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テイラー総督
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ハンナはしばらくの間肩で息をしていたが、やがて落ち着くと、長く息を吐きだした。
「(あんの、く、く、くそったれが!)」
「ハンナ、言葉遣いがひどく悪いけど、声に出さなかったから、許すわ」
「(どの面下げて愛人なんか作っとんじゃい!)」
「うん、そう思う」
「(舐めた真似しやがって!)」
「そこまで口が悪いとさすがに引くわ」
「ゴホゴホッ………。失礼しました。で、愛人とはいずこに」
「王都にいるわ」
「ハンナに命令してくだされば、あの男をやっちまっても、何なら愛人と二人まとめてやっちまっても構いませんが。このハンナ、姫さまのためなら手を黒く染めるのもいといません!」
「いいのよ、ハンナにそんなことさせたくはないわ。離婚したいってことがわかってもらえたらそれでいいの」
それからハンナはこれみよがしな溜息をつくことはなくなったが、ハンナの侯爵を見る目つきは非情に険しくなった。侯爵が思わずビクッとするほどに険しくなった。
***
さすがにお城だけあって探せばそれなりのものがあり、城館の内部はあらかた整った。侯爵はそれに気づいて、いちいち礼を言ってきた。
「やあ、ジュリエッタ、俺の部屋のカーテンも替えてくれたんだね。随分と快適になった、ありがとう」
戦場暮らしの長い侯爵にはおそらくどんな場所でもそれなりに過ごせるのだろうが、変化に気づいてくれるのは嬉しい。
「何か必要な物があれば遠慮なく言ってくれ」
(きっとファビオ・ヌワカロールに用立てを頼むのよね。それをするのは癪だわ)
王都では遠慮なく領地から金を送らせてきたのに、ヌワカロールに対抗心を抱いている今、それをする気にはなれない。
「それより、執務室の引き出しの鍵を貸してくださらないかしら」
「あとで侍従長に届けさせるよ」
侯爵は、領地のことは家令に、城館でのことは侍従長に任せっきりらしい。
(まあ、戦争中だったものね)
***
その午後、鍵が届いたので、早速、ジュリエッタは執務室に向かった。
執務室のどの書類にも、ヌワカロールの署名がある。
大別すると領地収入には、領民からのものと、城郭都市からのものがあるのがわかってきた。
領民からは約一億二千ゴールド、都市からも一億ゴールド、二つを足した領地収入は約二億ゴールド。それに対して、支出は二億ゴールド。
十年前までさかのぼっても、領地からの収入に大きな変動はないが、都市からの収入は二倍になっており、都市の人口増加をうかがわせる。
剰余金はすべて積み立てられているが、突発的な費用に当てられ、現在、公庫に残っているのは一億ゴールドほど。
侯爵は毎年使い切っていると言っていたが、ヌワカロールはきちんと公庫を積み立て、侯爵が入用なときにはここから金を出しているようだ。
しかし、それも表面上、確認できる数字。
(横領の跡は全くないわね。それにしても一億ゴールドをよく私の支度金に出したわね)
そのせいで、一年前には二億ゴールドあった公庫が半分になってしまった。
(何だか申し訳なくなってしまうわね。それがダメ鉱山に消えてしまったとは)
おそらく支度金も侯爵というよりヌワカロールが裁量したことだろうが、かといってヌワカロールを甘く見るわけにはいかない。
長らく権力の座に座っていると、やがては腐っていくものだ。権力代行者にしてもしかり。監視の目がなければなおのこと。
家令への監視は領主が行うものだが、代替わりの激しいバルベリ領にあっては、それも行き届いていないだろう。
(調べる余地はありそうだわね)
ヌワカロールが侯爵に不正を働いていたとしても、それが侯爵の執務室で見つかるはずもないのだ。そんな書類を侯爵に届けるはずもないのだから。
(これだけきちんとした書類が嘘だとして、そんな高度な不正を行える人と私は戦えるかしら。でもやるしかないわ)
ジュリエッタは、侯爵の執務室でファイティングポーズを取った。宙に拳をくり出し、足を蹴り上げる。
(わたし、負けないから!)
そのとき、誰かの吹き出す声が戸口から聞こえてきた気がした。
(だ、だれ?)
部屋を出たがそこには誰もいない。
(誰かいたような気がしたんだけど、まさか、侯爵さまじゃないわよね?!)
***
翌朝、朝食のテーブルに現れた侯爵はジュリエッタの顔を見ても表情を変えなかったために、ジュリエッタは内心でほっとした。
(私の恥ずかしい姿は見られてはいないようね)
「侯爵さま、今日、総督府に出向きたいのですが、よろしいですわね?」
都市には自治が任されており、独自の徴税・都市管理システムがあり、それを総督府が行っている。ジュリエッタは総督に会ってみることにした。
「なら、一緒に行こう」
「ええっ?」
「いやかな?」
侯爵は首をかしげて甘えるような困ったような顔で訊いてくる。
(いや、と言っても、こっそりついてきそうだわ)
「いいえ、ではよろしくお願いしますわ」
そのときになって、侯爵がジュリエッタを面白そうな顔で眺めているのに気付いた。
「何か私の顔についています?」
(はっ、もしかして、昨日の執務室での物音は侯爵さま?)
恥ずかしさの込み上げるジュリエッタに侯爵は言ってきた。
「可愛い目に鼻に口が付いている」
ジュリエッタは唖然と侯爵を見返した。
(もう、なんて人なの! とんだ女たらしね! 私にお世辞は効かないんだから!)
ジュリエッタはぷいと横を向くも、その頬が赤くなるのを抑えられなかった。
***
ジュリエッタが城館の外に出るのは城郭内に入って以来のことだった。
建物から出ると侯爵は既に待っていた。シャツにズボンというシンプルな格好は、町民のような出で立ちだった。ただし、腰の剣で、騎士であることが伺える。
王都から乗ってきた馬車が修理されていた。
城郭内を貴族の馬車で出向けば目立つこと間違いない。
それなら馬で、と言いかけて、ジュリエッタは口ごもった。
(侯爵さまの前に乗るのは気が引けるわね)
甲冑姿ならまだしも、シャツ一枚で体が密着するのは困る。
「総督府は遠いんですの?」
「遠くはない」
侯爵が指す建物は城館の門を出たところから一区画ほど向こうにあった。
(私がこの距離を歩けないと思っているのかしら)
「歩きますわ」
通りを行けば美しく整備されており、至る所を水路が流れており、せせらぎが聞こえてくる。
王都を出たのは秋だったが、馬車に乗っている間に冬に近づいた上に、王都よりも北にバルベリは位置するために、朝晩は暖炉に火を入れるほどに寒いが、今日のように天気の良い昼間は春のように温かい。
行きかう人々は、領主にその夫人だと見て取ったのか、脇に下がるものの遠慮して声をかけてこない。すでに領主と夫人の帰還は城郭内の人々に知れ渡っているようだった。
ジュリエッタのすぐ後ろにはハンナが、その前後には平服の護衛騎士らが数人従っており、ちょっとした集団の上に、ジュリエッタもハンナもここでは見たことがないようなドレスを纏っているのだから、どうしても注目を集めてしまう。
(馬車でなくてもかなり目立ってしまうわね)
総督府は立派な館だった。
「侯爵閣下、それに、ご夫人、ようこそおいでくださいました!」
出迎えたのはテイラー総督だった。彼が都市政を取り仕切っている。
突然の訪問でもテイラー総督は驚きはするものの慌てる様子はなかった。そして、大歓迎とばかりに、厚くもてなしてきた。
「お二人にお目通り叶えたいと、何度もお伺いの手紙を送ったのですが、まさか、侯爵夫妻から訪ねてこられるなど、大変な光栄でございます!」
後で確かめたところによれば、総督だけではなく、職工長や商人会長らから何度も訪問の希望があったが、忙しそうにしているジュリエッタの耳に入れなかったらしい。
テイラーは恰幅の良い五十絡みの男だった。地味ないでたちだが、総督としての貫禄はある。
応接室に通されると、テイラーから口を開いた。
「閣下、ノルラントとの和平は本当でしょうか」
ノルラントとは北方国家の正式名称だ。
「まだ公式には発表できないが、本当のことだ」
「やっと、戦争が終わるのは嬉しいことですがねえ」
テイラーは微妙な顔つきをしていた。
「(あんの、く、く、くそったれが!)」
「ハンナ、言葉遣いがひどく悪いけど、声に出さなかったから、許すわ」
「(どの面下げて愛人なんか作っとんじゃい!)」
「うん、そう思う」
「(舐めた真似しやがって!)」
「そこまで口が悪いとさすがに引くわ」
「ゴホゴホッ………。失礼しました。で、愛人とはいずこに」
「王都にいるわ」
「ハンナに命令してくだされば、あの男をやっちまっても、何なら愛人と二人まとめてやっちまっても構いませんが。このハンナ、姫さまのためなら手を黒く染めるのもいといません!」
「いいのよ、ハンナにそんなことさせたくはないわ。離婚したいってことがわかってもらえたらそれでいいの」
それからハンナはこれみよがしな溜息をつくことはなくなったが、ハンナの侯爵を見る目つきは非情に険しくなった。侯爵が思わずビクッとするほどに険しくなった。
***
さすがにお城だけあって探せばそれなりのものがあり、城館の内部はあらかた整った。侯爵はそれに気づいて、いちいち礼を言ってきた。
「やあ、ジュリエッタ、俺の部屋のカーテンも替えてくれたんだね。随分と快適になった、ありがとう」
戦場暮らしの長い侯爵にはおそらくどんな場所でもそれなりに過ごせるのだろうが、変化に気づいてくれるのは嬉しい。
「何か必要な物があれば遠慮なく言ってくれ」
(きっとファビオ・ヌワカロールに用立てを頼むのよね。それをするのは癪だわ)
王都では遠慮なく領地から金を送らせてきたのに、ヌワカロールに対抗心を抱いている今、それをする気にはなれない。
「それより、執務室の引き出しの鍵を貸してくださらないかしら」
「あとで侍従長に届けさせるよ」
侯爵は、領地のことは家令に、城館でのことは侍従長に任せっきりらしい。
(まあ、戦争中だったものね)
***
その午後、鍵が届いたので、早速、ジュリエッタは執務室に向かった。
執務室のどの書類にも、ヌワカロールの署名がある。
大別すると領地収入には、領民からのものと、城郭都市からのものがあるのがわかってきた。
領民からは約一億二千ゴールド、都市からも一億ゴールド、二つを足した領地収入は約二億ゴールド。それに対して、支出は二億ゴールド。
十年前までさかのぼっても、領地からの収入に大きな変動はないが、都市からの収入は二倍になっており、都市の人口増加をうかがわせる。
剰余金はすべて積み立てられているが、突発的な費用に当てられ、現在、公庫に残っているのは一億ゴールドほど。
侯爵は毎年使い切っていると言っていたが、ヌワカロールはきちんと公庫を積み立て、侯爵が入用なときにはここから金を出しているようだ。
しかし、それも表面上、確認できる数字。
(横領の跡は全くないわね。それにしても一億ゴールドをよく私の支度金に出したわね)
そのせいで、一年前には二億ゴールドあった公庫が半分になってしまった。
(何だか申し訳なくなってしまうわね。それがダメ鉱山に消えてしまったとは)
おそらく支度金も侯爵というよりヌワカロールが裁量したことだろうが、かといってヌワカロールを甘く見るわけにはいかない。
長らく権力の座に座っていると、やがては腐っていくものだ。権力代行者にしてもしかり。監視の目がなければなおのこと。
家令への監視は領主が行うものだが、代替わりの激しいバルベリ領にあっては、それも行き届いていないだろう。
(調べる余地はありそうだわね)
ヌワカロールが侯爵に不正を働いていたとしても、それが侯爵の執務室で見つかるはずもないのだ。そんな書類を侯爵に届けるはずもないのだから。
(これだけきちんとした書類が嘘だとして、そんな高度な不正を行える人と私は戦えるかしら。でもやるしかないわ)
ジュリエッタは、侯爵の執務室でファイティングポーズを取った。宙に拳をくり出し、足を蹴り上げる。
(わたし、負けないから!)
そのとき、誰かの吹き出す声が戸口から聞こえてきた気がした。
(だ、だれ?)
部屋を出たがそこには誰もいない。
(誰かいたような気がしたんだけど、まさか、侯爵さまじゃないわよね?!)
***
翌朝、朝食のテーブルに現れた侯爵はジュリエッタの顔を見ても表情を変えなかったために、ジュリエッタは内心でほっとした。
(私の恥ずかしい姿は見られてはいないようね)
「侯爵さま、今日、総督府に出向きたいのですが、よろしいですわね?」
都市には自治が任されており、独自の徴税・都市管理システムがあり、それを総督府が行っている。ジュリエッタは総督に会ってみることにした。
「なら、一緒に行こう」
「ええっ?」
「いやかな?」
侯爵は首をかしげて甘えるような困ったような顔で訊いてくる。
(いや、と言っても、こっそりついてきそうだわ)
「いいえ、ではよろしくお願いしますわ」
そのときになって、侯爵がジュリエッタを面白そうな顔で眺めているのに気付いた。
「何か私の顔についています?」
(はっ、もしかして、昨日の執務室での物音は侯爵さま?)
恥ずかしさの込み上げるジュリエッタに侯爵は言ってきた。
「可愛い目に鼻に口が付いている」
ジュリエッタは唖然と侯爵を見返した。
(もう、なんて人なの! とんだ女たらしね! 私にお世辞は効かないんだから!)
ジュリエッタはぷいと横を向くも、その頬が赤くなるのを抑えられなかった。
***
ジュリエッタが城館の外に出るのは城郭内に入って以来のことだった。
建物から出ると侯爵は既に待っていた。シャツにズボンというシンプルな格好は、町民のような出で立ちだった。ただし、腰の剣で、騎士であることが伺える。
王都から乗ってきた馬車が修理されていた。
城郭内を貴族の馬車で出向けば目立つこと間違いない。
それなら馬で、と言いかけて、ジュリエッタは口ごもった。
(侯爵さまの前に乗るのは気が引けるわね)
甲冑姿ならまだしも、シャツ一枚で体が密着するのは困る。
「総督府は遠いんですの?」
「遠くはない」
侯爵が指す建物は城館の門を出たところから一区画ほど向こうにあった。
(私がこの距離を歩けないと思っているのかしら)
「歩きますわ」
通りを行けば美しく整備されており、至る所を水路が流れており、せせらぎが聞こえてくる。
王都を出たのは秋だったが、馬車に乗っている間に冬に近づいた上に、王都よりも北にバルベリは位置するために、朝晩は暖炉に火を入れるほどに寒いが、今日のように天気の良い昼間は春のように温かい。
行きかう人々は、領主にその夫人だと見て取ったのか、脇に下がるものの遠慮して声をかけてこない。すでに領主と夫人の帰還は城郭内の人々に知れ渡っているようだった。
ジュリエッタのすぐ後ろにはハンナが、その前後には平服の護衛騎士らが数人従っており、ちょっとした集団の上に、ジュリエッタもハンナもここでは見たことがないようなドレスを纏っているのだから、どうしても注目を集めてしまう。
(馬車でなくてもかなり目立ってしまうわね)
総督府は立派な館だった。
「侯爵閣下、それに、ご夫人、ようこそおいでくださいました!」
出迎えたのはテイラー総督だった。彼が都市政を取り仕切っている。
突然の訪問でもテイラー総督は驚きはするものの慌てる様子はなかった。そして、大歓迎とばかりに、厚くもてなしてきた。
「お二人にお目通り叶えたいと、何度もお伺いの手紙を送ったのですが、まさか、侯爵夫妻から訪ねてこられるなど、大変な光栄でございます!」
後で確かめたところによれば、総督だけではなく、職工長や商人会長らから何度も訪問の希望があったが、忙しそうにしているジュリエッタの耳に入れなかったらしい。
テイラーは恰幅の良い五十絡みの男だった。地味ないでたちだが、総督としての貫禄はある。
応接室に通されると、テイラーから口を開いた。
「閣下、ノルラントとの和平は本当でしょうか」
ノルラントとは北方国家の正式名称だ。
「まだ公式には発表できないが、本当のことだ」
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テイラーは微妙な顔つきをしていた。
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