永久レベル1の科学鍛冶師 〜最悪の運でも知識でゴミスキルを上手に使って無双します〜

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第三章

魔女からの任務

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 俺はグレイさんにしっかり寝ろ、と言われたにも関わらず、グレイさんに朝早く起こされた。
 …まだ日の出ない内にだ。
 眠い。ほんと眠い。
 現代だったらもう寝てる。

「ほれ、ボサっとしてないで早く試し斬り始めるぞ。」

 グレイさんは早く調べたくて仕方が無さそうだ。

「俺が斬ってもきっと綺麗には切れなさそうですからグレイさんやっちゃって下さい」
「良いのか⁉儂が始めての剣を使ってしまっても良いのか⁉」

 そうは言いつつもグレイさんはもう切る準備を始めている。
 構え始めた…

「全然いいですよ。自分には剣なんて物使えないです」

 剣じゃなくて両刃包丁だけど。

「そうか!では使わせてもらうぞ!」

 そう言って、剣筋が乱れないように、鉄に一度刃を


 その時だ。

 まあ、結果から言うと鉄が切れた。
 …こう、ノコギリでギリギリやる感じじゃなくてスッ、と。
 豆腐を切った所を見たみたいだ。
 グレイさんはもう固まってる。


 グレイさんがこっちに来た。
 ちなみに剣はそのまま鉄を貫通し、床に横になっている。

「あんなもんを作るやつがおるか!」
「!?」

 怒られてしまった。
 なんで?

「この世界に来たばかりだから分からんかもしらんがの!全てはバランスからなっとるんじゃ!そんな中、こんなに簡単に異常な剣を造ったらどうなる!?武器屋から始まりギルドまで、全てのバランスが崩れるんじゃ!みんな作れるんならいい。ただその剣はお前にしか作れんだろう!その剣はお前のもんじゃ!これ以上その剣を造るな!
………じゃがのう…これさえあれば…」

 怒られてしまった。そうか、グレイさんは自分の事じゃなくこの世界の事まで考えて言っているのか。
 なんか想像してたよりモラルの意識が高いな。

「いやーあの、その、祈里よ」
「はい?」
「今こんなことを言ったばかりで悪いんじゃが…もう一本だけ造っ…いや、いい。聞かなかったことにしてくれ」

 気になる。もの凄い気になる。
 ただ、ここで聴くのは野暮ってもんだろう。
 こう、いつかどうにか聞き出してみよう。

 そんな話をしていると、突然ドアが開く。

「こんにちは!マリー薬局から来ました、マリーです。今日もいつもの薬で良いですか?…ん?あれ、グレイさん、新しい人、呼んだんですか?身寄りの為にこんな王都まで来て大変ですね。こちらもエリクマの眼でも出せれば良いんですけどね」

 そんな事を言いながら入ってきたのは綺麗な金髪の女性だ。緑と黄色の眼をしていて、年齢は16、7歳くらいに見える。
 少し、恥ずかしい事だが、俺はその女性に見惚れていた。
 なぜなら日本にはまず居ない様な美少女。
 アニメに出て来ても何もおかしくないような見た目の人だった。
 …ただ、そんな異常な程綺麗な見た目を差し置いて、何よりも先に服装に目が行く。
 特に生活できない訳でもない服装だ。
 ただ、はっきり言うとダサい。
 靴はビーチサンダルと下駄の中間のような物、そして上下共にアーミー柄な洋服。しかもそんな美少女が短パンだった。
 現代ならホットパンツとか呼ばれていてもおかしくないが、すでにアーミーだし上は全身防備のアーミーだ。
 中高ならイジメられてもおかしくないくらい変な格好だった
 しかし、情報が多すぎる!
 エリクマの眼?薬局?身寄りの為?

 俺が悩んでいると、すかさずグレイさんが教えてくれた。

「この人はここの近くの薬局の店主、マリーさんじゃ。この人は家の、あの昨日会ったじゃろ、ファナ。ファナは病気を持っていてな。薬で進行は止められてるが、ファナには薬が必要でな。毎日届けてもらっとるんじゃ。
 あ、薬。ありがとうございます。しっかりと飲ませておきますから」

 なるほど分かりやすい。
 しかし、この見た目で薬局の店主…やはり異世界ってのは何が起きてるか分からないね。

「そうなの。ここの近くに住んでるんなら薬局の事を宜しくね
 あ!そうだ!グレイさんに伝えたい事があって!マンドラゴラ、取りに行くから護衛してくんない?」
「無理じゃ。儂は仕事を貰っておる。材料が揃ったから早く仕事をせねばならん。頑張れ」
「でも!ファナちゃんの薬を作るのに必要なの!これが無いと明後日からファナちゃんに薬渡せないよ?」

 グレイさんが動きを止める。結構悩んでるみたいだ。でも、何を悩んで?

「仕方ない。じゃが、儂は仕事で忙しいからの。こいつを連れて行け」

 グレイさんが俺の頭に手を置く。
 …俺?まじで?

「分かったわ!ありがとう!ほら、君もグレイさんに何か借りを付けるチャンスよ!」

 あ、そうゆう考え方するんだ。
 まあ、既にグレイさんに恩はある訳だし、手伝ってもいい…
 そんな考えが一瞬浮かんですぐ吹き飛んだ。
 危ない危ない。
 こんな、えーと、マンドラゴラだっけ?そんなファンタジー植物の最終なんて手伝ったらほぼ100%死ぬ。他人はともかく俺には確実に死ぬ。

「あのーグレイさん…出来れば俺じゃなくて他の人に…」
「む、だめか?…あ、そうじゃった。マリーさん、こいつ鑑定使えるぞい」
「ほんとに⁉あーもう絶対連れてくしかないわね!」

 マリーさんが目をぎらつかせてる。
 追い打ちかけないでよグレイさん…
 
「もちろん報酬は払うわよ?グレイさんに頼もうと思っていた分の5本より多くなったら一つ5000ミルで買い取るわ。」

 ミル?金額の単位かな?
 そう思った俺は金貨を一枚手の上に腕輪から出し、調べる。

《金貨 ー 価値100万ミル》
 なるほど。
 一言で表すと1ミル10円。1銅貨だ。

 ということはマンドラゴラは一本5万円。
 やっぱ、そこまで高いってことはかなり危険なのか…
 やめたいけどこれを止めるのはなぁ…
「…仕方ない。いいですよ」

「ほんと⁉やった!じゃ、明日ね。受付は個人ギルドを通してお願い。あ、そもそも個人ギルド登録はしてる?」
 個人ギルドとは?この前なんかちゃちゃっとギルド登録されてたような気はするけど…

「あ、ちょっと腕輪見して。」

 そう言って俺のあの腕輪の宝石、っぽい所を触る。
 すると、自分が開いたときのパソコンのホーム画面みたいなのとは打って変わってなんだかバイトとかの面接に使われるような履歴書のようになった。

「あ、個人ギルドはしてないわね」
「そうなんですか」

 何を言われているかよく分からんが、取り敢えず、話を合わせておく。

「ねえ、ここで登録しちゃったら?」

 …出来るんなら嬉しいがそんなに簡単にできるものなのか?

「出来るよ。ここに手をかざして自分の名前と性別、年齢を言ってね」
「えー、祈里陽和。男。18歳」

「へ?嘘ついたら成功しないわよ?」
「嘘なんて言ってませんよ?」
「そうじゃぞ祈里。年齢を隠すのは大人になってからで良い。ちゃんとした年齢を言うんじゃ」
「だから、自分ほんとに18なんですって!」
「「は?」」

 二人とも一瞬目が点になり、それがだんだん大きくなって普通の人間の目になったかと思うとお腹を抱えて笑いを噛み殺している。
 どうしたんだ?

「祈里…儂は、おま、えを、…高くて14.5歳だと思うとったぞ」
「私もグ、レイさんと同じ…ふふっ」

 両者噛み殺すのに失敗して大きな声を上げて笑い始めた。
 …そりゃ日本でもそんなに背が高いほうじゃなかったけど、何、この世界ではこれがちっちゃい方なの?
 マリーさんが笑いが一通り収まったあとに言う。

「これで設定は完了したわよ。特に自慢したいステータスでもあるんなら自分の方で設定してね」
「あ、はい」

 あんなに人のことを笑っていても一応完了していたみたいだ。
 果たしてマリーさんが凄いのか、それとも普通誰でも出来るものなのか…

「そうじゃ!陽和に鑑定で手伝って貰いたいものがあるんじゃった。…マリーさん、すまぬが明日の朝までに終わらせてもらえるかの」
「ええっ!?私そんなこと聞いてないです…間に合わな…いや、今日行けば…なんとか間に合うかな…」

 うう…なんか置き去りにされてる…俺の意見も少しは聞いてくれ…

「陽和君!謝んなきゃいけないみたいだけど今日、いや今すぐ行かなきゃいけないんだ。付いてきてくれる?」
「え、あ、はい。いいですよ。一度約束をしてしまった事ですし」

 いきなりだったが、断れるはずも無い。
 だって、こんな美少女にお願いされてて断れる人間は男女問わず居ないだろう。
 正直、今までアニメやら小説やらでそんな事が言われていて馬鹿らしいと思っていた俺が前言撤回と言わざるを得ない出来事だった。
 若干服装が気になるが…
 何はともあれマンドラゴラの採取を頼まれて受けてしまった訳だ。
 俺、生きて帰れるかな… 
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