作業厨は異世界でも無双する

old name

文字の大きさ
4 / 4
一章

はじめての討伐クエ

しおりを挟む
 俺が久しぶりに気持ち良く起きるとそこにはあの天使が居た。
「やほー。やっぱあれだけじゃ説明足りなかったみたいで女神様に怒られちゃったんだ~。だから来たよー」
「ふざけんな。ちゃんと説明しろ」
「ごめんってば~。あと、私は副女神のラーだよー。覚えててねー。あ、そだお金持ってきたんだよ~。私が持ってても使えないからね~。」
 そう言って昨日貰った麻袋より一回り小さい袋を部屋の机に置く。
…しかし、こんなのがラーとは。
 神様で同姓同名なんて線は薄いし俺も一時神話読んでたけどこんなのとは…男だと思ってた…
「あ~!こんなのがラーなんてって思いましたね~!私それこの前も言われたんですよ~!!」
「なんで分かんだよ。いや、神様効果か。」
「そうです!人が考えた事なら何でも分かっちゃうんです!って、脱線してますね。ちょっとだけ説明するので待っててください。」
「はい。準備できました!それでは聞いてください。質問は私が話し終わってからですからねー」
 なんだろう。こいつを見ているとどんどん幼稚園の先生に感じてきた。
 もはや、そうだとしか思えなくなってきてきてるんだが…
「ええと、ここは剣と魔法の世界、とでも言っておきましょう。私の目的はこの世界の発展です。でも、魔王を倒せとかじゃなくて…いや、倒せるなら倒して欲しいんですけど。まあ、地球の人が十人くらい来ればちょっとは発展するんじゃないかなーなんて感じです。まあ、地球では満喫できなさそうなスローライフを楽しんで下さい。別にスローライフじゃなくても良いんですけどねー。あと、進化種の使い方なんですけど、願いを強く念じて、その後は支持とか代償説明に納得して従ってくれたらオッケーです。はいこれで終わり。何か質問は~?」
「お前動画のときと口調が全然違うんだが」
「あ~あれは世界神の前だったからですよ~。私だってこっちのが楽なんです」
「俺っていま強いの?弱いの?」
「成長できる可能性この世界やあなた以外の異世界人の中でもピカイチです!」
「おい、ならって何だならって」
「あ~、え~とその、初期能力はダントツで低いです。でもでも!そこは進化種で補ってもらえれば!」
「結局進化種って何ができんの?」
「ステータスの上がり方を上げたりですね。何でもできますよ。ただ、その分代償は大きくなりますけど」
「了解。ありがとな。そんぐらいで良いよ」
「あ、こちらこそ。それではスローライフを楽しんで!」

 そう言うと女神ラーはシュン、と音を立てて消えてしまった。
 ほんと、何でもありだ。
 さて、進化種の使い方だが、どうしようか。
 まあ、沢山あるんだしこんな事で悩んでても勿体無い。
 まあ、敵の体力とか分からないことが多すぎるのは嫌だし、何ならしっかりと経験値とかも数値化して欲しい。
…反応しない。もっとしっかり願えってことだろうか。
 いろいろ数値化しろ…いろい…
『効果モンスターの体力、レベルを数値化、経験値獲得時それを数値化します。
代償 進化種×1 体力が-3されます』
 いきなり目の前に透明な板が出てきた。
 時間差があるのか?
 まあ効果は自分の予想したようなものだったので大丈夫だ。
 そう考えた瞬間、板が消え、地面を弱い光が通る。
 もしやこれが変化したということなのだろうか。
 結局、数十分かけて出した答えがこれだ。
 経験値倍率上昇
 限界レベル無限化
 ステ振り
 全スキル開放可能化
 の4つ。
 そしてその代償が
 順番に
 進化種×1 経験値消費
 進化種×1 獲得経験値10%減少
 進化種×1 1レベル毎の必要経験値10%上昇
 進化種×1 各スキルに経験値を振ることで開放可能

 という代償だった。
 ステ振り、というのはレベルアップ毎のステータスが全て勝手に振られるのが嫌だったため、自分で振れるようにした。
…晩成型にしすぎた気もするが仕方無い。作業ゲー好きの代償だ。
 
 そして、最終的な動きとして
 まず経験値をレベルに振るかスキルにスキルに振るか経験値倍率上昇に振るか選んで、レベルが上がったらステータスのどこに振るか選ぶ、といった感じだ。
 今までよりかなり自由度が高くていいんじゃないだろうか。
 ステータスは壁に手を当ててステータスと呟くと浮かび上がった。
 予想してたよりなんかプロジェクターっぽい。
 でも呟くだけで画面が出てくるなんてもう十分過ぎるくらいにファンタジーだ。
 因みにこの前の兎の経験値は全てSTRに振っておいた。
 さて、もっと倒しに行こうか!
 俺は宿を出てギルドに行く。
 なにかあのうさぎのクエストがないか探すためだ。
「すいません、あの草原の方に出てくるうさぎの討伐クエストってありますかね」
「あー、討伐は無いですけど納品ならありますよ」
「あ、じゃあそれお願いします」
 そう言うといつもの事なんだろうか驚くくらいのスピードでクエストの発注までしてくれた。
 やっぱ手慣れてるな。
「はいこれ。気を付けてくださいね」
 俺はそれを受け取るとともに草原へ駆け出す。
 まずあの兎を見つけて経験値量を調べる。
 幸い、十分くらい走り回っているとこの前のように兎の方から飛び出してきてくれた。
 そして、唯一前回の兎と違う所がある。
 HPバーが兎の頭上に張られているのだ。
 それだけで俺は安心。体力が測れるほど分かりやすくなるものはない。
 それに今回は攻略方法が分かってるから楽だ。
 横に回って殴る。的が小さいため当てにくいがしっかりと当てる。
 《兎に2のダメージを与えました》
 すると体力バーが1割ほど減る。
「よし!」
 STR極振りが攻を成したのか最低値であろう1ではなく2の兎にダメージが入る。
 これ程嬉しいと感じたのはいつぶりだろう。きっとここが夢でなく現実、異世界だとしっかり分かっていることでアドレナリンが出ているのだろう。
 慣れのおかげなのかこの戦いは十数分で終わった。
 そしてこの前とは違って鳥肉みたいな物が残る。
《527の経験値を手に入れました》
 おお、予想よりかなり入ったな。
 正直50とか30とかを予想してた。
 これは経験値を振る方向を考えなければ…
 結局、月が出るまでこの作業をしてギルドに数十肉を納品した時は目が飛び出るように驚かれた。
 何でもあの兎はすぐ動くので倒すのが面倒だから普通は狙わないそうだ。
 そして、昨日よりは軽かったがしっかりと報酬が麻袋で出た。
 まあ、昨日貰ったやつ、女神に貰ったやつ、そして今日貰ったやつと全部袋は開いてないんだからな。
 俺は、そのまま宿の自分の部屋に入り、ステータス画面を開く。
 俺の視線は他の能力、ステータスなど目もくれずある一点に集まる。
《獲得経験値増加Lv0 1.0倍 次のレベルまで10000経験値》
 これに、今日手に入れた経験値の大体99%、33000をつぎ込む。
《獲得経験値増加Lv3 1.3倍 次のレベルまで11500経験値》
 大体1Lv上がる毎に0.1倍増えて必要な経験値は500増えるみたいだ。
 なんとも単純明快かつ強力な力。
「さ~て、明日は早く起きて大量に狩る!」
 俺は、早く眠って起きようと念じながらいつもより多少早く眠りに就く。
 今のままじゃ駄目だ。早く強くならなきゃ。
 なんてったって異世界だ。
 魔王や魔神が出てもおかしくないのにどうゆっくりできるのだろうか。

…この男には最短で最強になるステップしか頭に無かった。
 この男、地球一の作業厨であると同時に効率厨でもあった…
 
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
大きなスタンビートが来るため、領民全てを引き連れ避難する事になった。 しかし、着替えを手伝っていたメイドが別のメイドに駆り出された後、光を避けるためにクローゼットの奥に行き、朝早く起こされ、まだまだ眠かった僕はそのまま寝てしまった。用事を済ませたメイドが部屋に戻ってきた時、目に付く場所に僕が居なかったので先に行ったと思い、開けっ放しだったクローゼットを閉めて、メイドも急いで外へ向かった。 全員が揃ったと思った一行はそのまま領地を後にした。 クローゼットの中に幼い子供が一人、取り残されている事を知らないまま

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~

仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。  そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。   しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。   ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。   武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」  登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。   これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

『紅茶の香りが消えた午後に』

柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。 けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。 誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。

処理中です...