40 / 89
披露宴の場で…③
しおりを挟む
「アメリア様!?」
聞き慣れた男性の声にアメリアとアルベルトが一緒に後ろを振り向いた。
「医師様」
アメリアに声をかけたのは、ブロス家専属の医師だった。
「医師様も披露宴に呼ばれましたの?」
「仕事のようなものですが、披露宴では体調を崩される方もいますので呼ばれたのです」
「まあっ、披露宴に来ましてもゆっくり出来ないのですね」
「ははは、そうですね」
廊下を歩くアメリア達は会場となる部屋の中に入った。
ガヤガヤ、ザワザワと賑わう披露宴に音楽が流れ貴族達は楽しんでいた。
「アメリア様、痛みの方はありますか?」
「大丈夫ですわ。今までありがとうございました」
頭を下げるアメリアに医師は驚きと戸惑っていた。
「いえいえ、怪我をされました時はどうなるかと思いました…何度もお聞きしますが…ブライアン様の事は…」
「わたくしも目が覚めました…大切に想います方はわたくしの側にずっと居てくれました事に…」
「大切な方…」
アメリアは、隣にいるアルベルトに微笑んでいた。それを見た医師は目を見開いてアメリアが誰の話しをしているのか分かった。
「そ、そうでしたか…それは、気が付きませんでした」
医師は、アルベルトを見て頷いた。
「わたくしも怪我をして自分の気持ちにわかりましたの…わたくしがあの人を想いましてもキャサリン嬢が妊娠しているのです…わたくしは用のない人間です邪魔者は屋敷を出ますわ」
笑みを見せるアメリアにブライアンに未練が無いのを医師は知った。
(…頭を打った後遺症だろうか?)
「お集まりの皆様、ようこそお越しくださいました。私は、ミュール伯爵と申します。ブライアン・ブロス侯爵から皆様にお話しがあります」
アメリア達は、キャサリン嬢の父親がブライアンからの報告があると聞き振り向いた。
驚いたような顔をするブライアンを見てアメリアはじっと見ていた。
(相変わらず容姿は素敵ね…黙って立っていましたらわたくし好みですけれど、今は、あの人を見ても何も思わないなんて…離婚の手続きをして良かったわ。でも、慰謝料がまだよ。早く払ってくれないかしら?新居に考えています屋敷を建てないとアルベルトと住めないわ)
「…アメリア様…」
「え?何?」
「…彼が見ています…」
「彼?」
アメリアは、アルベルトがブライアンがアメリアに気付いたと知らせブライアンは、貴族の集まる場で報告をした。
「…わたくし、ブライアン・ブロスは、妻でありましたアメリア夫人と離縁致しました事をお知らせ致します」
ザワザワと貴族達が騒ぎ、アメリアの近くにいた貴族達はアメリアを見て哀れんだ目で見る者もいた。
「そして、キャサリン嬢の婚約を新たに結びました…彼女のお腹には新たな命が宿っています事をこの場を借りまして報告致します…」
ザワザワと驚く貴族達に笑顔が見え、会場は拍手の音が響きブライアンとキャサリン嬢の婚約が発表された。
聞き慣れた男性の声にアメリアとアルベルトが一緒に後ろを振り向いた。
「医師様」
アメリアに声をかけたのは、ブロス家専属の医師だった。
「医師様も披露宴に呼ばれましたの?」
「仕事のようなものですが、披露宴では体調を崩される方もいますので呼ばれたのです」
「まあっ、披露宴に来ましてもゆっくり出来ないのですね」
「ははは、そうですね」
廊下を歩くアメリア達は会場となる部屋の中に入った。
ガヤガヤ、ザワザワと賑わう披露宴に音楽が流れ貴族達は楽しんでいた。
「アメリア様、痛みの方はありますか?」
「大丈夫ですわ。今までありがとうございました」
頭を下げるアメリアに医師は驚きと戸惑っていた。
「いえいえ、怪我をされました時はどうなるかと思いました…何度もお聞きしますが…ブライアン様の事は…」
「わたくしも目が覚めました…大切に想います方はわたくしの側にずっと居てくれました事に…」
「大切な方…」
アメリアは、隣にいるアルベルトに微笑んでいた。それを見た医師は目を見開いてアメリアが誰の話しをしているのか分かった。
「そ、そうでしたか…それは、気が付きませんでした」
医師は、アルベルトを見て頷いた。
「わたくしも怪我をして自分の気持ちにわかりましたの…わたくしがあの人を想いましてもキャサリン嬢が妊娠しているのです…わたくしは用のない人間です邪魔者は屋敷を出ますわ」
笑みを見せるアメリアにブライアンに未練が無いのを医師は知った。
(…頭を打った後遺症だろうか?)
「お集まりの皆様、ようこそお越しくださいました。私は、ミュール伯爵と申します。ブライアン・ブロス侯爵から皆様にお話しがあります」
アメリア達は、キャサリン嬢の父親がブライアンからの報告があると聞き振り向いた。
驚いたような顔をするブライアンを見てアメリアはじっと見ていた。
(相変わらず容姿は素敵ね…黙って立っていましたらわたくし好みですけれど、今は、あの人を見ても何も思わないなんて…離婚の手続きをして良かったわ。でも、慰謝料がまだよ。早く払ってくれないかしら?新居に考えています屋敷を建てないとアルベルトと住めないわ)
「…アメリア様…」
「え?何?」
「…彼が見ています…」
「彼?」
アメリアは、アルベルトがブライアンがアメリアに気付いたと知らせブライアンは、貴族の集まる場で報告をした。
「…わたくし、ブライアン・ブロスは、妻でありましたアメリア夫人と離縁致しました事をお知らせ致します」
ザワザワと貴族達が騒ぎ、アメリアの近くにいた貴族達はアメリアを見て哀れんだ目で見る者もいた。
「そして、キャサリン嬢の婚約を新たに結びました…彼女のお腹には新たな命が宿っています事をこの場を借りまして報告致します…」
ザワザワと驚く貴族達に笑顔が見え、会場は拍手の音が響きブライアンとキャサリン嬢の婚約が発表された。
1,291
あなたにおすすめの小説
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
もう演じなくて結構です
梨丸
恋愛
侯爵令嬢セリーヌは最愛の婚約者が自分のことを愛していないことに気づく。
愛しの婚約者様、もう婚約者を演じなくて結構です。
11/5HOTランキング入りしました。ありがとうございます。
感想などいただけると、嬉しいです。
11/14 完結いたしました。
11/16 完結小説ランキング総合8位、恋愛部門4位ありがとうございます。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる