『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十三部

三鬼もお揃い

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「お揃いなの? 誰と? 」

「あーちゃんとマキちゃん」

「へっ? 」

三鬼の言葉に、

向井達より安達と牧野の方が驚いて、

素っ頓狂な声を出した。

「あ~ごめん。ほら、呉葉とこんがお揃いじゃん。

それでね、三鬼もお揃いがいいって言うから、

二人の分も用意したのよ。

今は大人用もあるのよね~」

早紀が申し訳なさそうに笑うと、

みんながふき出した。

「マキちゃんはレッドプリンスで、

あーちゃんはブループリンスなの。

おそろいでカッコイイの」

三鬼の嬉しそうな顔に、

牧野も安達も仕方なさそうに笑った。

「これはいいですね~

お写真を撮らなくては」

冥王が楽しそうに言うのを、

「めいおーもおそろいだよ」

と三鬼がニコニコしながら言った。

「えっ? わ、私もですか? 」

冥王が戸惑いながら弥生達を見た。

「三鬼が冥王も一緒がいいって言うから、

オレンジプリンス」

「オ、オレンジ!? 」

早紀の言葉に冥王が声を上げた。

「三鬼の好きなレンジャーのカラーって、

ナインプリンスで九色あるんですけど、

オレンジしか残ってなくて」

弥生も気の毒そうに笑った。

「よかったじゃん。オヤジも一緒に写真撮影だな」

牧野が意地悪く笑った。

「う~………それよりお泊りも結構ですが、

冥界にも人を残しておいてくださいよ」

冥王が面白くなさそうな顔をした。

「大丈夫だよ。泊るって言ったって、

あの部屋に二十人も泊まれないからさ」

「二十人もいなくなるんですか? 」

アートンの言葉に冥王が目を見開いた。

「どうだろうね~でも、今夜泊るんでしょ。

僕とセイは仕事があるから無理だし」

「私とフンフも行きたいけどダメね」

フェムトンも首を振った。

「あっ、私もダメだ。アンちゃんと真紀子さんも無理。

明日は午前中から赤姫さんと約束してるから」

「赤姫が来るんですか? 」

冥王が弥生を見た。

「最近、赤姫さんにビーズアクセサリーを、

教えてるんです。

アンちゃんと真紀子さんもイベントに出してるし、

千乃も今回は人気の簪を六点だけ、

イベントに出すって話してたら、

赤姫さんも作りたいって」

「ああ~それで時々来てるんですね」

冥王も納得したように頷いた。

「赤姫にはシャカシャカもお願いしてますから、

来たついでに念も込めてもらいましょう」

「大体、究鬼や妖鬼達だっているんだから、

私達が夜にここを空けたって、

何の問題もないでしょう。

分離不安症の動物じゃあるまいし」

トリアがおやきを食べながら冥王を見た。

「違いますよ。みんないなくなったら、

私のお世話をしてくれる人がいなくなっちゃうでしょ」

「はっ? 」

皆が呆気に取られて冥王を見た。

「私は何にもできないんですから。

一日だって困ります」

「俺も都会っ子って馬鹿にされるけどさ。

オヤジはどうやって生活してきたんだよ」

「普通にお仕事してましたよ。

私の身の回りのことは執事がいたし、

ここに来た時はホント、

大変だったんですから」

牧野の問いに冥王はため息まじりに話した。

「これって、俺より酷いじゃん」

牧野が皆の顔を見回し、

大人達はあきれ顔で笑った。
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