死を経験した侯爵夫人は夫と別れたい~あなた達二人の邪魔はしません~

クロユキ

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ブライアンの願い

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イザベラは背をブライアンに向けたまま涙を流し指で拭き取った。
「……望んで産まれた貴方の子なのに…素直に喜べなかった…この子がお腹の中にいるとわかった時喜び悲しんだわ…」
「イザベラ……」
「貴方はもうわたくしの所へ来ないと思ったから…この子に貴方の名前を貰ったの…本当は産む事に悩んだわ…でもこの子が初めてお腹の中で動くのを感じたらおろせなくなったの…一人でもこの子を育てようとわたくしは貴方に知らせずこの子を産んだわ…」
「イザベラ…すまない…俺は君と別れても君を苦しめて来た…俺は自分の事ばかりを考え君と向き合おうとせずにいた…俺の身勝手な事で君を一人にして俺の子を……」
ブライアンは、イザベラの体を自分の方へ向かせ涙を流した頬を指で拭き取り笑顔で言った。
「…俺の子を産んでくれてありがとう…」
「…ブライアン……」
ブライアンは、イザベラの腕の中で目を開けてブライアンを見ている息子に笑みを見せた。
「…抱いても良いか?」
「……ええ…」
イザベラはブライアンに息子を抱かせた。
「…髪の毛の色は俺に似ている…顔立ちは君のようだ…」
「笑顔は貴方に似ているわ…」
「そうなのか?」
ブライアンはまさか、イザベラが妊娠をして子を産んだとは知らなかった。
「……イザベラ…俺と結婚して欲しい…」
「えっ!?」
イザベラは驚きブライアンを見た。
「…でも、貴方には奥様と子供がいるの…それに私を妻に迎えるのは無理よ…」
「君は、ブロス家の跡取りを産んでくれた…誰がなんと言おうと俺は君を妻に迎えるつもりだ」
「ブライアン…」
「待っていてくれ…君と息子を必ず迎えに行く」
イザベラとの婚姻を決めたブライアンはある人の力を借りる事に屋敷へと向かった。




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