ても分かるでしょ」
向井が笑顔で話すのを聞いて、
「あぁ~」
エネア達死神は納得したように頷いた。
「冥王が選んで特例を決めてる理由は、
そこにあるんですね」
サランダが微笑んだ。
「今は国会を見ても分かるけど、
答弁中も端末を離さないでしょう。
AIに使われていることにすら気づいてない。
中毒なのよ。
人の答弁の時には先生達はスマゴをかけてるし、
その様子が映し出されても国民はおかしいとも思わない。
当然よね。黒地は殆どがそんな人間なんだから」
「俺は捨て地にいるとホッとするもん。
黒地の除去は出来れば行きたくない」
エネアが笑った。
「そうだよな。エネアはいつも除去の時は逃げてるから」
「牧野君の事を言えないわね」
岸本とサランダも笑った。
「怨霊塚は今のところ問題はないですか? 」
向井の声に、
「大丈夫だよ。山口が来て大騒ぎになったけど、
今は田口が白狐の祠に集中し出したから、
議員達もそっちに流れてる。ただ………」
岸本はそこまで言ってサランダを見た。
向井達が黙っていると、
「室生が違う方向で動き出したんです」
サランダが言った。
「山口は特定国とつながりがありますけど、
室生は違うんです。
この国のある企業とのつながりが深くて、
ロビー活動から袖の下もたんまり貰ってますからね」
「じゃあ、西の黒地はかなり動きがあるって事? 」
「どうだろう。もう心棒が折れかかってるからね。
色んな鼠に齧られて、辛うじて立ってるのが西の都」
「そんなの黒地はどこもおんなじだろう? 」
新田と岸本の話にエネアが二人を見た。
「そうなんですけどね。
それでも、三等分に土地分けされた今の日本では、
金銭の分配や裏金も土地によってどこの国と繋がっているのか、
どこの省庁、企業に金を握られているのかで、
議員の動きは変わってくるんです」
「そうなの? 」
エネアが驚いた顔で向井を振り返った。
「向井さんは捨て地の議員を守る為に、
陰でSPもやってるからね」
「うわ~すごっ」
新田の説明にエネアが口を開けた。
こういう所は牧野によく似ている。
向井達は笑い声をあげた。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって言葉もあるでしょう。
日本を憎しと潰したいと思う国は多いんです。
本来ならそれを阻止するのが政府の仕事なんですが、
袖の下が絡むと自分の国を売っても気にならないんでしょう。
愛国心がないんです。
まぁ俺もそこまで愛国心がないので、
何も言えないんですけどね」
向井がハハハと笑った。
「えっ? 」
サランダ達が驚くのを見て、
「冗談ですよ。愛国心はありますよ。
日本が消えるのは嫌ですからね。
だからこうやって努力してるんです」
「そうよね。私だって面倒だけど、
日本がなくなるのは嫌だから、
他国に国を売っている人間を、
端から成敗してやりたいって思うもん」
早紀もいい、
「そうだよね。
俺に力があるならこの国から追い出して、
どこかに飛ばしてやりたいよ」
新田も文句を言うと皆で笑った。
スポンサーの多くは階級者だし、
跡継ぎ連れて顔つなぎするように来る人もいるんだよ。
ランチをどうですか? って誘われるだろう。
するとさ、
『ここのランチはたったの五万円で食べられるんですよ。
安いですよね』って悪気がないんだよ。
だけど俺にとっての五万円は五十万、いやもっと高額かもしれない。
直ぐにパッと出せる金額じゃないの」
新田が笑った。
「ええ~人気俳優なのに? 」
エネアが目を見開いた。
「ははは。最初はそんなにお金が稼げてなかったからね。
家だって裕福じゃなかったし」
「そうか~」
エネアが不思議そうな顔をするのを見て、
「お金持ちにもいろんな人がいるんです。
弥生ちゃんや安達君を見ても分かるでしょ」
向井が笑顔で話すのを聞いて、
「あぁ~」
エネア達死神は納得したように頷いた。
「冥王が選んで特例を決めてる理由は、
そこにあるんですね」
サランダが微笑んだ。
「今は国会を見ても分かるけど、
答弁中も端末を離さないでしょう。
AIに使われていることにすら気づいてない。
中毒なのよ。
人の答弁の時には先生達はスマゴをかけてるし、
その様子が映し出されても国民はおかしいとも思わない。
当然よね。黒地は殆どがそんな人間なんだから」
「俺は捨て地にいるとホッとするもん。
黒地の除去は出来れば行きたくない」
エネアが笑った。
「そうだよな。エネアはいつも除去の時は逃げてるから」
「牧野君の事を言えないわね」
岸本とサランダも笑った。
「怨霊塚は今のところ問題はないですか? 」
向井の声に、
「大丈夫だよ。山口が来て大騒ぎになったけど、
今は田口が白狐の祠に集中し出したから、
議員達もそっちに流れてる。ただ………」
岸本はそこまで言ってサランダを見た。
向井達が黙っていると、
「室生が違う方向で動き出したんです」
サランダが言った。
「山口は特定国とつながりがありますけど、
室生は違うんです。
この国のある企業とのつながりが深くて、
ロビー活動から袖の下もたんまり貰ってますからね」
「じゃあ、西の黒地はかなり動きがあるって事? 」
「どうだろう。もう心棒が折れかかってるからね。
色んな鼠に齧られて、辛うじて立ってるのが西の都」
「そんなの黒地はどこもおんなじだろう? 」
新田と岸本の話にエネアが二人を見た。
「そうなんですけどね。
それでも、三等分に土地分けされた今の日本では、
金銭の分配や裏金も土地によってどこの国と繋がっているのか、
どこの省庁、企業に金を握られているのかで、
議員の動きは変わってくるんです」
「そうなの? 」
エネアが驚いた顔で向井を振り返った。
「向井さんは捨て地の議員を守る為に、
陰でSPもやってるからね」
「うわ~すごっ」
新田の説明にエネアが口を開けた。
こういう所は牧野によく似ている。
向井達は笑い声をあげた。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって言葉もあるでしょう。
日本を憎しと潰したいと思う国は多いんです。
本来ならそれを阻止するのが政府の仕事なんですが、
袖の下が絡むと自分の国を売っても気にならないんでしょう。
愛国心がないんです。
まぁ俺もそこまで愛国心がないので、
何も言えないんですけどね」
向井がハハハと笑った。
「えっ? 」
サランダ達が驚くのを見て、
「冗談ですよ。愛国心はありますよ。
日本が消えるのは嫌ですからね。
だからこうやって努力してるんです」
「そうよね。私だって面倒だけど、
日本がなくなるのは嫌だから、
他国に国を売っている人間を、
端から成敗してやりたいって思うもん」
早紀もいい、
「そうだよね。
俺に力があるならこの国から追い出して、
どこかに飛ばしてやりたいよ」
新田も文句を言うと皆で笑った。
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