『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十三部

休憩室がないと不便

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「ホントだ」

「もったいない」

「欄間彫刻の匠にこんなことさせたの? 」

トリアもあきれ顔で冥王を見た。

「だってカッコイイじゃないですか」

冥王が食べながら平然とした顔で言った。

「そうだ。休憩室は、

明日の夜には出来上がるそうですよ」

「えっ? ホント? 」

牧野が身を乗り出して冥王を見た。

「私の提案したものが出来上がれば終わりですから」

「どうせ大したことないんだろ? 」

牧野が鼻で笑う。

「ふふん。この私をオヤジとみて馬鹿にしてると、

痛い目に合いますよ」

冥王の自慢げな顔に、

「本当にすごいよ。牧野もビックリするから。

俺も一番に………」

そこまで言ってハッとした顔になると、

両手で口を押えた。

「なんだよ。教えろよ」

「ダメ~」

面白くなさそうな牧野を見ながら、

安達と冥王が笑った。

「あっ、そうだ。だったら今日お泊り会しようよ。

もうリノベ終わってんだよね」

牧野が坂下を見た。

「今はお店の方の飾り付けをしてますけど、

お家の方は終わってるよ」

「だったら今日はお泊りしよ~

俺、出来上がってからまだ見てないんだもん」

「わらわもおとまりしたいぞ」

「こんもおとまりセットあるんだよ」

牧野の話を聞いていたチビ達が、

おやきを食べ終え飛びついてきた。

「げっ、手も顔もべたべたじゃん」

牧野がウェットティッシュで、

チビ達を拭く。

「お泊りセットってなに? 」

ティンも逃げる三鬼を捕まえて、

拭きながら聞いた。

「この前ね、食器を買いに早紀ちゃんとアンと、

チビ達連れてショッピングモールに行ったのよ。

そこでキャラクターグッズのお店に寄って、

パジャマとか一式入ったバッグを買ったの」

「食器って? 」

トリアが聞く。

「食堂にアンティーク風なデザート皿が欲しいって、

冥王が優香ちゃんに言ったんですって」

弥生が説明した。

「それであの請求書が来たんだ。

なんでそんなもの欲しいの」

フェムトンが冥王を睨んだ。

「今使っているお皿は古いじゃないですか。

最近は毘沙達も食堂でお食事するし、

ちょっと素敵なお皿が欲しかったんです」

「そんなのワンコインの皿で十分よ」

「なんですと? 神の私にワンコインの皿を使えと? 」

フェムトンと冥王が言いあっているのを、

馬鹿らしく聞いている大人達の横で、

「あのな~わらわはおひめさまのパジャマなんじゃ。

こんとおそろいじゃ」

「ね~」

と二人が嬉しそうに向井に話していた。

「ブラシとか~リップとか~あるの」

「え~凄いですね。お化粧品もあるの? 」

向井が驚いて弥生達を見ると、

早紀が笑いながら言った。

「生意気でしょ。

有名メーカーのキッズ基礎化粧がついてるのよ。

リップだけじゃなくて、

化粧水やクリームも」

「私達なんか安いオールインワンなのにね」

早紀と弥生が笑った。

「三鬼のはどういうの? 」

向井が聞くと、

「ボクはブラックプリンス。

カッコイイの。ボクもおそろいなの」

三鬼が笑顔で言った。
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