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領地拡大、本格始動です 4
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゛……はあ。まあ、いいです”
私が抵抗できるはずがありません。こんなにかわいくて賢い子みたことないですからね。
゛やったあ! 待ってるね”
明るい声が聞こえます。
お姉ちゃん、黒い泥と格闘するからね。ふふふ。がんばる。
゛あ、厨房長にバター用意してって言っておいて”
忘れちゃいけません。大事な用事の一つです。ブラウンにも怒られちゃいます。というか、ベリーをあっちでパイにしてもらえば、最速で食べられるんじゃないかって思うんですけど。どうかしらね。
゛わかったあ。じゃあね”
フィリップ君、よろしくお願いします。バターだよ、バター。忘れないでね。
さて、このままでも仕方がないので、サンプリング、しますか……。
ううう。臭いしなあ。ブルーになります。
服につかないように気をつけないと絶対ブラウンに怒られる。
でも、もしここで石油が採れるなら、何か新しいことが出来るかもしれません。とにかく特徴ある、貴重な資源が見つかってよかったです。
前向きに考えましょう!
この燃える水は、王都に持っていくと、大変珍重がられると思います。ハトラウス王国ではまだ見つかってなかったはずです。石油の火力を使ってなにかできるかもしれません。今後が楽しみです。
なんだかこの草原には他にも何か落ちてそう。予感です。トレジャーハンターの気分になってきました。
黒い水のサンプルも取り終わりました。両手、両足が臭いです。
服は1着作業用の一番古いやつがダメになりました。洗濯してもとれないだろうな。はあ。
古いやつが着心地がいいのに……。このくたびれ感、最高だったのに。ちょっぴり愚痴りたくなりましたが、実家に帰れるというので、あきらめます。ごめんよ、お洋服。
比較的大きめなビン3本に原油を詰め込んで、ふたをきっちりしめました。瓶に入れるとますますどろんと黒光りしています。
お手伝いしてもらった王子の手足も、私の手足も究極魔法・水を応用して、お湯にしたもので洗いました。
それから、ブラウンにクリーンにする魔法をかけてもらいました。これで臭わないはず。
「アリスと同じ匂いだね」
王子が私の顔を見てにこりとしました。神々しささえ感じられるその笑みにだ、騙されないぞ。
わざとそういう意味でいってるよね!
私の顔が赤くなるのを見て、王子は満足そうにわらいました。意地の悪いイケメンはタチが悪い……。
ブラウンはニコニコ笑って見ています。そこはお嬢様になんてハレンチなとか、言ってもいいのでは? とか思ったのですが、全く気配はないのでした。
さて、お父さま、お母さまのところに戻りますか。心なしかマカミも喜んでいるようです。やはりお家が一番よ。
「王子、父の屋敷に戻りますが……。王子はどうしますか?」
「そうだな、ちょっと僕は用事があるので先に行くよ。アリスは実家を楽しんでおいで」
「え?」
まさかの返答に戸惑ってしまいました。一緒に帰ると思っていたのに……。
「寂しい?」
王子はニヤッと笑いました。これ、危険です。
「……。いやいや、別に……。そういうわけでは」
私が慌てて否定すると、愉快そうに王子は微笑んでいます。
「アリス、うわぁ、大変! ちょっとかがんでもらえる?」
「え? 虫ですか?」
私は王子に言われたまま、少し膝を折りました。
「はい、できた」
「な、なんですか」
私の首に青い貴石のネックレスがつけられています。この青……。ロイヤルブルーのサファイア。
「これで、アリスがどこに行ってもわかるよ。軌跡の魔法をつけておいた」
「そんな、こんな高価なネックレスいただけません」
私がどこにいるのかバレちゃうってこと??
「アリス、これで僕がどこまで進んだのかわかるでしょ?」
王子の居場所もわかるってことですか! へえ、便利! いいですねと思ってしまいました。が、使い道は……、王子と結婚もしてないし、恋人でもないし、ありません。
「まあそうですけど……」
「いわば、虫よけにもなるし」
「え? そうなんですか。それはすごい効力です! ありがたいです」
ペンダントに虫除けとは! 斬新なアイデアです。いいかもしれません。
「そうだろ?」
王子はニコニコしています。この満面の笑み、なんか黒いこと考えてなきゃいいんですけど。
私が抵抗できるはずがありません。こんなにかわいくて賢い子みたことないですからね。
゛やったあ! 待ってるね”
明るい声が聞こえます。
お姉ちゃん、黒い泥と格闘するからね。ふふふ。がんばる。
゛あ、厨房長にバター用意してって言っておいて”
忘れちゃいけません。大事な用事の一つです。ブラウンにも怒られちゃいます。というか、ベリーをあっちでパイにしてもらえば、最速で食べられるんじゃないかって思うんですけど。どうかしらね。
゛わかったあ。じゃあね”
フィリップ君、よろしくお願いします。バターだよ、バター。忘れないでね。
さて、このままでも仕方がないので、サンプリング、しますか……。
ううう。臭いしなあ。ブルーになります。
服につかないように気をつけないと絶対ブラウンに怒られる。
でも、もしここで石油が採れるなら、何か新しいことが出来るかもしれません。とにかく特徴ある、貴重な資源が見つかってよかったです。
前向きに考えましょう!
この燃える水は、王都に持っていくと、大変珍重がられると思います。ハトラウス王国ではまだ見つかってなかったはずです。石油の火力を使ってなにかできるかもしれません。今後が楽しみです。
なんだかこの草原には他にも何か落ちてそう。予感です。トレジャーハンターの気分になってきました。
黒い水のサンプルも取り終わりました。両手、両足が臭いです。
服は1着作業用の一番古いやつがダメになりました。洗濯してもとれないだろうな。はあ。
古いやつが着心地がいいのに……。このくたびれ感、最高だったのに。ちょっぴり愚痴りたくなりましたが、実家に帰れるというので、あきらめます。ごめんよ、お洋服。
比較的大きめなビン3本に原油を詰め込んで、ふたをきっちりしめました。瓶に入れるとますますどろんと黒光りしています。
お手伝いしてもらった王子の手足も、私の手足も究極魔法・水を応用して、お湯にしたもので洗いました。
それから、ブラウンにクリーンにする魔法をかけてもらいました。これで臭わないはず。
「アリスと同じ匂いだね」
王子が私の顔を見てにこりとしました。神々しささえ感じられるその笑みにだ、騙されないぞ。
わざとそういう意味でいってるよね!
私の顔が赤くなるのを見て、王子は満足そうにわらいました。意地の悪いイケメンはタチが悪い……。
ブラウンはニコニコ笑って見ています。そこはお嬢様になんてハレンチなとか、言ってもいいのでは? とか思ったのですが、全く気配はないのでした。
さて、お父さま、お母さまのところに戻りますか。心なしかマカミも喜んでいるようです。やはりお家が一番よ。
「王子、父の屋敷に戻りますが……。王子はどうしますか?」
「そうだな、ちょっと僕は用事があるので先に行くよ。アリスは実家を楽しんでおいで」
「え?」
まさかの返答に戸惑ってしまいました。一緒に帰ると思っていたのに……。
「寂しい?」
王子はニヤッと笑いました。これ、危険です。
「……。いやいや、別に……。そういうわけでは」
私が慌てて否定すると、愉快そうに王子は微笑んでいます。
「アリス、うわぁ、大変! ちょっとかがんでもらえる?」
「え? 虫ですか?」
私は王子に言われたまま、少し膝を折りました。
「はい、できた」
「な、なんですか」
私の首に青い貴石のネックレスがつけられています。この青……。ロイヤルブルーのサファイア。
「これで、アリスがどこに行ってもわかるよ。軌跡の魔法をつけておいた」
「そんな、こんな高価なネックレスいただけません」
私がどこにいるのかバレちゃうってこと??
「アリス、これで僕がどこまで進んだのかわかるでしょ?」
王子の居場所もわかるってことですか! へえ、便利! いいですねと思ってしまいました。が、使い道は……、王子と結婚もしてないし、恋人でもないし、ありません。
「まあそうですけど……」
「いわば、虫よけにもなるし」
「え? そうなんですか。それはすごい効力です! ありがたいです」
ペンダントに虫除けとは! 斬新なアイデアです。いいかもしれません。
「そうだろ?」
王子はニコニコしています。この満面の笑み、なんか黒いこと考えてなきゃいいんですけど。
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