『アンダーワールド・続編』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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続編2 狙われる白狐

黒谷の女神

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向井達が車に戻ると、

三人が一緒にベッドで寝ていた。

その姿を見て皆の顔が笑顔になる。

「気持ちよさそうだね」

キャトルは笑いながらソファーに座った。

「次の場所まで俺が運転するから」

黒谷はそう言うと運転席に移った。

「では、助手席には俺が座りますから、

ディッセさん達は休んでていいですよ。

牧野君も寝るならちょっと狭いけど、

奥で一緒に寝たら? 」

向井が言った。

牧野なら四人で寝ても広さに問題はないだろう。

「ええ~弥生ちゃんと寝るの? ダメダメ」

黒谷が運転席から声をあげた。

「………」

そんな黒谷の膨れっ面に牧野はニヤリと笑うと、

「弥生と一緒に寝る~」

とベッドに飛び乗った。

沈むベッドに、

「………ん? 牧野君? うるさいな………

寝るなら静かにしてよ」

弥生はそう言って場所を空けると、

安達とトリアの方に体を寄せた。

トリアも一瞬目を覚ましたが、

牧野の姿を確認しただけで、

すぐに目を閉じて寝てしまった。

「疲れてるんだな」

ディッセも笑うと買ってきた珈琲を飲んだ。

「………」

黒谷に恨めしそうな顔で睨まれ、

「相手は牧野君ですよ。問題ないでしょ」

向井が笑った。

それでもむくれている顔に、

「俺達は死人なので性欲はないんですよ」

と言った。

「えっ? 本当? 」

驚く黒谷に、

「全くないってことはありませんけど、

遺伝子を残すという本能が働かないので、

男女という区別があるだけで、

魂なので性別はすでにないに等しいんです」

向井が説明した。

「じゃあ、ディッセさん達は? 」

黒谷が振り返って聞く。

「俺達? 死神も同じだよ。

そもそも冥王に作られた人形のようなもんだからね。

感情はあるけど人間じゃないし、

区別として性別があるだけ」

「ふぅ~ん」

黒谷が不思議そうに頷いた。

「それより俺は黒谷君の方が心配です。

いい加減、人間の女性に恋をしたらどうですか」

向井の話にディッセとキャトルも笑った。

「えっ? 今更? もういいよ。

俺だって婚約者にふられた後、

付き合った人はいたんだよ」

「えっ? いたの? 」

ディッセが驚いた顔をした。

「あのね~俺だって健全な男だよ。

だけどさ。この世の中、

不安定な生活をしてる男と結婚まで考える人はいないんだよ。

大災害から人命より己の金が一番の時代になったからね。

今はやっと人並みの暮らしが送れるようになったけど、

その前は酷かったからさ。

向井さん達と会わなかったら、

俺は死んでたかもしれないよ。

そう考えたら今が一番幸せなのさ」

「まぁ、そうか。黒谷君の大好きな弥生ちゃんは、

誰の彼女にもならないからね。

それだけでも安心して恋できるか」

キャトルの言葉に向井達も声をあげて笑った。

「いいじゃん。俺は弥生ちゃん一筋なの」

「黒谷君がそれでいいならいいですけど」

向井は苦笑すると、

ベッドで寝ている四人を見た。

「牧野君はベッドに入ると、

ものの数秒で寝られちゃうんだね」

ディッセが気持ちよさそうな牧野の姿に笑った。

「寝られるのって若い証拠だよ。

俺なんか眠りは浅いし、早起きだし、

既に体内が老人時計なんだよね」

「今からそれじゃ四十代五十代とどうなるんだ? 」

キャトルが言った。

「捨て地の平均寿命が五十代だから、

死ぬんじゃないの? 

だけど俺、怖くないんだよね。

死ぬときは安達君が迎えに来てくれるって、

言ってくれたし。

俺の寿命も見えてるって聞いたから」

「えっ? 」

ディッセとキャトルが目を見開いた。

向井は苦笑すると、

「以前、安達君が気落ちしている黒谷君を見て、

そう言ったんですよ。

黒谷君に長生きしてもらいたいんでしょう」

と言って運転席を見た。

「寿命が来るまでは一生懸命生きるよ。

弥生ちゃんという女神もいるしさ」

「もう弥生推しだね」

キャトルは笑うと、

「なんとでも言って。

さぁ、出発するよ」

黒谷も笑顔で言うとエンジンをかけた。
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