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第三章
鍛冶師グレイとの出会い
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辺りを見渡してみる。
周囲は石造りや煉瓦造りで、王城を中心に丘のようになっている。テレビでみたヨーロッパの町並みのようだ。
王城から出されたそこは大通りだった。
これから外で野宿するわけにも行かないし…
「おまえ、なんかあったのか?」
肩をたたかれ、振り返るとそこには一人のハンマーを持った男が立っていた。
危ねえ!あれで叩かれたら相模達はともかく俺は肉と骨になってしまうだろう。
「もし宿が無いなら家、まあ家兼店だがよ。泊めるぜ?」
誰だろう。一応、塩酸の余りのストレージを確認しつつ、話してみる。
「なんで自分に?」
「あのな、駄目ならそれでいいんだが、ちょっと人手が欲しくてな。鉱石の鑑定なんだ。鑑定系統のスキル、鑑定の下位互換の審美眼を持ってねえか?いや、持ってなくても良いんだ。」
なんだ。バリバリ鑑定あるけど鉱石だって?
気になる。行ってみたい。
だから、ついていくことにした。
「まあ、鑑定なら有りますけど…自分MP少ないんで人には出来ませんよ?」
「お、お前鑑定なんて持ってんのか!王城から出てきたからなにか力があるんじゃないかって踏んでたんだが、ど真ん中だな!すぐそこに家がある。来るんなら来い!」
ありがとうございます、とお礼を言って、後をついていく。
よく見ると、なんか、ドワーフみたいな見た目の人だ。見た目がこういう感じなのも異世界だからかな。
もし、居るんなら会ってみたいな。ドワーフとエルフ。どちらも、自分たちだけの国を作って籠もってるイメージだから、会うのは難しそうだけど。
「ほれ、ついたぞ」
そう言って指さしたのは工房と書かれた看板のある店。
うーん、物凄く似合ってる。
こういう店をやっている技術職の人ってみんな似てるイメージがあるけど、それってなる人が似てるのか、それともそういう職の人はそんな見た目になるのかどっちなん…
「入るんなら早よせんか!」
怒られちゃた。
まさしく親方って感じ似合う人だ。
そうして、店の中に入る。
そこは、飾られた武器や防具のショーケースがあるわけでは無く、石切台や工具が壁に張り付けてあるようなただの工房って感じだ。工房の看板も、よく見なければわからないような感じだ。
正直、ここが店だとは一見じゃわからない。
なんか、ここに来るまでにあった異世界の店とは少し違う雰囲気だった。が、生憎俺はこういう周りから浮いている型にはまっていないものの方が好きだ。
「儂はちょっとミスリルの採掘に行ってくるからちょっとまっとれ。そこらへんの工具は見てもいいがいじらんようにな」
ミスリルの採掘だって⁉
どこまで行く気だ?
「あのー、何日俺はこのまま待たなきゃいけないんで…」
「今すぐに決まっとるわい」
そう言って床に付いていたハッチを開ける。するとそこははしごで繋がっており、地下へ行ける状態であった。
「これでミスリルの採掘場に行けるって訳だ。王国もよもや都心が大規模なミスリル鉱場だとは思ってなかろう。ま、そこに目を着けたのも儂なんだがな。…で、機会が無かったが、自己紹介がまだだったな。儂は…やめた。苗字を話すと埒が明かん。儂は皆にはグレイと呼ばれておる。見た目の通りドワーフじゃ。お前、見た目とか人種で差別するタイプじゃなかろう?」
「あ、はい、勿論。あと、俺の名前は陽和です。ありがとうございます」
「いや、いいんだ。こっちも鑑定できる奴が分かったし。で、そんなお前にだ。鑑定持ってるんだろ?これの質がわかるか?」
そう言ってその人は延べ棒の薄く水色がかかったものを渡す。
それはとても軽かった。
言われた通り鑑定すると、
__________
ミスリル含有鉱石
材質レベル(極底)
ミスリル含有率0.0004%
ミスリルを極々少量含んだ延べ棒。
若干だがミスリルの効果を得る。
精製することによって質を上げられる
…ん?なんだこれ。なんて伝えればいいだろう…
「うーん、ミスリルを少量含んだ鉱物を固めたもの、ですか?」
「何を言うこれがミスリルの延べ棒じゃ」
え?あれ、嘘だろ?鑑定が間違ってるのか?いや、鑑定の結果は間違ってない。
「あー、もう調べんでいい。これがミスリルの延べ棒なのは世間一般ではなんじゃ。で、儂は昔の文献…まあそれが信じられるかわからんがの。ともかくそれを見たところ、これが文献に出てくるミスリルか疑うとる。で、どうなんじゃ?」
ここは真実を言ってもいいだろう。
「これ、実際ミスリルほぼ含んでないですよ。精製すればもっと良くなるらしいです」
「そうじゃろう!そうじゃろう!やはりそうだったか。ミスリルは動きを早くする物だと書かれておったが、これにそんな効果は無いのでな。で、精製とはどうやるんじゃ?」
精製?うーん難しい。自分は精製出来るけど、それは人に教えられる程ではない。
そこで、一ついい案が出る。
「取り敢えず、そこにある鉱石で延べ棒でも作ってもらえますか?」
「勿論いいが…鉱石からとなると1.2時間かかるぞ。」
俺の目が正しければあれは鉄鉱石だ。
頷いた後、作業を見る。
グレイさんは何かを唱え始めた。
そして唱え終わると共にグレイさんの手の先から火が出る。その上に鉱石を火ばさみで固定し、鉱石がが溶けていく。
その後、その溶けた石を板の上で左右に揺らし、少しずつ冷やしている。
そして、鉄のほうが早く冷えたのか暫くすると鉄がグレイさんの揺らす板にこびり付く。それを剥がして延べ棒にする。
完成した。
鑑定したところ、純度は…80%。
現代でも使える代物だ。
「本当はもうちょっとさっきのを繰り返すんだがな。ま、今日はいいじゃろう」
あれ、精製はしてる?じゃあなんでミスリルはしないんだろう。そうやって聞くと答えが出た。
「ミスリルはな。熱しすぎると炭になってしまうんじゃよ。だからこの方法は使えないんじゃ」
そうか。炭素みたいな物質でも含まれてるのかな。
ならミスリルは何なんだ?
そう考えると頭の中にいきなりミスリルの情報が浮かんできた。
《ミスリル》
それに触れている物質の重量を0.5%になるまで下げる魔法金属。どれだけ減るかはその物体の重量とミスリルの量に依存する。有機物の場合、その物体全ての速度を上昇させる。
王水以上の酸で周囲の金属を溶かす事によって精製可能。
硬さは旧モース硬度で16、靭性も地球のレベルだと最強に匹敵する。
未加工状態で高温だと、酸素と触れると炭化するが、王水の中なら液化し、一度液化すると常温に冷えるまで炭化しない。一度液化し、ミスリルの塊の体積がある程度出来ると炭化しなくなる。
ミスリルやべぇー。
因みに、モース硬度とは硬さの単位で、ダイヤが10だ。
靭性ってのはどれだけ壊れにくいかを表してる。つまりミスリルはダイヤより硬く、ダイヤのように脆くなく、王水が使えるなら液体にして加工しやすい鉱物だって事だ。
しかしこれが理科辞典(略)か。
確かに良いものではあるが、やはり専門知識が無いと使いづらい物のようだ。
「おーい、何一人でぶつぶつ言っておる?なんか分かったら儂にも教えい」
ミスリル精製の方法、言ってしまっていいんだろうか…ここでの俺の選択にこの世界のインフレが任されてる気がしなくも無い。
ま、この人なら変な使い方しなさそうだし大丈夫かな。
「ミスリルの精製の方法がわかりました。あと、ミスリルの力は動きを速くする力も有りますが、量が少な過ぎて発動しなかったみたいです」
「おお!やっぱそうなのか!じゃ、どうやって精製するんじゃ?」
あ、王水ってこの世界に…無いよな。
「多分俺しか買えない特殊な薬が必要なんです。ちょっと待ってて下さい。」
「おう!いつまででも待つぞい」
そうして俺は外に出る。
まだ外は真っ暗だ。人通りも少ないし、ここならアイテム購入スキルが見られることも無いだろう。
そうして自分は王水を買おうとする。
しかし、そこには俺が予想していなかった文字が書いてあった。
『危険性の高い劇物を所持する為には王都指定の毒物使用免状が必要です』
what?なんだそれ。
地球でなら危険物は甲種まで持ってるけどこっちのは知らんぞ。
店に戻って親方に聞く。
「王都指定の毒物使用免状ってなんだ?」
「お前さん、さては免状持ってなくて買えなかったな?免状は1ヶ月にいっぺん行われてる試験で合格すれば貰えるものじゃ。えっと~、丁度来週あるから受けてこい。
儂もお前が受かってくれんととミスリルの事が一個も知れねえ。絶対受かって来るんじゃ!」
この出会いが俺の人生を変えることになる。
周囲は石造りや煉瓦造りで、王城を中心に丘のようになっている。テレビでみたヨーロッパの町並みのようだ。
王城から出されたそこは大通りだった。
これから外で野宿するわけにも行かないし…
「おまえ、なんかあったのか?」
肩をたたかれ、振り返るとそこには一人のハンマーを持った男が立っていた。
危ねえ!あれで叩かれたら相模達はともかく俺は肉と骨になってしまうだろう。
「もし宿が無いなら家、まあ家兼店だがよ。泊めるぜ?」
誰だろう。一応、塩酸の余りのストレージを確認しつつ、話してみる。
「なんで自分に?」
「あのな、駄目ならそれでいいんだが、ちょっと人手が欲しくてな。鉱石の鑑定なんだ。鑑定系統のスキル、鑑定の下位互換の審美眼を持ってねえか?いや、持ってなくても良いんだ。」
なんだ。バリバリ鑑定あるけど鉱石だって?
気になる。行ってみたい。
だから、ついていくことにした。
「まあ、鑑定なら有りますけど…自分MP少ないんで人には出来ませんよ?」
「お、お前鑑定なんて持ってんのか!王城から出てきたからなにか力があるんじゃないかって踏んでたんだが、ど真ん中だな!すぐそこに家がある。来るんなら来い!」
ありがとうございます、とお礼を言って、後をついていく。
よく見ると、なんか、ドワーフみたいな見た目の人だ。見た目がこういう感じなのも異世界だからかな。
もし、居るんなら会ってみたいな。ドワーフとエルフ。どちらも、自分たちだけの国を作って籠もってるイメージだから、会うのは難しそうだけど。
「ほれ、ついたぞ」
そう言って指さしたのは工房と書かれた看板のある店。
うーん、物凄く似合ってる。
こういう店をやっている技術職の人ってみんな似てるイメージがあるけど、それってなる人が似てるのか、それともそういう職の人はそんな見た目になるのかどっちなん…
「入るんなら早よせんか!」
怒られちゃた。
まさしく親方って感じ似合う人だ。
そうして、店の中に入る。
そこは、飾られた武器や防具のショーケースがあるわけでは無く、石切台や工具が壁に張り付けてあるようなただの工房って感じだ。工房の看板も、よく見なければわからないような感じだ。
正直、ここが店だとは一見じゃわからない。
なんか、ここに来るまでにあった異世界の店とは少し違う雰囲気だった。が、生憎俺はこういう周りから浮いている型にはまっていないものの方が好きだ。
「儂はちょっとミスリルの採掘に行ってくるからちょっとまっとれ。そこらへんの工具は見てもいいがいじらんようにな」
ミスリルの採掘だって⁉
どこまで行く気だ?
「あのー、何日俺はこのまま待たなきゃいけないんで…」
「今すぐに決まっとるわい」
そう言って床に付いていたハッチを開ける。するとそこははしごで繋がっており、地下へ行ける状態であった。
「これでミスリルの採掘場に行けるって訳だ。王国もよもや都心が大規模なミスリル鉱場だとは思ってなかろう。ま、そこに目を着けたのも儂なんだがな。…で、機会が無かったが、自己紹介がまだだったな。儂は…やめた。苗字を話すと埒が明かん。儂は皆にはグレイと呼ばれておる。見た目の通りドワーフじゃ。お前、見た目とか人種で差別するタイプじゃなかろう?」
「あ、はい、勿論。あと、俺の名前は陽和です。ありがとうございます」
「いや、いいんだ。こっちも鑑定できる奴が分かったし。で、そんなお前にだ。鑑定持ってるんだろ?これの質がわかるか?」
そう言ってその人は延べ棒の薄く水色がかかったものを渡す。
それはとても軽かった。
言われた通り鑑定すると、
__________
ミスリル含有鉱石
材質レベル(極底)
ミスリル含有率0.0004%
ミスリルを極々少量含んだ延べ棒。
若干だがミスリルの効果を得る。
精製することによって質を上げられる
…ん?なんだこれ。なんて伝えればいいだろう…
「うーん、ミスリルを少量含んだ鉱物を固めたもの、ですか?」
「何を言うこれがミスリルの延べ棒じゃ」
え?あれ、嘘だろ?鑑定が間違ってるのか?いや、鑑定の結果は間違ってない。
「あー、もう調べんでいい。これがミスリルの延べ棒なのは世間一般ではなんじゃ。で、儂は昔の文献…まあそれが信じられるかわからんがの。ともかくそれを見たところ、これが文献に出てくるミスリルか疑うとる。で、どうなんじゃ?」
ここは真実を言ってもいいだろう。
「これ、実際ミスリルほぼ含んでないですよ。精製すればもっと良くなるらしいです」
「そうじゃろう!そうじゃろう!やはりそうだったか。ミスリルは動きを早くする物だと書かれておったが、これにそんな効果は無いのでな。で、精製とはどうやるんじゃ?」
精製?うーん難しい。自分は精製出来るけど、それは人に教えられる程ではない。
そこで、一ついい案が出る。
「取り敢えず、そこにある鉱石で延べ棒でも作ってもらえますか?」
「勿論いいが…鉱石からとなると1.2時間かかるぞ。」
俺の目が正しければあれは鉄鉱石だ。
頷いた後、作業を見る。
グレイさんは何かを唱え始めた。
そして唱え終わると共にグレイさんの手の先から火が出る。その上に鉱石を火ばさみで固定し、鉱石がが溶けていく。
その後、その溶けた石を板の上で左右に揺らし、少しずつ冷やしている。
そして、鉄のほうが早く冷えたのか暫くすると鉄がグレイさんの揺らす板にこびり付く。それを剥がして延べ棒にする。
完成した。
鑑定したところ、純度は…80%。
現代でも使える代物だ。
「本当はもうちょっとさっきのを繰り返すんだがな。ま、今日はいいじゃろう」
あれ、精製はしてる?じゃあなんでミスリルはしないんだろう。そうやって聞くと答えが出た。
「ミスリルはな。熱しすぎると炭になってしまうんじゃよ。だからこの方法は使えないんじゃ」
そうか。炭素みたいな物質でも含まれてるのかな。
ならミスリルは何なんだ?
そう考えると頭の中にいきなりミスリルの情報が浮かんできた。
《ミスリル》
それに触れている物質の重量を0.5%になるまで下げる魔法金属。どれだけ減るかはその物体の重量とミスリルの量に依存する。有機物の場合、その物体全ての速度を上昇させる。
王水以上の酸で周囲の金属を溶かす事によって精製可能。
硬さは旧モース硬度で16、靭性も地球のレベルだと最強に匹敵する。
未加工状態で高温だと、酸素と触れると炭化するが、王水の中なら液化し、一度液化すると常温に冷えるまで炭化しない。一度液化し、ミスリルの塊の体積がある程度出来ると炭化しなくなる。
ミスリルやべぇー。
因みに、モース硬度とは硬さの単位で、ダイヤが10だ。
靭性ってのはどれだけ壊れにくいかを表してる。つまりミスリルはダイヤより硬く、ダイヤのように脆くなく、王水が使えるなら液体にして加工しやすい鉱物だって事だ。
しかしこれが理科辞典(略)か。
確かに良いものではあるが、やはり専門知識が無いと使いづらい物のようだ。
「おーい、何一人でぶつぶつ言っておる?なんか分かったら儂にも教えい」
ミスリル精製の方法、言ってしまっていいんだろうか…ここでの俺の選択にこの世界のインフレが任されてる気がしなくも無い。
ま、この人なら変な使い方しなさそうだし大丈夫かな。
「ミスリルの精製の方法がわかりました。あと、ミスリルの力は動きを速くする力も有りますが、量が少な過ぎて発動しなかったみたいです」
「おお!やっぱそうなのか!じゃ、どうやって精製するんじゃ?」
あ、王水ってこの世界に…無いよな。
「多分俺しか買えない特殊な薬が必要なんです。ちょっと待ってて下さい。」
「おう!いつまででも待つぞい」
そうして俺は外に出る。
まだ外は真っ暗だ。人通りも少ないし、ここならアイテム購入スキルが見られることも無いだろう。
そうして自分は王水を買おうとする。
しかし、そこには俺が予想していなかった文字が書いてあった。
『危険性の高い劇物を所持する為には王都指定の毒物使用免状が必要です』
what?なんだそれ。
地球でなら危険物は甲種まで持ってるけどこっちのは知らんぞ。
店に戻って親方に聞く。
「王都指定の毒物使用免状ってなんだ?」
「お前さん、さては免状持ってなくて買えなかったな?免状は1ヶ月にいっぺん行われてる試験で合格すれば貰えるものじゃ。えっと~、丁度来週あるから受けてこい。
儂もお前が受かってくれんととミスリルの事が一個も知れねえ。絶対受かって来るんじゃ!」
この出会いが俺の人生を変えることになる。
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