あなたはずっと俺のもの

文野多咲

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社長は変態?!4

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 真っ赤なサテン地に花の刺繍たっぷりのブラに、お揃いのヒモショーツ。それはまるでドレスのようで、しばし、うっとりと見つめる。
 なんてゴージャス……! 
 でも。
 誰がこんなの着るんじゃい。

「私、こんな派手なの着ません」
「えっ?」

 社長は驚いたような顔で見てきた。

「あなた、振られたんだよね?」
「えっ? あ、はあ、まあ。それが何か?」
「振られたんだよね?」
「はい、先週、新卒男子に振られましたけど、それが何か?」
「じゃあもっと真剣になろうよ、ここは。だってモテたいんでしょ? 確かそんなこと言ってたよね」
「はい確かに言いましたけど、何か?」
「この下着のほうが絶対にモテる」
「なぜです?」

 下着なんて、外からはわからないじゃないの。

「着てみればわかる」

 何故か自信たっぷりに断言する社長。腑に落ちないながらも気圧されてしまう私。
 そこで店員さんがタイミング良く声をかけてきた。

「お洋服の上から試着なさいますか? あるいは試着専用のアンダーをお貸しできますが」
「じゃあ、お願いします」

 何故か社長が応じて、社長はベージュの上下を棚に置いて、私に赤の上下を持たせて、試着室へと背中を押した。
 仕方なく、試着室の中でゴージャスを身に着けた。

 おお! なるほど!
 ゴージャスに包まれて、太めで頑丈そうな私の体が、輝いて見える。
 驚くほど気分が上がる。気分が上がるだけで、なんか違う。誰にでも勝てそうな気がする。
 なるほど、これが女の武装か。
 試着室から出るなり言った。

「社長、これ、買います!」

 そう言えば、社長は弟子を見守る師匠のような顔でうなずいてきた。

 店員さんに着替えたい旨を伝えると、ナイロンで包まれたものを奥から出してくれた。着替えを伝えた時点で、連れである社長とのお泊りをお察しされたはずだが、プロだけに微塵も態度にはあらわさない。
 会計を済ませて、試着室で着替えを済ます。売り場に出ると、社長が奥の陳列台でああでもない、こうでもないと頭を悩ませていた。その陳列台を見て、どん引く。
 うわあ、セクシーラインだ。スケスケのエチエチなやつだ。
 社長は選び抜いた黒のレースと赤の網のやつを買うことにしたようだった。

「どなたかに差し上げるんですか?」

 贈る相手はさぞかし多いでしょうね。
 何気なく訊いて、その答えに驚愕する。

「俺のだよ。俺が使う」
「?!」
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