38 / 57
恋人?!2
しおりを挟む
冬だというのに、私は馬上で汗だくになっていた。
「はいっ」
私が腹を蹴っても、馬はてこでも動かない。
「どうしてかしら、全然動かないわ」
この白い馬、私と目が合うとニコッと笑った気がしたから、この馬にしたんだけど、てんで外れだったわ。
インストラクターが鞭で叩いてやっと数歩歩くものの、すぐに止まる。
「もう、どうしてなの?」
社長は私をおいてけぼりに黒い馬に飛び乗ると、広い馬場へと出て自由に駆けている。王子さまのようにサマになっている。
しかし、意地悪なことに、ときおり、私のそばまでやってきては、冷やかすように言う。
「さすがの山田さんでも、ベスは動かせないか。ベスはおばあちゃん馬なんだよ」
「この馬、動かないんですか? どうして言ってくれないんです?」
「山田さんなら動かせるかも、と思ってね。おばあちゃんだけど、歩かせないと弱ってしまうから。山田さん、頑張って」
そう言うと、社長はまた広い馬場へと出て行った。
「はいっ」
私が合図を出すもベスは知らんぷりだ。
こうなったら絶対に動かしてやる。
私は渾身の力を込めて腹を蹴る。何度蹴っても反応ゼロ。
こんなに蹴られても痛くないのかしら。蹴られてばかりでちょっと可哀そうね。
ベスの首に手を伸ばして撫でた。後ろから首を抱きしめる。
わあ、馬って気持ち良いのね。あったかくて毛並みもつやつや。
「ベス、ごめんね、何度も蹴って痛いでしょう?」
そうすると、ベスは鼻を鳴らして、一歩だけ前に出た。私に抱きしめられるのが嫌らしく、首を振り振りしている。
ベスってば私が嫌いなんだわ。失礼しちゃうわね!
嫌がらせのためにまた首に抱き着くと、ベスはまた嫌がって首を振りながら一歩進んだ。それを繰り返して、インストラクターにつながったまま、やっと一周進んだところで、また、社長がやってきた。
私がベスに抱き着いては、ベスが嫌そうに一歩進むのをみて、声を出して笑っている。
「はいっ」
私が腹を蹴っても、馬はてこでも動かない。
「どうしてかしら、全然動かないわ」
この白い馬、私と目が合うとニコッと笑った気がしたから、この馬にしたんだけど、てんで外れだったわ。
インストラクターが鞭で叩いてやっと数歩歩くものの、すぐに止まる。
「もう、どうしてなの?」
社長は私をおいてけぼりに黒い馬に飛び乗ると、広い馬場へと出て自由に駆けている。王子さまのようにサマになっている。
しかし、意地悪なことに、ときおり、私のそばまでやってきては、冷やかすように言う。
「さすがの山田さんでも、ベスは動かせないか。ベスはおばあちゃん馬なんだよ」
「この馬、動かないんですか? どうして言ってくれないんです?」
「山田さんなら動かせるかも、と思ってね。おばあちゃんだけど、歩かせないと弱ってしまうから。山田さん、頑張って」
そう言うと、社長はまた広い馬場へと出て行った。
「はいっ」
私が合図を出すもベスは知らんぷりだ。
こうなったら絶対に動かしてやる。
私は渾身の力を込めて腹を蹴る。何度蹴っても反応ゼロ。
こんなに蹴られても痛くないのかしら。蹴られてばかりでちょっと可哀そうね。
ベスの首に手を伸ばして撫でた。後ろから首を抱きしめる。
わあ、馬って気持ち良いのね。あったかくて毛並みもつやつや。
「ベス、ごめんね、何度も蹴って痛いでしょう?」
そうすると、ベスは鼻を鳴らして、一歩だけ前に出た。私に抱きしめられるのが嫌らしく、首を振り振りしている。
ベスってば私が嫌いなんだわ。失礼しちゃうわね!
嫌がらせのためにまた首に抱き着くと、ベスはまた嫌がって首を振りながら一歩進んだ。それを繰り返して、インストラクターにつながったまま、やっと一周進んだところで、また、社長がやってきた。
私がベスに抱き着いては、ベスが嫌そうに一歩進むのをみて、声を出して笑っている。
10
あなたにおすすめの小説
元遊び人の彼に狂わされた私の慎ましい人生計画
イセヤ レキ
恋愛
「先輩、私をダシに使わないで下さい」
「何のこと?俺は柚子ちゃんと話したかったから席を立ったんだよ?」
「‥‥あんな美人に言い寄られてるのに、勿体ない」
「こんなイイ男にアピールされてるのは、勿体なくないのか?」
「‥‥下(しも)が緩い男は、大嫌いです」
「やだなぁ、それって噂でしょ!」
「本当の話ではないとでも?」
「いや、去年まではホント♪」
「‥‥近づかないで下さい、ケダモノ」
☆☆☆
「気になってる程度なら、そのまま引き下がって下さい」
「じゃあ、好きだよ?」
「疑問系になる位の告白は要りません」
「好きだ!」
「疑問系じゃなくても要りません」
「どうしたら、信じてくれるの?」
「信じるも信じないもないんですけど‥‥そうですね、私の好きなところを400字詰め原稿用紙5枚に纏めて、1週間以内に提出したら信じます」
☆☆☆
そんな二人が織り成す物語
ギャグ(一部シリアス)/女主人公/現代/日常/ハッピーエンド/オフィスラブ/社会人/オンラインゲーム/ヤンデレ
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
楓乃めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる