『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編2 狙われる白狐

黒谷と合流

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向井と新田は暫く西で休むと、

チビの寝顔を見てから休憩所に下りた。

既に温泉に入りお土産を買い、

食堂で何やら食べている牧野達の姿を見かけると近づいた。

二人に気づいたトリアが声をかけた。

「ご苦労様~こんの様子はどうだった? 」

「問題なかったです。お風呂に入ってもうぐっすりでした」

「そうよね。はしゃいでたから疲れてるわよね」

弥生も言った。

「向井さん達も食べるなら頼んで来たら? 

これ旨いよ」

ディッセが言いながら皿を指さした。

「ハンバーガーですか? 」

「そう。野菜たっぷりなんだよ。

そこにハムとソーセージとチーズとタマゴ。

照り焼き、デミグラス、マヨネーズの3種のソースから選べんの。

凄ぇ~旨い」

牧野が頬張りながら話した。

「牧野君は既に三個目なんだよ」

黒谷とキャトルが笑った。

「よく食べるね」

新田も笑うと、

「でも食欲そそる匂いだな~

食べようよ」

と向井を見て、二人はカウンターに注文に行った。

テーブルに戻ると、

「この辺もリトルカントリーになってたから、

手前だけ除去して奥は見ただけで終わりにしたよ」

ディッセが向井に話した。

「ということは自国民が住む土地は、

通常の悪霊という事ですか? 」

「そう。あれくらいの悪霊はいつもの事だから、

簡単に祓ってあとは

膨れたら除去すれば大丈夫じゃないかな。

それよりリトルカントリーだよ。

なんかねちっこい悪霊が覆ってて、

霊もまとわりつく感じだったから、

牧野君も辟易してたよね」

ディッセが牧野を見ながら笑った。

「そうなんだよ。なんか生暖かくて気持ち悪いの。

除去したのに感触がないから、

空見て消えてるのを何度も確認しちゃったよ」

牧野が残りのバーガーを食べると、

他の客が食べてるちゃんぽんを見て、

「俺も食べよう~」

と注文しに行った。

「あっ、俺も食べるから注文しといて」

いい匂いにディッセも牧野に声をかけた。

「OK~」

「あんた達はよく食べるわよね」

あきれ顔でトリアが言うと、

「全然足りないんだよね~」

と席を立ってカウンターに歩いて行った。

「あの体格だからね。

お店に手伝いに来てもよく食べてるから」

黒谷が笑った。

「手伝いに行ってるのか、

空腹を満たしに行ってるのか分かんないわね」

トリアの言葉に向井達は笑った。

横を見ると安達がウトウトし始めたので、

「もう寝た方がいいですね」

向井が声をかけた。

「だったら私も仮眠取るから、

向井さん達は食べててもいいですよ」

「そうよね。ここまで弥生ちゃんの運転できたから。

私も一緒にちょっと休もう」

トリアも安達と一緒に席を立つと向井を見た。

「じゃあ、お願いします」

「今日は疲れたよね。

沢山食べてさ、

イベントも頑張っちゃったから、

私も疲れたぁ~」

弥生も大きく伸びをすると安達に話しかけながら車に戻っていった。

そんな後姿を見ながら、

「安達君は大きくなったよね。

弥生ちゃんは160くらいでしょ。

それを越えてるもん」

黒谷が言った。

「初めて会った時は、

こんな小っちゃくて小学生かと思ったからね」

新田が手を上下させて話した。

「そんなに小さく………いや、小さかったか。

まぁ~今も小さくて可愛いけどね」

キャトルも言いながら笑っていると、

牧野達がトレイを持って戻ってきた。

「なに? 安達はもう寝たの? 」

牧野がテーブルを見て言った。

「今にも寝ちゃいそうだったので、

弥生ちゃんとトリアさんと一足先に休みにいきました」

向井は説明するとバーガーを食べた。

「次の休憩所は、

手打ちそばのそば打ち体験ができるんだって。

予約取れたら俺やりたいんだよね~」

牧野は麺を食べながら話した。

「安達君も興味があるみたいだから、

やってみようかって話してたんだよ」

ディッセが『へえ~』と頷いている向井と新田を見た。

向井は黒谷が見せてくれた画像を新田と覗き込んだ。

「打ったそばを試食できるんだ」

「次の場所はこの祠のチェックだから、

俺と向井さんと………キャトルでいいか」

ディッセは画像を浮かべて言うと、

「新田君はそば打ちやってみたら? 」

と興味ありそうに見る新田に話した。

「そうだね」

「俺もやるつもりだし」

黒谷も珈琲を飲みながら新田に笑いかけた。

「じゃあやろう」

「でさ~この休憩所には………」

牧野が楽しそうにタブレットを動かす姿を、

向井は静かに微笑んで眺めていた。
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