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◇25◇ ドレス完成!…からの太陽祭!
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◇ ◇ ◇
それからの私は、仕事を終えるたび、ジュリアさんたちのお部屋に行った。
採寸されたり、ドレスのデザインの好みを聞かれて答えたり。
そんな中で、皆さんの恋愛話を聞かせてもらうこともあった。
ジュリアさんはこれまで3人の男性とお付き合いし、いまの恋人との結婚を考えているのだそうだ。
いま25歳。周りの女性もだいたいそれぐらいで結婚しているという。
「少し前まで、家同士の決めごととか、口減らしのような感じで10代で結婚させられる女の子も多かったみたいなんだけど、先々代と先代の領主様が教育を広めてね。
今は、けっこうみんな自分の意思で結婚しているわ」
そんな話を聞くと、いろいろとカルチャーショックだった。
……そんなおしゃべりをしながらできていったドレスは太陽祭の直前に完成した。
(かわいい!! すっごく、いい!!)
軽くて動きやすくて、でも、小柄な私でもスタイルがよく見えるシルエット。
引きずらないけれどふわっと広がる裾。
コルセットもつけずに着られるのでとても快適だ。
色合いもすごく気に入った。
明るいブルーの生地の上に、白いレースがふわっと重なったその表面は、動くたびにいろんな表情を見せる。
ため息が出るほど可愛い!
「すごい……!!
ありがとうございます!!」
「どういたしまして。
よく似合ってるわ」
真剣に、今まで着たどんなドレスよりも素敵だと思った。
鏡を見ながら、何度もくるくる回ってしまった。
「色がすごく素敵ですね、これ……」
「ああ、こういう色、フランカは好きかなって思って」
「え?」
改めて鏡の中の自分を見る。
ブルーの上に白いレースが載っている。ブルーと白と、レースが作るわずかな影。
それらは、パレットの上で絵具を混ぜるように、全体的にアイスブルーの色合いをつくって見せた。
――――ヘリオスの瞳の色だ。
気づくと一気に顔が熱くなった。
「そ!そういうわけでは……?」
「そう? ガイア様の瞳のお色だし、好きかなと思ったんだけどなぁ……」
「そっちですか!?」
「ん? 誰のことを考えていたのかな?」
ジュリアさんの目が笑っていることに気がついた。
これは……私をからかっている!?
「べつにさ、ヘリオス様を相手として考えたっていいじゃない。
歳も近いし、おんなじ貴族同士なんだから、ヘリオス様とも結婚できるんでしょ?」
「貴族同士だからといって、誰とでも結婚できるわけでは……!」
「ヘリオス様のこと嫌い?」
「というわけでは……ないんですけど……」
だんだん声が小さくなっていったら、「ジュリア、それぐらいにしときなさいよ」と、他のお針子さんからお叱りの言葉が飛んできた。
「恋愛はタイミングが命なんだから。それって、むやみに他人が入っちゃいけないとこでしょ」
「タイミングが命だから、逃したら戻ってこなかったりするじゃない。
この子、そこそこ図太いけど、肝心なとこで要らない遠慮するから」
ぽふぽふと、ジュリアさんは私の頭を撫でながら、再び私に言った。
「ヘリオス様、太陽祭の夜来るって。
間に合ったらさ、また2人きりでお話ししなさいよ」
「…………」
「ね?」
ヘリオスの綺麗な顔を思い浮かべる。
髪の先から爪の先までこぼれる吐息まで、神の領域に達しそうなほど美しい人。問答無用の蹴りさえ見とれるほど綺麗。顔に走る傷さえ魅力的。
それでいて、荒くてガラの悪い言葉づかい。本当は最初からそれも好きだった。言葉が飾り気なくて、抜き身の優しさに包まれて守られるような気がした。
…………本音を言えば、会いたい。
会えるなら、2人きりじゃなくてもかまわない。
同じ空間にいて彼を見つめられるなら。
◇ ◇ ◇
いよいよ太陽祭当日。
私はドレスに着替えた。
いつもより緩くかわいい感じに髪を結ってもらい、花を髪に飾った。
ヒールの高い綺麗な靴を久しぶりにはくと、それだけで背すじが伸びて、ワクワクする。
「フランカ、行くわよー」
「あ、はーい!」
準備は万端。お休みを取れた使用人の皆さんたちと、私は、お城を出た。
◇ ◇ ◇
それからの私は、仕事を終えるたび、ジュリアさんたちのお部屋に行った。
採寸されたり、ドレスのデザインの好みを聞かれて答えたり。
そんな中で、皆さんの恋愛話を聞かせてもらうこともあった。
ジュリアさんはこれまで3人の男性とお付き合いし、いまの恋人との結婚を考えているのだそうだ。
いま25歳。周りの女性もだいたいそれぐらいで結婚しているという。
「少し前まで、家同士の決めごととか、口減らしのような感じで10代で結婚させられる女の子も多かったみたいなんだけど、先々代と先代の領主様が教育を広めてね。
今は、けっこうみんな自分の意思で結婚しているわ」
そんな話を聞くと、いろいろとカルチャーショックだった。
……そんなおしゃべりをしながらできていったドレスは太陽祭の直前に完成した。
(かわいい!! すっごく、いい!!)
軽くて動きやすくて、でも、小柄な私でもスタイルがよく見えるシルエット。
引きずらないけれどふわっと広がる裾。
コルセットもつけずに着られるのでとても快適だ。
色合いもすごく気に入った。
明るいブルーの生地の上に、白いレースがふわっと重なったその表面は、動くたびにいろんな表情を見せる。
ため息が出るほど可愛い!
「すごい……!!
ありがとうございます!!」
「どういたしまして。
よく似合ってるわ」
真剣に、今まで着たどんなドレスよりも素敵だと思った。
鏡を見ながら、何度もくるくる回ってしまった。
「色がすごく素敵ですね、これ……」
「ああ、こういう色、フランカは好きかなって思って」
「え?」
改めて鏡の中の自分を見る。
ブルーの上に白いレースが載っている。ブルーと白と、レースが作るわずかな影。
それらは、パレットの上で絵具を混ぜるように、全体的にアイスブルーの色合いをつくって見せた。
――――ヘリオスの瞳の色だ。
気づくと一気に顔が熱くなった。
「そ!そういうわけでは……?」
「そう? ガイア様の瞳のお色だし、好きかなと思ったんだけどなぁ……」
「そっちですか!?」
「ん? 誰のことを考えていたのかな?」
ジュリアさんの目が笑っていることに気がついた。
これは……私をからかっている!?
「べつにさ、ヘリオス様を相手として考えたっていいじゃない。
歳も近いし、おんなじ貴族同士なんだから、ヘリオス様とも結婚できるんでしょ?」
「貴族同士だからといって、誰とでも結婚できるわけでは……!」
「ヘリオス様のこと嫌い?」
「というわけでは……ないんですけど……」
だんだん声が小さくなっていったら、「ジュリア、それぐらいにしときなさいよ」と、他のお針子さんからお叱りの言葉が飛んできた。
「恋愛はタイミングが命なんだから。それって、むやみに他人が入っちゃいけないとこでしょ」
「タイミングが命だから、逃したら戻ってこなかったりするじゃない。
この子、そこそこ図太いけど、肝心なとこで要らない遠慮するから」
ぽふぽふと、ジュリアさんは私の頭を撫でながら、再び私に言った。
「ヘリオス様、太陽祭の夜来るって。
間に合ったらさ、また2人きりでお話ししなさいよ」
「…………」
「ね?」
ヘリオスの綺麗な顔を思い浮かべる。
髪の先から爪の先までこぼれる吐息まで、神の領域に達しそうなほど美しい人。問答無用の蹴りさえ見とれるほど綺麗。顔に走る傷さえ魅力的。
それでいて、荒くてガラの悪い言葉づかい。本当は最初からそれも好きだった。言葉が飾り気なくて、抜き身の優しさに包まれて守られるような気がした。
…………本音を言えば、会いたい。
会えるなら、2人きりじゃなくてもかまわない。
同じ空間にいて彼を見つめられるなら。
◇ ◇ ◇
いよいよ太陽祭当日。
私はドレスに着替えた。
いつもより緩くかわいい感じに髪を結ってもらい、花を髪に飾った。
ヒールの高い綺麗な靴を久しぶりにはくと、それだけで背すじが伸びて、ワクワクする。
「フランカ、行くわよー」
「あ、はーい!」
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