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いつか終わらなければならない関係
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高橋は、その後もぎくしゃくとした態度を取ってきたものの、私のほうがいろいろとフォローしているために、周囲の好奇心も削がれてきた、そんな頃。
高橋が緊張した顔で言ってきた。
「常務、あとで会議室に来てください」
私はぎくりとする。
会議室は高橋に告られた場所であり、その一週間後に振られた場所でもある。
もしかして、また、繰り返すつもり?
好きって言ってこられても振るしかないわよ。
私にはもう社長がいるし。
そう思いかけて、自分に突っ込む。セフレだけどね!
社員にだけはバレていけない関係だ。
トップの二人がセフレ関係だなんてとんでもない。
そこだけは気を付けないと。
なので、高橋の言葉に、私は青ざめた。
「瀬川社長にはお気を付けください」
も、もしや、すでにバレてるぅ? これでも気を付けてるのに。
特にママに見つかってからは最大限の注意を払っている。都心から離れた場所にしか行かないし、私は目深に帽子をかぶるようになった。
「どういうこと?」
高橋は真剣な顔をしている。
「瀬川社長は恐ろしい人です。なので、お気を付けください」
内心、焦るものの平静を装う。
「社長に対して根拠のない言いがかりをつけるのはいけないわ。何かを知ってるの?」
そう探りを入れる。
「社長には女性関係で良い噂はありません」
「そんな噂、どこにあるの?」
「そんなのどこにでも転がっています」
ああ、まあそうよね。三歩進めば拾えるわね。私も山ほど拾ったことがあるわ。そして、今は私もその中の一人。
「噂でしょ。よしんば事実だとしても、仕事には関係ないわ」
「でも、社長には婚約者がいるそうじゃないですか。人としてどうかと思います」
うん、それは同意。
グサッと来る。グサグサッとくる。
人としてどうかなのは私自身も同じ。やっちゃいけないことをやってる。
「どう思おうがあなたの好きになさい。でも、どうして、それを私に言うの?」
果たして、高橋は私と社長の関係をどこまで知ってるのだろう。もしも知られていたら進退問題になるわね。人の口に戸は立てられない。同じ会社にいられるはずもなく、出て行くのは私。
高橋は真剣な目を向けてきた。
「常務が心配だからです。社長に何かされていないか」
どうやら高橋は何も知らない。だって、何かしているのは私の方だもの。
ほんの少し前、高橋にときめいていた私はウブだった。今や、すっかりただれてるけど。
今も純情そうな顔で私を見てくる高橋は、私が社長とセフレだなんて知ったら、どんな顔をするかしら。
「私と社長は、ただの上司と部下よ」
ちょっとセフレ関係なだけのね。結構ある話じゃないの。
「でも」
「あなたと私もただの上司と部下。なので、私の個人的なことまで心配しなくてもいいのよ」
私のことなんか心配しないで。私もけじめをつけなきゃいけないことくらい知ってるから。
高橋はまだ何か言いたげな唇を閉じると、「わかりました」とだけ言って引き下がった。
そろそろやばいよね、これ。
会社ではいつも通りに出来ているはずだけど、社長もいつもと全く変わらないけど、だから、周囲にも私たちの関係は少しもバレてはないとは思うけど、でも、私、やっちゃいけないことをしてる。
ずるずると続けてる。
いつかは終わらなければいけないこの関係を。
高橋が緊張した顔で言ってきた。
「常務、あとで会議室に来てください」
私はぎくりとする。
会議室は高橋に告られた場所であり、その一週間後に振られた場所でもある。
もしかして、また、繰り返すつもり?
好きって言ってこられても振るしかないわよ。
私にはもう社長がいるし。
そう思いかけて、自分に突っ込む。セフレだけどね!
社員にだけはバレていけない関係だ。
トップの二人がセフレ関係だなんてとんでもない。
そこだけは気を付けないと。
なので、高橋の言葉に、私は青ざめた。
「瀬川社長にはお気を付けください」
も、もしや、すでにバレてるぅ? これでも気を付けてるのに。
特にママに見つかってからは最大限の注意を払っている。都心から離れた場所にしか行かないし、私は目深に帽子をかぶるようになった。
「どういうこと?」
高橋は真剣な顔をしている。
「瀬川社長は恐ろしい人です。なので、お気を付けください」
内心、焦るものの平静を装う。
「社長に対して根拠のない言いがかりをつけるのはいけないわ。何かを知ってるの?」
そう探りを入れる。
「社長には女性関係で良い噂はありません」
「そんな噂、どこにあるの?」
「そんなのどこにでも転がっています」
ああ、まあそうよね。三歩進めば拾えるわね。私も山ほど拾ったことがあるわ。そして、今は私もその中の一人。
「噂でしょ。よしんば事実だとしても、仕事には関係ないわ」
「でも、社長には婚約者がいるそうじゃないですか。人としてどうかと思います」
うん、それは同意。
グサッと来る。グサグサッとくる。
人としてどうかなのは私自身も同じ。やっちゃいけないことをやってる。
「どう思おうがあなたの好きになさい。でも、どうして、それを私に言うの?」
果たして、高橋は私と社長の関係をどこまで知ってるのだろう。もしも知られていたら進退問題になるわね。人の口に戸は立てられない。同じ会社にいられるはずもなく、出て行くのは私。
高橋は真剣な目を向けてきた。
「常務が心配だからです。社長に何かされていないか」
どうやら高橋は何も知らない。だって、何かしているのは私の方だもの。
ほんの少し前、高橋にときめいていた私はウブだった。今や、すっかりただれてるけど。
今も純情そうな顔で私を見てくる高橋は、私が社長とセフレだなんて知ったら、どんな顔をするかしら。
「私と社長は、ただの上司と部下よ」
ちょっとセフレ関係なだけのね。結構ある話じゃないの。
「でも」
「あなたと私もただの上司と部下。なので、私の個人的なことまで心配しなくてもいいのよ」
私のことなんか心配しないで。私もけじめをつけなきゃいけないことくらい知ってるから。
高橋はまだ何か言いたげな唇を閉じると、「わかりました」とだけ言って引き下がった。
そろそろやばいよね、これ。
会社ではいつも通りに出来ているはずだけど、社長もいつもと全く変わらないけど、だから、周囲にも私たちの関係は少しもバレてはないとは思うけど、でも、私、やっちゃいけないことをしてる。
ずるずると続けてる。
いつかは終わらなければいけないこの関係を。
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